ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

ポール・マッカートニー「アウト・ゼアー・ジャパン・ツアー」を観た!!(2)

今回の来日にあたり、ロッキング・オン誌12月号とビッグイシュー日本版Vol.226ポール・マッカートニーのインタビューが載っており、今回の記事はそれらからところどころ引用したい。
ビッグイシューはご存知ホームレスの方々が販売されている雑誌で、ポールのライブ会場近くの道路にて今回購入しました。こっちの短いインタビュー記事のほうが興味深いことを語っているのでたった300円でしかもホームレスの方を支援できるので是非興味のある方は購入していただきたい。

ではライブのレポの続きを。

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それにしてもスタイルもスラっとしていて昔から変わってませんなぁ。遠目だと更にめちゃ若々しい!

2曲めで新曲を披露した後ぐらいにポールのMCが入った。「ただいま!」「おっす!」などに続いて「おおきに!」と関西バージョンのMCをしてくれたんですが、会場のビジョンでは彼の話した内容が日本語字幕で出るサービスもあり、その字幕が正しく出ているかチェックのトークも入れるなど茶目っ気たっぷり。

残念ながらこの字幕が表示されるのが遅いので「同時通訳」には程遠く、だいぶタイムラグがあったのが残念。日本語は変換があるのでなかなかすぐに字幕を出すのは厳しかったかw 英語がある程度わかる人は字幕を期待せずにポールの言葉に耳を傾けたほうがよいかと。

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「 My Valentine」に入る前に「奥さんに作った曲」旨をカタコトのの日本語で語るポール。「すごい頑張ってるんだよ、日本語」と言ってましたが確かに結構がんばってたw

英語が通じない日本人の観客に語りかけるより次々と歌ってるほうが楽だと思うんですが、私の印象としては曲が終わる度に曲の説明や「ありがとう!」など観客とコミュニケーションを取ろうとしておりました。
非常にサービス精神が旺盛なのが伝わってきます。

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観客からの歓声に耳を傾けるポール。

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私らの劣悪席に対する気遣いもw


彼はツアーなどの音楽活動は「自分の趣味」と語っておりますが、かと言って自己満足的なライブ構成では決してなく、曲の選定などは観客の反応がいいもの、求められている曲を選定しているとも語っております。

さて、この日はニューアルバム「NEW」から新曲4曲が初めてライブで披露されました。ジャパン・ツアーまでの世界各地のでライブではまだアルバムが発売されてなかったため新曲は披露しておりませんでした。
まぁ普通アルバムの宣伝も含めてライブで先行して披露してもよさそうなもんですが、今の時代、あっというまにネットで拡散してしまい、アルバムがリリースされた時のインパクトが弱まるので発売前の演奏は控えていたそうです。

このアルバム、タイトル曲の「NEW」を含めて誰もがビートルズっぽいサウンドだと思われるでしょう。それについてポールは「だって僕はビートルズだから」と答えてますw
非常に親しみやすい曲でライブでも盛り上がってたように思います。70を過ぎてもこんな曲が作れるのはホンマ凄いです。

39曲も演奏してくれましたが、それでもまだまだ「あの曲がない」「この曲がない」と残念がってる観客も多かったはず。
なんせ世界一のメロディーメーカーなんで、40曲や50曲では彼の名曲は網羅できんわけですわww
私が個人的に残念だったのはジャパン・ツアーまでのセットリストに含まれていた「 Mull of Kintyre(夢の旅人)」が新曲4曲を今回入れることでリストから外れたことです。
このポールのソロ曲は当時英国でビートルズ時代を上回る売上げを樹立した名曲でして、これは是非ともリストに加えてもらいたかった!

まぁそれにしても彼の曲は本当に幅が広い。
曲の背景に当時のアメリカの公民権運動があることを語りながらアコースティック・ギター一本で披露した「Blackbird」から、超ヘヴィな「Helter Skelter」まで振り幅が広すぎ。ちなみにこの2曲は同じビートルズの「White Album」に収録されているのがこれまたすごい。あるアーティストは「まったくどうしたらひとりの人間からあの2つが生まれてくるんだよ?」と語っていますが、おっしゃるとおりです。


新たな発見もありました。
スクリーンに変なキャラクターみたいなのが表示されたのですが、なんの曲かと思いきや・・
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All Together Now」でした。
ビートルズのアニメ映画「イエロー・サブマリン」のサントラに収録されてる曲です。この映画に乗り気でなかったジョンやポールは当時自分らが作った曲でイマイチなやつは「イエローサブマリン行き」と冗談を言ってたようですが(逆にいい曲は当時同時進行で作成していた名盤「サージェント~」行きだった)、そんな捨て曲(?)だったはずのこの曲が意外にもライブで「オール・トゥゲザー・ナウ!」と合唱できて盛り上がりました。
ビートルズは捨て曲ですら名曲に成り得てるので恐ろしいですなぁw