ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

地震から逃れられない国(4)

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(3)のつづき

テレビをつけてビックリした。NHKでみた画像は上記のような高速が倒壊した空撮だった。
ラジオからは全く予想もつかない映像だった。
玄関先で女性がこけた?・・・地震直後のラジオなんて全然当てにならんがな!と憤りを感じたものだ。今は情報伝達の革新でまさかこのような見当外れな放送はないことだろうと思うが。
また、直後の放送の中身は最悪だったとはいえ、時間をおいてからは当然ながらテレビなどが見れない環境におかれた人にとっては重宝はしたとは思うが。

在阪ラジオ局のノンキな状態とこの西宮~神戸方面の空撮で、僕の予想の南海沖地震でないことは明白だった。
とりあえず暫く片付けなどほっといて、テレビに釘付けになってしまった。


電話は全く繋がらなかった。窓から外の公衆電話をみると長蛇の列。
会社に何ら親近感のない僕は会社にいけないことを伝える電話をあっさり諦めた。
(皆さんはこんなことしないように!)
5階の窓から見る景色は、ところどころ民家から煙があがっていたがうちの近辺は大した火事もおこらなかったようで、倒壊した家も見当たらなかった。

後片付けを一通りすませると、外にでて近所の様子を探るために歩き回った。
うちの住んでいる団地にヒビなどははいってなく、どうやら建物の心配はないようだった。
普通の木造の民家も大半は問題がなかったが下記のような洒落た作りの住宅はさすがにつっかえ棒である柱がポキンと折れて、前のめりに家が倒れていた。
あまり奇抜な形の家屋は考え物だ。

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殆ど民家が潰れてない街中をしばらく歩いてて、仰天するような光景が目に入ってきた。
山陽新幹線の高架である。
当時の写真がないので、またもや慣れないペイントで書いてみた。(マウスで描くのはキツイ)

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街なかに新幹線が通ってる場合、高架を挟んだ両側は市道などの道路(上記青色の部分)が走っている場合が多い。高架の下にもそれら市道を結ぶ道路がところどころに当然あるわけだが、その市道の上にグシャンと、新幹線の高架が落ちていた。
朝早いこともあってか、車や人はいなかったようで、大惨事に至らなかったのが幸いした。
それにしても目の前にしても信じられないような光景だった。
なんせ、周辺の木造住宅などはビクともせず通常の風景を保っているのに、50年はもつといわれていた新幹線の高架だけがいとも簡単に崩れ落ちて有り得ない状態になっているのである。
このミスマッチの空間がなんとも異様な風景だった。
声を大にしていいたい。これは完全な手抜き工事の欠陥構造物である。

山陽新幹線の構造物関連は非常に胡散臭い。
どうやら工期を間に合わすのに工事の際に相当手を抜いているようだ。
山陽新幹線はトンネルの数がめちゃくちゃ多いが、そのトンネル内のモルタルの剥離など以前も問題になっていたことはご存知のとおりである。
うち近辺の震度なんてのは鉄筋構造物が崩れるような震度では決してない。その程度の地震で高架が崩れるようではこれからの地震に大変不安を覚える。

上記の略図の崩れた部分、急ピッチで復旧された。が、その前後の区間の高架は当然ながら、何かしら補強工事はしているとはいえ、今現在もそのまま使われ新幹線がビュンビュン走っているのである。あの崩れ落ちたところだけが欠陥工事だったとはとてもじゃないが思えない。

これは新幹線だけではない。震度6ほどのところで、私鉄の上を渡る国道の高架が崩れ落ちたりするなど、鉄筋構造物の弱さがやたら目についた。
皆さんもグラッときたときに、もし何かしら橋などの高架にいる場合、実際逃げるのは困難だと思うが、
その場所が決して安全な場所でないことを認識して、一刻も早くその場から離れることを頭に入れておいてもらいたい。

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上記は尼崎のとあるマンション(地震直後当時)。築20年以上経っていたと思われるが、一階がすべて駐車場で柱が座屈してマンションが半壊した。
このように震度6弱程度でも住める状態でなくなるマンションが出てくる。

(5)につづく