ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

NHK『弟の夫』・帰国の把瑠都と中村ゆりのメッセージ

GW中の昼間にNHKで「弟の夫」というドラマを3話分を一気に地上波で放送しておりました。もともとはBSで放送されてたドラマのようです。
このドラマ、「京都人の密かな愉しみ」のオムニバスドラマに出てた中村ゆりという女優さんが出演されているということで見てみることに。
この女優さん、容姿が自分の好みのタイプとかそういうのではないんですが、ドラマで演じてる女性の姿がめちゃ良かったので印象に残ってしまったんですな。

「弟の夫」はマンガが原作ですが、もうそのストーリーから面白い。
主人公の弥一(佐藤隆太)の双子の弟が中学時代にゲイであることをカミングアウト、困惑した弥一はそれ以降は関係がギクシャクしたまま弟はカナダへ留学し、永住権も取得して以降は絶縁状態に。
弥一は結婚してかなちゃん(根本真陽)という娘をもうけるも、嫁(中村ゆり)の浮気で離婚、シングルファザーとして小学生のかなちゃんを育てていた。
すると弟がカナダで突然病死したということを知ることに。葬儀にも出ることなく、そのまま平穏に暮らしていると「弟の夫」と称するでかい巨体のマイク・フラナガン把瑠都)が弥一宅に突然訪ねてくる。
それからマイクとかなちゃん、弥一の3人の奇妙で短い「家族生活」が始まるというもの。

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びっくりしたのはマイク役の把瑠都の演技。
基本的にその役柄から片言の日本語のセリフとはいえ、表情とかが抜群にうまく、佐藤隆太もビックリしたとのこと。既に舞台役者を経験していたといえ、役者としての経験が浅いにも関わらずこの辺の抜擢がホンマNHKは相変わらずすごい。
このオファーが来た時に把瑠都は相当迷ったんだそうですが、素晴らしい役者さんでした。
かなちゃん役の根本真陽ちゃんの演技もめちゃ良くて、戸惑う弥一をはじめとした大人たちと違い余計な先入観なくマイクとの触れ合う場面は微笑ましく、別れの場面は涙なしには観れません。
中村ゆりが演じる夏樹という元ヨメもさっぱりした女性でホンマ今回も好感が持てる女性の役でした。

LGBTというデリケートなことを扱ってるだけにNHKは基本的に余計な脚色をしないで原作のマンガに忠実な脚本としたとのことですが、名作「あまちゃん」にも絡んでいる吉田照幸氏の演出もお見事でした。
また、全話の脚本と第2話の演出を手がけた戸田幸宏氏は過去の自分のLGBTに対する無知から自分の意思を曲げようとした苦い経験を踏まえて、このドラマ制作にあたり徹底的に取材したとのこと。それはマンガに余計な脚色をしない方針にも関わらずです。
そのような深いバックボーンあってのこのドラマのクオリティなんでしょう。

主役の佐藤隆太含め、メインキャストは何れも素晴らしかったのですが、中でも注目を集めた把瑠都はご存知のように自国のエストニアに帰国するという報道が既に流れてました。
以下、中村ゆりのインスタグラムのメッセージ。

「ドラマ、弟の夫がギャラクシー奨励賞をいただきました。👏😭👏
把瑠都さんが帰国される前にステキなプレゼントになったはずです。
色んな大変な事に直面しながら、きっと孤独も乗り越えて、異国で頑張って来た把瑠都さん。きっとそんな把瑠都さんだから、マイクという役に深みを持って演じられたのではないかと生意気ながら感じております。
御一緒出来て本当に良かった。(以下略)」

ドラマの最後、カナダへ帰るマイクが悲しむかなちゃんに英語でのお別れの挨拶について伝授する場面があります。英語ではまた会うことを約束する「See you again」というフレーズを使うと。またかなちゃんとはきっと会えますよと伝えるんですな。

それに引っ掛けて把瑠都が帰国の途の飛行機でツイッターでメッセージ送ったようです。ドラマの地上波放送直後だっただけに把瑠都への反響は結構すごかったようです。
マイク・フラナガンはCANADAへ 把瑠都はEstoniaへ みなさんSee You Again ちゃんこ が こいしくなったら にほん に もどります。」

把瑠都の演技はもう見れないかも知れませんが、中村ゆりという女優さんの演技はこれから見れるはずなので要チェックです!
(あまりドラマとか映画を見ない私ですがw)