ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

NHKスペシャル「映像記録3・11 あの日を忘れない」

今日のNスペは画面に食い入るように見てしまった。
地震発生前、発生中、発生後から津波がくるまでの一時の静寂、そして巨大津波が街を飲み込む映像を大量に出してきた。
 
番組内で個人的に「画期的な編集」と思ったのが、宮城県大崎市でのとあるホールでの様子。
講演か何かが行われていて、それをきちんとした機材で撮影していたようなんですが、揺れがくる前から撮影してたんで、その様子の一部始終が映像で残っているわけです。
・・まぁ、そんな映像はいくつもあるんでしょうけど、NHKはその時の大崎市地震の波形とシンクロさせて今回流したのが注目すべきところ。
 
講演を聴いていた人たちの携帯から地震の緊急速報のアラームが鳴り、しばらくして多少揺れ始めた直後が下記の画像。
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第一波の大きい揺れが来たのが、アラームが鳴り始めてから約25秒後。(下の写真)
震源に近い東北においてもアラームが鳴ってから本格的な揺れがくるまで多少の時間があったことが伺える。
その点はやはり直下型の震災だった阪神淡路とは大きく異なる。イメージ 5
 
大勢の客がホールから慌ただしく逃げていくも、一部の人たちにはホール内を安全と見たのか、停電したホールの中で結構な人数が残っている。
そんな中で更に大きな第二波が来たのがアラームが鳴ってから約1分後。
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ホールが崩れなかったからよかったものの、上の波形にあるようにその後も相当長い時間揺れ続けてたわけで、やはりこういうときは多少パニックになっても建物から出たほうが無難のような気がする。
 
大勢の人達がパニックになってなかった典型がその後、地震発生から約1時間前後でやってくる津波に対する対処。
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上は気仙沼市のある川のようすですが、ハンディマイクで「大きな津波が沿岸で観測されています。危険なので避難してください」と何度も呼びかけられてるのにボサ~~っと逆流してくる波を見物している住民たち。
この後、上に見える白いコンクリート壁から溢れ出す勢いの津波が押し寄せて、逃げ惑う事態になる。
私がこの場にいてたらどうしてたか??ということを考えてしまう映像でした。
 
ご存知のように津波ってのは「TSUNAMI」として世界共通語になるほど、日本古来というか、日本がさんざん苦しめられてきた災害。
にも関わらず、現在の日本人はどれだけ「津波」について真剣に考えてたかということです。
恋愛の傷心を「津波」に例えて曲名にまでしてしまった全くピント外れの日本人アーティストがおりますが、あの大ヒットの最中に違和感があったヤツってのはこの私だけだったんでは??ってくらい少なかったはず。
まさか今後において、津波をこんなふうに例えてどうどうとリリースするバカは日本人では出てこんでしょう。
我々の意識のなかで津波を「単なる穏やかな自然現象のひとつ」くらいにしか思ってなかったのでは??
 
スマトラ沖地震の映像で「津波とはかくも恐ろしいものだったのか」と初めて気付かされた感があります。日本の場合はなんせカメラの世界シェアがほぼ100%ゆえにその国民が所有している率も世界トップクラスだろうし、残った映像の量はハンパじゃないはず。ちゃんとしたビデオカメラはもちろんのこと、今回の番組ではコンデジで撮影された動画も紹介されてたが、ハイビジョン放送に十分に耐えうる映像でビックリさせられた。
 
これだけの膨大でクリアな映像が歴史資料の遺産として残されたので、今回の番組の主旨である「忘れてはならない」ということについてはだいぶ脳に焼き付けられたと思うし、これからもこれらの映像を繰り返し目にすることで更に我々が忘れることもないだろうと信じたい。
今を生きる我々のみならず、これからの子孫にとっても非常に大切な映像です。
 
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仙台空港津波が押し寄せているようす。
 
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津波を受けた直後の3月11日の福島第一原発
 
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とんでもない勢いて押し寄せる波。道路に泥水が流れ始めてから20秒経たないうちに上のような状態に。(釜石市
 
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北から押し寄せる津波と南から押し寄せる津波が重なり、20m以上の高さに(南相馬市
 
今週一週間は毎日Nスペを放送して、震災をとりあげるらしいので見逃せませんわ。