ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

左巻き高校教師の「反原発」授業

敦賀福井県)の原発メルトダウンによる爆発が発生した場合、風向きによっては発生から数時間後には我々の住む大阪周辺にも放射能は到達する。とてもじゃないが逃げきることはできない。
 
こんな教科書に全く載っていない授業をウチのバカ県立高校では行っていた。トータルで5回くらいの授業だったのではなかろうか。「現代社会」という科目の授業で、完全に「反原発の授業」ですわ。
その男性教師は自分で資料をかき集め、それを自分でまとめてプリントアウトした数枚のレポートを授業の度に生徒に配った。
原発から出てくる「核のゴミ」の貯蔵や廃棄にどれだけの苦難と危険を伴うか、原発で作業されてる末端の作業員がどのような健康被害を過去受けてきたか・・・など詳細に及んだ。
今になって思えば、日本の教師にありがちな左巻きだったんでしょうな。
 
事故が一度起こってしまうと、取り返しのつかない事態に陥る。
チェルノブイリの事故が起きた頃だったので、非常に怖いもんだと素直に思ったもんです。
 
 
さて、それから約20年後、胡散臭いエコが声高に叫ばれる時代が到来して、「CO2を輩出しない」とかってな理由でまたも原発が見直されてきた。原発の建造を辞めていたドイツも方針を転換しようという動きが出てきたくらいですわ。
個人的にも「資源がない日本にはやはり原発は避けられない」という認識でした。
 
そんな時勢において、発生した今回の原発危機です。
 


 
今回の福島第一原発の場合、直接の地震の揺れについては原発耐震強度内の範疇であって、実際、揺れによる直接的な被害は大きなものではなかった模様。
結局は津波による被害が甚大だったわけですが、この津波に対する原発建造時の想定が「5メートル」だったという。
当然、基礎の部分を5メートルから更にかさ上げして10メートルまたは15メートルと上げていくと、とんでもない額の予算が必要なのはわかるが、過去の歴史において、何度も大きな津波が来ているあの地で「5メートル」という設計はどう考えても甘すぎないか??
今回原発を襲った津波は15~6メートルではなかったかともいわれとります。
 
「結果論だ」という批判は値しないでしょう。
例えば、河川の堤防。100年に一度の強雨を想定して設計するのは予算的に厳しいもんがあるが、原発についてだけは「一度たりとも被害を起してはならない」建造物であって、500年に一度の未曾有の自然災害をも考慮するのが当たり前。
 
また、燃え滾ってる核燃料棒が格納されている圧力容器は分厚い鋼鉄に囲まれて管理されてるかしらんが、使用済みの核燃料ってのはどうだったのか??仮置きだかなんだか知らんが、使用済みとはいえ熱をもってる核燃料を置いておくその「プール」ってのはどれだけの災害等を想定して作られていたのか??
 
これらのことは東電を責めるより、やはり国を責めるべきでしょう。国内で最もおっかないこんな施設は国が責任を持って管理、コントロールすべきです。
今回の災害は何もかも想定を上回っているのはわかるが、それでもここまで原発が「軟い」もんだとは思っていなかった。あらゆる安全策が二重三重に施され、何があっても圧力容器にまで被害が及ぶことはないのだろうと。
今回の件でまたも国に裏切られた感がある。
 


 
福島第一原発から40キロ離れた福島県飯館村。その土壌の高濃度放射性物質の汚染レベルが、チェルノブイリ原発事故による強制移住レベルを超えているとの試算を、京大の専門家がまとめたらしい。
 
周辺から水を撒き散らす以外に核燃料を冷却する手段を未だ東電や国は見出せず、その撒き散らした水が高濃度の放射能を含んだ「汚染水」と化し、原発周辺の土壌に浸透、または海に漏れ出ようとしている。
 
半減期の短いヨウ素があちこちから検出されていることから、圧力容器やその周辺のパイプに穴が開いているという「あってはならないこと」が既に起こっているのは確実。
そこからドロドロに溶解した核燃料が漏れ出し、格納容器に溜まった水素ガスと反応して爆発した場合、放射能が広大な地域に瞬時に飛び散るという最悪な事態も拭いきれない。
 
 
原発により関西に住む私も非常に大きな恩恵を受けていることは重々承知した上で言わせて貰うが、
 
左巻きの高校教師、彼の授業は正しかったと言わざるを得ない。
 
 
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