ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

[歌詞・和訳]Eagles - Hotel California

 
 
暗闇の砂漠を走るハイウェイ、涼しい風に髪がなびいた
コリタスの(*)の香りが匂い立つ
はるか前方、揺らめく街の灯り
私の頭は重くなり、目も霞みはじめていた
一夜を過ごすため泊まらければならなかった
ホテルの戸口に立つ彼女
小教会の鐘が響き渡る
そして私は自分に問いかけた
”ここは天国にも地獄にもなり得る”と
そして彼女はキャンドルに火を灯し、私を案内した
廊下のほうから声が漏れている
彼らがこう言ってるように聞こえた
 
とても魅力的な場所(とても魅力的な場所)
とても美しい外観
たくさんのお部屋を用意しているホテル・カリフォルニア
年中いつでも(年中いつでも)
ここではお迎えできます”
 
彼女の心はティファニーに釘付け、車はメルセデス・ベンツだった
彼女は友だちと称するかわいい、それはかわいい大勢の若者たちを引き連れていた
どれほど彼らが中庭で踊っていただろうか、この甘美な汗ばむ夏に
ある者は想い出を刻むために、そしてある者は忘却のために
 
そして私はボーイ長を呼んだ
”ワインを持ってきてくれ”
彼は言った、”1969年からはそのようなスピリットは持ち合わせておりません”
そして未だ遠くからこれらの声が呼びかけてくる
夜中に起きると
この声だけが耳にまとわりつく
 
とても魅力的な場所(とても魅力的な場所)
とても美しい外観
ホテル・カリフォルニアでは皆様この上なく楽しまれています
なんて思いがけない素敵なことでしょう(なんて思いがけない素敵なことでしょう)
あなたのいい口実となりえますよ”
 
天井に張られたミラー
氷に埋もれたピンクのシャンパ
そして彼女は言った、”私たちは皆自分たちが生み出したからくりに囚われた身なの”
そして支配人の私室において、彼らは宴のため集まっていた
彼らは硬いナイフで刺すも
獣の屠殺すら満足にできない
 
最後に私が記憶しているのは
私が出口に向かって走っていたことだ
通路を探さなければならなかった、もと居た場所へ戻るために
”落ち着いて”、夜警の男が言った
”私たちは全てのお客様を受け入れるようになっております
あなたが好きな時にチェックアウトされることは可能です
ですがあなたは決してここを去ることはできませんよ!”
 
 
※コリタス:サボテンの一種。メキシコでマリファナの隠語
 

 
イーグルスってのは米国内ではちょっととんでもない存在のようでして、この曲と同タイトルのアルバム「Hotel California」(76年)がイーグルスの最高傑作であるのは間違いないですが、実は米国内ではこのアルバムより前にリリースされた中期までのイーグルスのベスト盤(つまり、ホテル・カリフォルニアの曲は含まれていない)「Their Greatest Hits 1971-1975」が一番の売上枚数を記録しています。
これは「イーグルスのアルバムの中で」ってな小さいカテゴリのみならず、なんと「米国内において過去あらゆるアルバムの中で一番売れている」のがそのベスト盤っていうんですから驚きです!
その枚数は約3000万枚でして、つまり米国内ではマイケル・ジャクソンの「スリラー」を凌いでいるのです。
 
さて、この曲はドン・ヘンリーを中心に書かれた渾身の歌詞だけにバンドの思いも強かったようでして、当時のLP盤のジャケットを開くとバンドのメンバーが大勢の人たちとホテルのロビーに佇む写真とともにこの「ホテル・カリフォルニア」の歌詞だけ記されていました。(他の収録曲の歌詞は記されていない)
 
その肝心の歌詞ですが隠語だらけのため、曲の解釈はさまざまです。
まず最初にコリタスというマリファナの隠語が出てくるくらいですから、この曲は全般をとおしてドラッグのことであろう隠語があちこちに読み取れるようです。
 
ドラッグとは関係ないですが、この曲の歌詞で有名なのが「We haven't had that spirit here since nineteen sixty nine.」のくだり。
ここでのSpritは「蒸留酒」と「魂」の意味を兼ねていまして、69年というのはウッドストック・フェスティバルを意識したものと言われています。
つまり69年以降の商業至上主義により退廃したロック/音楽業界を指しているわけで、その自分たちが作り上げた堕落した業界システムに入り込むとなかなか抜け出せないことを意味すると解釈できます。
 
また、この当時業界に蔓延していたドラッグなんかに置き換えると、同様に一步踏み込んでしまうと断つのが難しいのは周知の話で、それはアルコールなんかも同様でしょう。
(この記事を書いている時はTOKIOのメンバーの酒に伴う事件が問題になってますが・・)
 
歌詞もさることながら、なんといってもこの曲は後半のツイン・ギターによるソロです。この度肝を抜くかっこいいソロなくてはここまでこの曲は名曲として扱われなかったはずです。
曲は当然Billboardで1位、グラミーも「レコード・オブ・ジ・イヤー」を獲得しています。
 
活動拠点であるウエスト・コーストと業界について俯瞰的な比喩・批判を伴ったこの名曲を送り出した後、自分たちのピークを悟ったイーグルスはこの後1枚のアルバムを出したのちに間もなく解散してしまいます。
ホテル・カリフォルニア」はその絶大なる存在ゆえにそれを生み出したバンドの息の根すら止めてしまったといっても過言ではないかと。
 
 

 
Hotel California
 
On a dark desert highway, cool wind in my hair
Warm smell of colitas, rising up through the air
Up ahead in the distance, I saw a shimmering light
My head grew heavy and my sight grew dim
I had to stop for the night
There she stood in the doorway
I heard the mission bell
And I was thinking to myself
"This could be Heaven or this could be Hell"
Then she lit up a candle and she showed me the way
There were voices down the corridor
I thought I heard them say
 
Welcome to the Hotel California
Such a lovely place (Such a lovely place)
Such a lovely face
Plenty of room at the Hotel California
Any time of year (Any time of year)
You can find it here
 
Her mind is Tiffany-twisted, she got the Mercedes bends
She got a lot of pretty, pretty boys she calls friends
How they dance in the courtyard, sweet summer sweat
Some dance to remember, some dance to forget
 
So I called up the Captain
"Please bring me my wine."
He said, "We haven't had that spirit here since nineteen sixty nine."
And still those voices are calling from far away
Wake you up in the middle of the night
Just to hear them say
 
Welcome to the Hotel California
Such a lovely place (Such a lovely place)
Such a lovely face
They livin' it up at the Hotel California
What a nice surprise (what a nice surprise)
Bring your alibis
 
Mirrors on the ceiling
The pink champagne on ice
And she said "We are all just prisoners here, of our own device"
And in the master's chambers, they gathered for the feast
They stab it with their steely knives
But they just can't kill the beast
 
Last thing I remember
I was running for the door
I had to find the passage back to the place I was before
"Relax," said the night man
"We are programmed to receive
You can check-out any time you like
But you can never leave!"
 
 
Writer(s): Glenn Lewis Frey, Don Felder, Donald Hugh Henley 
 
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