約10年前、近所にある宝塚大劇場で出待ちの様子を初めて見に行ったんですが、そのときに偶々見かけたのが花組の芹香斗亜(せりか・とあ)です。非常に目を引く存在感だったんですが、まぁ歌劇に特に興味のない私はそれ以降、彼女の名を耳にすることがなかったのですが、先日、入団17年目にしてとうとう宙組にてトップスターとなったというニュースが。これはおそらく相当遅いほうで、極端な例を言うと、天海祐希なんかは入団たった6年半でトップになっております。
それだけに9月29日にはじまった新たなトップの披露公演は芹香斗亜本人にとってもファンにとっても特別なものだったでしょうが、翌日30日に同じ宙組の生徒(タカラヅカでは音楽学校卒業を卒業して入団後も「生徒」という)がマンションから飛び降り自殺をしました。享年25歳だったということですが、難関の音楽学校に入って憧れのタカラヅカジェンヌとなったであろう女性が志半ばでそのような選択をされたということはよっぽどの事を抱えておられたのでしょう。
宙組をはじめ生徒さんたちのショックは計りしれず、当然10月1日の公演は急遽中止となったわけです。
今年に入って宙組ではある事件が文春にて報じられました。宙組のある娘役の生徒が後輩の顔にヘアアイロンをあてて傷害を負わしたという「いじめ」のレベルを超えてるもので、記事では加害者の芸名も書かれています。それに対して歌劇側が全否定のコメントを出したようですが、いじめをしたと報じられた生徒は先日宙組から別の組に異動するなど何とも不穏なことがつづいたようです。結局はそれらが今回の一番最悪な事態にまで至ってしまった理由なのであれば(実際のところは関係するのかは現時点で分かりません)、本当に悲しい話であると同時にあってはならんことで、関係する生徒はもちろんのこと、歌劇の運営者、及び親会社の阪急阪神ホールディングス側も誠意ある対応をとる責務があります。もし、自殺の理由が劇団内にあるとするなれば、さすがに今回だけは有耶無耶にすることは許されません。
音楽学校の生徒さんたち筆頭にこのタカラヅカで受け継がれてる変な気味の悪い伝統とやらを早々に改善させる必要があるんじゃないでしょうか。
私の知人で目鼻立ちがはっきりとした女性が宝塚に住んでるんですが、その彼女が若い頃、劇場周辺を歩いてると音楽学校の生徒がひっきりなしに挨拶してくると言ってました。要は生徒さんたちは先輩に挨拶をしないとえらいことになるんで、なんかタカラヅカっぽい顔の女性には誰彼構わず挨拶をしておるんでしょう。異常ですわ。
この時代錯誤の軍隊みたいな慣習は誰の指示で受け継いでるんでしょうか。どちらにしろ、阪急グループのオッサン連中がそれらを良しとして黙殺していることだけはハッキリしとります。
今やジャニーズも大問題になってる最中ですが、もう国内の芸能関係者もこれまでの陰湿で気味の悪い慣習は早々にやめるべきです。いじめ、性犯罪、圧力・抑圧、忖度・・んなことばっかりではまた不幸な芸能人を増やすだけです。
亡くなられた生徒さんのご冥福を心よりお祈りいたします。