ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

京都の舞妓さんになりたい方へ[花街の芸舞妓の基礎知識]

京都の芸妓さん、舞妓さんの数も徐々に減ってきている傾向にあるといいます。

少子化の影響もあるでしょうから仕方ありませんが、やはりこの京都ならではの伝統が細っていくのは残念なことです。
 
・・ということで、10代の若さでこの伝統ある世界に興味のある方へ向けて祇園の舞妓さん・芸妓さんと花街の基礎的なことを展開したいと思います。
単に芸舞妓さんに興味を持ち始めた一般の方にも一助になればいいかと。
 
※ちなみにワタクシ、お茶屋さん(後述)に行けるような身分ではなく、この2~3年、芸舞妓さんに興味を持ちはじめて花街の行事で写真を撮ってる程度のものですのであくまでも上っ面の基礎部分しか知識がないことをご了承ください。
深く突っ込まれると何も知りませんので他をあたってくださいw
 
 
【舞妓と芸妓】
これは京都特有の呼び方ですが、いわゆる舞妓[まいこ]というのは芸妓[げいこ]になるための修行期間の人です。
舞妓として修行を積んでから芸妓になる(これを襟替え[えりかえ]という)というのが一般的な流れです。後に詳述します。
 
【花街】
芸舞妓さんといわゆる「お座敷遊び」ができる店が集まっている区域を花街(かがい)と呼びます。
京都市内には以下の6つの花街があります。
 
祇園甲部[ぎおんこうぶ]
・宮川町
上七軒[かみしちけん]
先斗町[ぽんとちょう]
祇園
・嶋原[しまばら]
 
但し、嶋原は祇園なんかの繁華街から遠いため昭和後期に衰退し、京都花街組合連合会を脱会しているので、現在はそれ以外の5つを「京都の五花街」と呼んでいます。
舞妓さんになるにはこの五花街から選ぶことになります。
 
一番有名な花街は祇園甲部でして、マスコミが花街の行事(八朔[はっさく]、事始め[ことはじめ]など)を報道する時に取り上げるのは大抵がこの祗園甲部です。
舞妓になるハードルも高いかもしれません。
続いて大きいのが宮川町ですが、芸舞妓の人数としては祇園甲部とほぼ同じです。
五花街の芸舞妓は総勢約150人で、毎年約10~20人が舞妓になります。
 
祗園甲部や宮川町でトップクラスになるに越したことはありませんが、それらの街で上位になれない場合、ライバルが多いので行事などにも出演する機会が減り、他の舞妓と埋没する可能性があります。小さい規模の花街だと逆に目立ちやすいかもしれません。
それぞれの花街の特色や一長一短があるので吟味が必要です。
※余談ですが、このブログでよく取り上げているのは宮川町です。
 
置屋[おきや]とは芸舞妓を抱えている家で、お茶屋は芸舞妓を呼んで客に飲食をさせる店のことです。
舞妓になるには置屋に応募することになります。
また、置屋お茶屋を兼ねているところもあります。
 
【舞妓になる条件】
基本的に舞妓さんに応募できるのは中学を出たばかりの15~16歳くらいの女子になります。
最近は高校を出てから花街に入る方もおられますが、その代わりハードルは高くなります。相当な逸材でないと無理なようです。
この場合の逸材とはずばり「見た目がきれい、かわいい」ということになります。
ちなみに舞やお茶などの習い事の経験の有無は全く関係ないようです。
 
 
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その他の条件としては身長は通常160cm以下が望まれるようです。
なんせ舞妓さんは上の写真のように「おこぼ」と呼ばれる高さ10cmくらいの履物で歩くので男性の平均身長が170cmくらいだとすると160cm以上の身長では男性客を見下ろす感じになってしまいますw
例外はありまして165cm以上の方が舞妓になることもあるようですが、身長が高ければ高いほど「逸材」であることが求められると思われます。
 
※個人的な考えですが、今や花街の客が男性のみならず女性や外国人が増えはじめている昨今においてあまり身長に重きを置くのは花街の時代錯誤かと。
そもそも男の感覚も男尊女卑の昔なんかと違い、相手の女性が自分より低いことで優越感に浸るってなヤロウは減ってると思われ、このような制限は今後緩和されていくと思われます。
 
そしてやはり太った舞妓さんを花街で見ることはありません。
太っている方は応募するまでにダイエットが必要かと。
 
ある程度の体力も必要でしょう。
上の写真のような正装の着物は約10キロもあります。また着物を着て夏の蒸し暑い京都の街を歩いたりと大変です。
 
【応募から舞妓になるまで】
信頼のできる仲介者を知っているのであればそこから応募するのが妥当でしょうが、現在は置屋のHPで募集しているところもあります。検索してみてください。
以下のおおきに財団というところでも募集しているようです。
 
書類審査⇒女将の面談を経て採用された場合、その後に舞妓になるまでの厳しい修行期間があります。
仕込みという約1年弱ほどの期間ですが、置屋に住み込みで舞妓になるためのお稽古事や置屋で雑用をしながら作法を学んだりとするわけですが、多くの方がこの時点で辞めてしまうようです。
例えば3人の仕込みさんがいたとして舞妓になるのはせいぜい1人くらいのレベルだそうです。
辞める人が多いためにお試しで数日間体験させてくれるところもありますが、それを経て覚悟して仕込みになっても辞めてしまうようです。
ゆえに相当な覚悟を持って応募しなければなりません。
 
約1年弱後に受ける試験に通ると見習い期間を経て舞妓になります。これを「御見世出し(おみせだし)」と言います。
 
【舞妓になってから】
舞妓になっても置屋での住み込みです。
夜が遅いので朝は8~9時頃と比較的遅くに起床、舞妓もあくまで修行期間なので昼間はお稽古ごとです。
18時頃からお茶屋さんへ行ってお座敷遊びなどをして客の応対をします。
それが22時頃まで、遅い時は日付が変わる時間までに及ぶようです。
 
芸妓の髪はかつらですが、舞妓は自毛です。綺麗に髪を結っている状態は簡単にできるものではなく、髪結いさんに結ってもらうことになります。
要は洗髪が制限され、だいたい週に1回ほどとのことです。
 
舞妓はあくまで修行期間ですので、お給料と呼ばれるものはありません。
置屋からの少額のお小遣いと客からのご祝儀程度だそうです。人気の度合いによって額は左右されるかと。(置屋によります)
 
休みは月に2日、それと盆と正月くらいとのこと。
月に2日の休みさえ、イベントなどで飛ぶ場合があるそうです。
 
また、飲食代・光熱費やお稽古事は全て置屋が負担するわけで一人の舞妓に対しその額は相当なものになります。
舞妓を卒業する前に辞める場合、その額のうちのいくらかを返済しなければならないかもしれません。
この辺の決まりが置屋によってどうなっているのか知りませんが、注意が必要です。
 
【芸妓への道】
舞妓として5~6年、20歳を越えたくらいで舞妓から卒業です。(高校卒業後に舞妓になった場合は舞妓の期間が2~3年と短くなります)
そのまま花街に残れば襟替え、つまり芸妓となります。
この時点で芸妓にはならず花街を去る方も多いです。
 
芸舞妓のように舞をする人を立ち方[たちかた]というのに対し、唄や三味線をする人を地方[じかた]といいますが、そちらへの道もあります。舞妓や芸妓を経てから地方になる方もおられます。
 
【その他】
・芸舞妓にとって結婚は即ち引退と決まっています
 
・はるか昔は花街にて売春行為もありましたが、現在は当然ながら一切そのようなものはありません
 
・2015年に女子大を出てから祇園東の地方として見世出しされた満彩希[まさき]さんという方がおられる他、同じように20歳を過ぎた方でも舞妓時代をすっ飛ばしていきなり芸妓になる稀有な方もおられます。(当然、仕込み期間はあります)
 
 
※知ってる範囲で基本的なことをとりあえず思いつくまま列記しましたが、随時追記します。
また何か誤りに気づかれた方がおられましたらご指摘ください。
 
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