ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

[歌詞・和訳]The Beatles - Oh! Darling

ビートルズの中期以前にこの曲が発表されたのであれば単に「別れを告げられた者が必死に相手を引き留めようとする歌詞」と解釈もできるでしょうが、なんせビートルズの実質的ラストアルバム「Abbey Road」(1969)に収録されている曲なので意味合いは全く違ってきます。

 

オー!ダーリン

 

Oh!ダーリン、どうか信じてほしい
僕は君を決して傷つけたりしないから
僕が言うことを信じてくれ
君を決して傷つけたりしないから

Oh!ダーリン、もし君が僕を置いていくのなら
僕は決してひとりでやれないだろう
こうやってお願いしているんだから信じてくれ
僕をひとりにしないでくれよ

君がもう僕を必要としないと言ったとき
まぁそうさ、僕は崩れ落ちて泣き叫ぶに近い状態だった
君がもう僕を必要としないと言ったとき
まぁそうさ、僕は崩れ落ち、そして死んだも同然だったんだ

Oh!ダーリン、もし君が僕を置いていくのなら
僕は決してひとりでやれないだろう
僕が言うことを信じてくれ
君を決して傷つけたりしないから
信じてくれ、ダーリン

君がもう僕を必要としないと言ったとき
まぁそうさ、僕は崩れ落ちて泣き叫ぶに近い状態だった
君がもう僕を必要としないと言ったとき
まぁそうさ、僕は崩れ落ち、そして死んだも同然だったんだ

Oh!ダーリン、どうか信じてほしい
僕は君を決してがっかりさせたりしないから(Oh!信じてくれ、ダーリン)
僕が言うことを信じてくれ
君を決して傷つけたりしないから

 


The Beatles - Oh! Darling (2019 Mix / Audio)

 

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ポール・マッカートニー作の佳曲です。

ビートルズの後期の曲としては古臭い感じの曲調に思えるかもしれませんが、ジョージ・ハリスンが「コード進行が典型的な50~60年代」と当時言ってるくらいですから、わざとそういう曲調にしているんでしょう。

レコーディングを開始しはじめたのが69年の4月20日で最終録音が8月11日ということで、もちろんずっとその期間中この曲に関わってたわけではありませんが、ポールが相当こだわった曲であることはこの長期間からも伺えます。

 

自分のメインヴォーカルを入れる際は朝イチの自分の声がクリアだということで毎朝イチバンにスタジオ入りして録音し、気に入らなければまた次の日の朝イチに録音・・というのを一週間ほど毎日続けていたそうです。

すでにビートルズは当時グチャグチャ状態でこのアルバムに関わっている大勢の人たちがラストアルバムになるであろうことを気づき始めてる状態で、そこまで時間と労力を注ぎ込んで一曲を作り上げるというのは本当にとんでもないことです。

 

そして歌詞ですが、リンダと結婚したばかりのポールが逃げる女に懇願する女々しい歌詞など書く理由もないわけで、これはもうとっくの昔にビートルズに対して「心あらず」の状態だったジョン・レノンに対して書いたものだというのが世間の共通認識です。過去のジョンの歌詞の一節をひっぱってきたりしてそれを暗示しています。

ビートルズを心底愛し、ジョンを尊敬していたポールがなんとか彼を引き留めてビートルズを存続させたいという切ない想いを込めたわけですが、結局はこのアルバムを最後にジョンは脱退を宣言、ポールの手によりバンドは解散となります。

 

苦労してヴォーカルを録ったポールですが、その甲斐もあって歌声は鬼気迫るものがあります。

ジョンはこの曲をどうも気に入ってたようで、どちらかというと自分のスタイルっぽい曲ゆえにポールにセンスがあったら自分にヴォーカルをやらせていたはずと語っていたとか。

確かにジョンが書きそうな曲かもしれませんが、ここまでの迫力を更に上回るヴォーカルを当時やる気の失せたジョンが歌えたかどうかは疑問です。

また、迫力あるポールの歌声にかき消されがちなジョン、ポール、ジョージの三人による美しいバックヴォーカルについても聴き逃がせません。

 

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Oh! Darling

 

Oh! Darling, please believe me
I'll never do you no harm
Believe me when I tell you
I'll never do you no harm

 

Oh! Darling, if you leave me
I'll never make it alone
Believe me when I beg you
Don't ever leave me alone

 

When you told me you didn't need me anymore
Well, you know I nearly broke down and cried
When you told me that you didn't need me anymore
Well, you know I nearly broke down and died


Oh! Darling, if you leave me
I'll never make it alone
Believe me when I tell you
I'll never do you no harm
Believe me, darling


When you told me (woo!) you didn't need me anymore
Well, you know I nearly broke down and cried
When you told me you didn't need me anymore
Well, you know I nearly broke down and died


Oh! Darling, please believe me
I'll never let you down (Oh! Believe me, darling)
Believe me when I tell you
I'll never do you no harm

 

Songwriter(s) : Lennon–McCartney

 

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