ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

阪神大震災から20年(1)・震災で死なないための住居

戦後70年、阪神大震災から20年と紙面にやたらと載ってますが、70とか20がキリのいい数字かどうかはとりあえず置いといて、震災によって一変に人生を変えられてしまった方々にとってこの20年をどう思っておられるでしょうか。
既に神戸や西宮の街に震災を想起させる風景はありませんが、親を失った方、2階と1階で部屋が違ったためにお子さんを亡くされた方など本当に辛い日々を送られてこられたと察します。
 
私は当時尼崎の実家に住んでいて、ライフラインを絶たれるなどの経験はしてますが、本当に被災された方々のことを思うと「当時は大変だった」と言えるような経験もしておりません。
 
しかし、大きな地震を実際に経験し、被災地を実際に見てきたのは確かでして、震災後にいろんな認識を改めたこともあります。まだ震災を経験していない方には是非とも聞いてもらいこともあります。
「言われなくてもわかってる」と思われるような内容ですし、このブログでも何度も書いてることではありますが、20年ということで改めて書かせていただきたい。
それで救われる命があるかもしれません。

※あくまで「阪神大震災」の経験に基づく話であって、東日本大震災で発生したような「津波」を考慮すると更なる安全策が必要になることをご留意いただきたい。
 

 
まずひとつめは自分が寝起きする「住宅」についてです。
 
私の住んでた尼崎は大した震度ではありませんでした。
被災が大きかった西宮と接する位置に住んでたので、尼崎の中でも揺れはひどかったのですが、それでもせいぜい震度5強ほどだと思います。
阪神大震災以降、震度の計測方法が変わったので正直なところはよくわかりません。最近の震度のほうが大きめに出されているという話もあります)
 
この程度の震度では大抵の家屋は倒壊しません。
鉄筋のマンションなどはまず大丈夫です。
・・が、この微妙な震度でも倒壊する家屋やマンションはありました。
 
例えば1階を駐車場にしている建物です。
一軒家でも1階を駐車場にして、細い柱だけで2階部分を支えてるような小洒落た構造のものはその柱が折れて2階部分が前のめりに倒れておりました。
 
稀なケースとしては、6階建てほどの大きな鉄筋コンクリートのマンションでも1階部分が駐車場だったためか一部の柱が崩れ住めない状態になってしまっていました。
(明らかに構造的に欠陥があったのでしょうが)
 
また、私が小学生の頃まで住んでいた築30年ほどの文化住宅も完全に倒壊したそうです。(倒壊した状況は見ておりません。現場に行った時には更地になってました)
 
震度5強~6弱の地震でも古い木造住宅や強度のしっかりしていない家屋、鉄筋のマンションですら倒壊する可能性はあります。
 
また西宮の仁川では広大な宅地造成地が崩れて多くの方がなくなりました。
山を切り開いての造成地や平地でも盛土などをしている箇所は危険性があります。
やはり死なないためだけにあらず、自分の大事な所有物などを守るためにも住むところは用心して選びたいものです。
仁川の件については用心していても回避できたとは思えず、難しいところではありますが・・。

とにかく、多少ムリしてでもしっかりしたところに住むということは大事なことではないでしょうか?
 

 
しっかりしたところに住んでいても危険な目に遭う場合もあります。

私は当時、実家の古い公団住宅に住んでいたのですが、鉄筋コンクリートには殆どヒビすら入っておりませんでした。
「やはり公団はしっかりしたものを作っているんだな」と震災後に感心したものです。
しかし、それでも私は一歩間違えれば死んでいましたし、同じ公団に住んでいる方でも亡くなった方は数名おられました。
 
当時、「大阪には地震がない」ってなアホ丸出しの説は全く信じずに、私は自分の部屋のタンスや本棚は壁と金具で固定させておくほど用心しておりました。
しかし、早朝の大揺れ後に、自分の寝床を見て驚きました。
いつも使っている25インチのテレビがテレビ台から落ちているのはまだしも、14インチのテレビが枕元に落ちていたのです。
この全く使っていない14インチのテレビがなぜに枕元に落ちているのか母親に聞いたところ、なんと使わないので邪魔だったこのテレビを事もあろうに私の洋服ダンスの上に置いておいたというのです。
こんなのが2m近いタンスから落ちてきて頭に直撃したら死んでもおかしくありません。
 
こういう危機意識のない私の母親みたいなバカが家のことを取り仕切ると、同じ同居人は「殺されかねない」ということを本当に認識してもらいたい。
 
私は熟睡しないタイプなので、震災時も揺れ始めた時には既に頭の回転はフル状態でしたが、阪神大震災のような直下型の場合は一瞬でMAXの揺れがくるため、私のような目覚めのよい人間でも寝ている時に発生したら対処しようがありません。
要はどのような部屋で寝ているかというのは本当に生死を分けます。
 
日本の住宅事情を考えると、なかなか厳しいのはよくわかっていますが、やはり寝るところにタンスだ本棚だと重い家具を置くのは大変危険です。
前述のとおり、私の住んでた団地は何れの棟もビクともしなかったのですが、数名の方が亡くなられたのは家具による圧死だと思われます。
 
人生の3分の1を睡眠にとっているとするならば、寝ている間に地震に遭う可能性も高いでしょう。
寝ているところに細心の注意を払うのは無駄なことではないと思います。