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一応、風景写真がメインです

小説「原発ホワイトアウト」:作者が語る「日本の原発の安全性」

私は25年前に原発の怖さとその胡散臭さを知ってから、ある意味「反原発」の立場でありまして、新聞やテレビで頻繁に垂れ流される「エコ・クリーン・安全」と謳う関電の原発広告には辟易としておりました。

しかし、福島の原発事故が起こるまでは原発の広告を垂れ流していたにも関わらず、事故後に方向転換した朝日や毎日新聞、もしくは事故後のにわか反原発の連中とは異なり、一気に原発の稼働をゼロにすることには経済面や安全保障面を考えるとムリがあると思っており、概ね現政権の方針に賛同していた次第。

さて、「原発ホワイトアウト」という小説が本屋に並んでますが、これは若杉洌と名乗る覆面作家が書いたものです。
その作家は現役のキャリア官僚で、自分が官僚として知り得た事実を核に、テロリストが未だ日本の原発に残る盲点をついて爆発事故を起こさせるというフィクションです。

私はこの小説は読んでませんが、この覆面作家が去年、毎日新聞のインタビューに極秘裏に応えていた。バレたら霞ヶ関にいれなくなるので、取材を受ける際でも尾行されてないか遠回りして待ち合わせ場所に行くなど細心の注意を払っているようです。

この作家は政治家・官僚・電力会社の巨大な集金・献金システムを問題にしていて、電力会社が発注する割高な随意契約、政治献金やパーティー券、天下りポストなどが原発マネーによってグルグル渦巻いているという。
こういう金ってのは元々電気料金からきているものであって、このシステムの仕組みを小説で描写することにより、我々がこれまで無駄な電気料金を払わされていることを告発しているとのこと。

若杉氏は今回小説には書かなかったものの、官僚の人事に政治家が関与しているといいます。
とある知り合いの経産省の官僚は電力自由化についてまじめに取り組もうとしたらしいのですが、ある日、ピュッと飛ばされたとのこと。
電力会社のほうで、業界に冷たい職員をピックアップしたリストがあるらしく、これを与党政治家に渡し、政治家から経産省の上層部に圧力をかけているんだそうです。
これがホンマやったとしたら、電力業界はもちろんのこと、政治家も官僚も終わってますな。

更に彼は日本の原発は新しい基準においても他国よりも劣っていると主張しております。
以下のように語ってます。
「欧州や中国で導入されている最新型原子炉は炉心溶融に備え、溶けた核燃料を冷却する『コアキャッチャー』という仕組みがある。抜本的な安全策ではないが、万が一の際にかなりの時間稼ぎができるのです。これが日本の新規制基準では無視された。電力業界や役所、原子炉メーカーも高額の費用がかかるから国民に知らせない。今や世界的に見ても日本の原発の安全性が劣るのは明らかです」

小泉純一郎細川護煕を担いで反原発を推し進めようとしておりますが、彼の主張は間違っております。
そもそも、彼は原発事故以降に日本では放射性廃棄物を処分する場所がないとかぬかしだして、急に「原発即刻ゼロ」を叫び始めましたが、こんなものは少なくともワタシが把握している範疇においても、四半世紀以上前から当時の反原発の人たちは持て余す放射性廃棄物については大きな問題として取り上げてきた。

首相までやったこの男がいまさら言うのもおかしな話で、我がが首相の時に取り組むべきだったことです。

んで、こやつは処分場がないから稼働を止めろといい、あたかも処分場を探すのを放棄するかのような主張になっておりますが、ただちに稼働を止めてもは膨大な廃棄物はこれからもドンドン出てきます。
燃料棒はもちろんのこと、原発廃炉した時点でえげつない量の放射線まみれの廃棄物は出てくるわけです。これらの処分をどこで行うのか。
どっちにしろ、場所はこれからも模索せねばならんのです。

とりあえず小泉の主張はズレてますが、しかし未だに原発の安全性が確保されていなかったり、電力業界・政治家・官僚がズブズブの関係ということになるとホンマに原発をただちに止めたほうがいいのではという話にもなるでしょう。

すべての情報をクリアにしないと、国民が反原発へ更に傾くことは避けれんでしょうな。

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