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一応、風景写真がメインです

オバマ大統領、広島平和記念公園訪問へ

ケリー国務長官が各国外相とともに平和記念公園に訪れたニュースが大きく取り上げられましたが、私は毎日新聞でとある関連記事を読んで驚きました。

原爆資料館長だった故高橋昭博さんの妻史絵(ふみえ)さんを取材した記事なんですが、ケリー氏が米上院議員に初当選した84年、高橋昭博さんはケリー氏に広島に訪れるよう手紙を送ったんだそうです。
館長時代に高橋さんは各国の要人に同様の手紙を送ってたらしいのですが、ケリー氏に送った理由はベトナム戦争から帰還した彼が反戦を訴えて当選した記事を読んだことによるもの。
ケリー氏から返信があったらしく、それには「あなたのお手紙は非常に感動的で、誰もがいつまでも忘れるべきではないというメッセージを持っています。決して、再びいかなる人も、核爆弾の悲劇をこうむるべきではありません」などの主旨が書かれていたといいます。

それから30年以上が経過した後、国務長官という実質アメリカNo.2の立場となったケリーさんが広島に訪れたことは高橋さん夫婦の念願が叶ったかたちになります。

慰霊碑を訪れたケリー氏は慰霊碑越しに見える原爆ドームを目にしたためか、予定にないにも関わらず突然「ドームに行きたい」と言い出したといいます。
厳重な警備を行っている警察はじめセキュリティ関係者は大混乱に陥ったらしいですが、ケリー氏はそうなることを理解したうえで無理な要望をいうほど、平和記念公園で何かを感じられたのでしょう。

アメリカに帰ったケリーさんはLAでの講演で早速「一度広島に行くべき」という旨を聴衆に語ったといいます。
当然、オバマさんに対しても同様の話をされたでしょうし、この時点でリベラルなオバマさんが広島に行くのはほぼ決まったといってもいいでしょうが、障壁となるのは米国内の世論です。

未だに「原爆のおかげで終戦を早め戦争犠牲者を減らした」と原爆投下を肯定する人が多く、「原爆投下は正しかった」とする人が過半数以上なわけですが、この数字は年々減っていっております。
というのも、若い世代になるほど原爆投下肯定論に懐疑的な人が多く、確か直近の調査では20代とかになるとその数字が逆転していたはずです。

オバマさんの広島訪問については米国内のマスコミも肯定的とのことで最大の障害がなくなったといえます。時代も変わりつつあるのでしょう。
だからといって今回オバマさんに謝罪を求めるのは酷すぎますが、いずれアメリカ大統領が謝罪する日も来るのではないでしょうか。

被爆者の方々の地道な活動もあり、とうとうアメリカ大統領が広島を訪れる決断に至ったことは日本にとって喜ばしいことです。
世界に対して核爆弾の恐ろしさを広く認知させる一端になればと願わずにいられません。

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(2014/09/06)平和記念公園慰霊碑前にて。