ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

震災遺構~南三陸町・防災庁舎補修工事の失敗

「失敗」というと語弊があるかもしれません。
補修工事自体は問題ないんでしょうが、結果的にその外観は変わり果ててしまい、それを見た多くの方が「残念」と思うと予想されるので、その意味での「失敗」です。

三陸の防災庁舎については誰しもがご存知と思います。
これを「震災遺構」と残すことについて地元では反対される方もいるそうですが、とりあえず暫く県が管理することになったということで、私個人としては安堵しておりました。
今残ってる東日本大震災の遺構としては一番シンボリック的存在と思われます。

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昨年3月の庁舎付近の様子。
高い盛土に挟まれて庁舎が目立ちにくくなってますが、津波はこの庁舎の屋上に避難した職員の方たちをも襲ったほどなので、この盛土を切り崩して10mほどの嵩上げの造成地となる予定です。

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5年以上も雨や海風に晒されて鉄もどんどん劣化していくので補修工事は必然で、先日その工事が終わったとのことでマスコミに報道されたのですが・・

知らない方は下記の写真を見てください。


テカテカに綺麗に赤茶色に塗られた鉄骨と真っ白な階段。
「建築中の新築マンションみたいになってもた」という声があるほど、「震災遺構」とは程遠い状態に・・

工事費は4000万ほどだそうで、風貌を変えずに自然な感じに錆止め等をする場合は更に倍以上の工事費がかかるとのことで、最低限の施しをしたの分かるんですが・・
震災といえばこの庁舎が映像としてインサートされてましたが、気のせいかもしれませんが今年はテレビであまり見かけないような・・。

いや、原爆ドーム含め、壊れた建物をそのまま残すというのが如何に難しのか改めて思い知らされました。

それにしてもこの工事・・・残念としかいいようがない。

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(2016/03/27 17:13)
間もなく日が暮れようとする時間でも車などで遠方から手を合わせにくる人が耐えなかった防災庁舎でしたが・・