ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

紀伊半島の豪雨(1)

今から10年以上前になると思うが、日本全国あちこちで渇水だった時があった。確か盆にかけての時期だったはず。
例えば、福岡なんかは完全に取水制限の状態で、蛇口をひねっても水が出ない時間帯があったような記憶があります。こちら大阪近辺で「水がめ」と呼ばれる琵琶湖も記録的な渇水でドンドン水が干上がっていって相当危機的状態が続いていた。
そんなある日、相変わらずきつい日差しが照りつけ、1ヶ月以上まともに雨が降っていないカラカラの状態の尼崎を出て、我々家族は弟の車で三重県熊野市のほうに向かうことになった。(熊野市は母方の田舎)
 
奈良から吉野の山に入って、そこから紀伊山地の曲がりくねった国道を走り続け、上北山村下北山村を通過するというルート。山間ながらも谷にへばりつくようにして、ところどころ集落が現れてきます。
 
その上北山村あたりに差し掛かると、なんと急に薄暗くなってザーーーーーーッと雨が降りはじめてきたんです。時雨とかではなくまともな雨で、
「これだけ日本の広範囲で雨が降らんのに、さすが日本で一番雨が降るとこだわ!
と当時、めちゃビックリしたのを鮮明に覚えております。
 
イメージ 1
上北山村周辺(Google Earthより)
 
尾鷲や大台ケ原などを筆頭に紀伊半島はホンマよく雨が降るんですが、去年、NHKスペシャルではその「大台ケ原の雨」について取り上げていた。
一年間かけてスタッフが大台ケ原の様子を追うというもので、その中で「大台ケ原の雨粒は500円玉くらいある」と地元の人が語っていることについて、本当なのか検証しとりました。
最新のスーパーカメラで撮影し、超スローモーションで再生させたところ、確かに雨粒が地面に落ちる寸前は重力によって粒がひしゃげて500円玉くらいの大きさになってる様子が鮮明に映っていた。
このあたりの地域は雨粒の大きさからして違うわけです。
 
なんせ雨が降りやすい地形ゆえに台風などの影響も常日頃受けやすい地域ではありますが、ご存知のように今度の12号については尋常ではなかった。
大阪近辺なんかは土曜の昼過ぎから日曜の深夜までがピークで、その後日曜になってからは降ったり止んだりでだいぶ収まってたものの、紀伊半島の各地は日曜もずっと豪雨の状態だった。(レーダーで確認していた)
 
上北山村を例にあげると、既に先月の30日から雨が降り始めていたらしく、今月1日までに500ミリ、3日には1時間69ミリを記録。私が住んでる近辺では今回1時間最大37ミリを記録したものの(これでも相当な豪雨だった)、それの倍近い値です。それが短時間ではなく、30ミリを超えるような豪雨が連日ずっと降ってたんだろうと思います。
 
結局、上北山村では30日から5日未明までに降った総量は2436ミリとのこと。
大阪の年間降水量が約1500ミリ、東京が約1900ミリで、わずか数日でそれらを大きく上回ったことになります。
 
つづく