武田邦彦「日進市の花火中止は妥当」
私自身は彼ほどの慎重派でないものの、それなりに共感するところも多く、頑固に主張を貫く姿勢も評価してましたが、
やっぱりこのオッサンの言ってることは胡散臭いですわ。
「日進市の花火中止」の件です。
この中止について名古屋大の教授が「花火の放射性物質を気にして打ち上げを取りやめるのは行きすぎた反応であり、大変残念なことだ。花火は当然、食品とは切り分けて考えなければならない。こうした根拠のない考えや不安は、差別やいじめの構図につながる恐れがある」と紙面で語ってることについて、「論理的に間違っている」と武田氏は真っ向批判。
彼はこの花火の製造場所である福島県川俣町の線量が高いところをあげている。
私も先ほどネットで調べてみたところ確かに0.5μSv/ｈ以上のところが大半で避難区域と微妙なラインにある。
彼は「安全の根拠がない」「数値をいわない」と言い、要は福島で製造したものはなんでもかんでもイチイチ計測して公表しろと主張したいようだ。
「具体的に数値を並べて安全の根拠を述べろ」と言われたら、製造元の工場での数値を知らないので当然提示できないが、世の中には常識レベルというものがある。
数値が高いとはいえ、川俣町は住民が生活している地域であり、そこの建物内で製造したものである。
（まぁ製造工程の中で多少は天日の元で製品を置くこともあろうが）
そこにどれだけの放射性物質が花火に紛れ込むというんだろうか？？
食品の話ではない。単なる花火という製品の話である。
こんな製品のことまで「計測しろ」というのなら、「福島産は食品のみならずすべての製品について計測しろ」とこのオッサンはいうんだろうか？？
じゃあ、私が仮にこのオッサン並に放射能にヒステリックな立場にあるならば、以下のように主張するでしょう。
「川俣町は0.5μSｖ/ｈ以上の数値なので当然すべての製品に計測すべきである。
それのみならず、原発の水素爆発直後、新宿をはじめ首都圏各地も一時的であるが0.5μSｖ/ｈを大きく超える数値をたたき出している。首都圏で製造された製品も汚染されている可能性があり、すべて計測は必須。その値を公表すべき。
いや、ついでをいうならば大阪よりも汚染されている可能性の高い名古屋周辺の中京も怪しい。全部計測することで我々は安心できるというものだ」
このオッサンの主張を加速させればこのようになってくるのでは？？全くもって風評被害甚だしい。
そこで製造した製品がイチイチ計測するほと危険というのであれば、そこの地域の住民は当然避難させなければならないのでは？？福島県民はもちろんのこと、茨城や栃木、ついでに都民も全員「汚染区域」から避難させねばならない。
花火に紛れ込んだ放射性物質を打ち上げることによってその地域がどれだけ汚染されるのか？？
計測値が跳ね上がるとでもいうんだろうか？？馬鹿馬鹿しい。
この武田のオッサンは主張を一貫しているとワタクシも評価してきたが、彼は過去においてこれほどまでに厳しい目で放射能に対して一貫して接してきたか。
否です。
彼は現在「子どもがあぶない。子どもは意見がいえない」と何かと子どもを取り上げるが、別に放射能は子どもだけに影響するわけではない。
放射能によるDNA損傷でがんが発症するまで（厳密にはDNA損傷によりがんが発症するのか正確なメカニズムは解明されていない）20年ほどの潜伏期間があるとして、当然ながら20～50代も影響は十分考えられる。
「それはその職に就いた者たちの自己責任」とでもいうのか。全くの笑止である。
このような作業員たちの犠牲を黙視してきておいて、花火ごときで大騒ぎとは全く理解不能。
メディアはあまりこのオッサンの主張をとりあげないほうがよかろう。（まぁ今までもまともな新聞や番組はとりあげてないが）
ある意味、このオッサンがここまでヒステリックな立場であることが判明したのは残念である。
これでは彼の一部正しい意見まで世間から信用されなくなる。
