薬師寺(3)~東塔解体と大池越しの展望
東塔は中に入ることはできませんが、上の写真のように戸口から中を覗くことができました。
もう拝観時間も終わろうとしてるのに(結局この列は拝観時間終了後1時間近く経ってようやく解消した)、これだけ並んでるのは、もちろん平城遷都1300年祭の影響もありますが、2010年末くらいから大掛かりな解体修理が行われる予定やったからですわ。
外観も望遠で見ると、ホンマボロボロなんですけど、外観がどうのこうのというレベルじゃないようです。
では、東塔の中のようすを。
真ん中に見える柱がこの東塔の総重量400トンを支える12本の柱の内、東塔のてっぺんまで貫く中心の柱、「心柱」です。
直径約92cmなんですが、根元の約4mがシロアリなどにより空洞化している。住職によると表層5cmほどを残して、中は空っぽなんだそうな!!
一番最近に行われた修理は明治32年になるらしいが、その際も既に空洞化していた柱を1mほど切り取り、石で根接ぎされたらしい。
明治時代の修理は廃仏毀釈の影響があったかなんかしらんが、ええ加減な修理が多かったようで、当然ながら今回の大解体修理はそんなええ加減なものでは済まされない。
・・が、「傷んでいて部材が使い物にならない」からって、ボロボロな部材をドンドン捨てて、新しい部材を使っていたらそれはもはや「創建当時」の東塔ではなくなる。
今回の修理は相当困難を極めることになりそうです。
実は修理への着手は2009年から行われていて、既にワタシが行ったGWの時期までには東塔に足場が組まれて調査を済ませたあとで、この2010年のGW前から秋頃まで一旦足場や覆いが外され、公開されてた次第。
平城遷都1300年祭を考慮したこともあったのだろうが、この間に解体及び修理方法を熟慮されておったんでしょう。
参考サイト:平城宮跡の散歩道
昨年暮れから解体に着手する予定だったみたいですが、結局はまだ現時点で着手に至っていない。
さて、上の写真のように戸口から中の様子が伺えたんですが、目を下に落とすと、テーブルみたいなのがあって、それに鏡が張られた状態になっていて、外に居ながらにして初層の天井のようすが観れるようになっている。
それが下の写真。
鏡に映った天井です。
傷みが激しいですが、天井一面に宝相華(ほうそうげ)と呼ばれる空想上の花が一面に描かれております。
・・と、黙々と写真を撮ってたら住職に注意を受けました!!写真撮影禁止だったようです!
さて、解体修理が予定通り着手できないためか、薬師寺はこの東塔の初層を特別入堂拝観期間(平成23年3月1日~同3月21日)として公開するようです!
修理が始まると平成30年まで東塔は見れませんので、興味のある方は是非どうぞ。
さて、最後にワタクシは薬師寺を出て、20分ほど歩き、とあるポイントに向かった!
(2010/05/02 17:51)大池と呼ばれるところの脇の公道。既に三脚を立てた先客もおられる。
そして、そそくさと三脚をたたんだワシはとっくに閉場したことも知らず、平城宮跡会場へ電車で向かったのだった!
完