ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

薬師寺(2)~時空を跨ぐ東塔と西塔

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こちらは西塔でこれもごく最近に再建されたものです。(1981年再建)
1528年に戦乱で焼失してしまって、そのまま再建されずに東塔だけがずっとあったんですな。
 
 
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薬師寺創建当時よりその形を唯一残し続けている東塔。
 
現在にも残る東塔は1300年の間に地盤の地質の問題もあって沈下していったりして、当時より低くなっているようです。 
ということもあって、西塔を再建させるにあたっては創建当時を忠実に再現させているため、東塔よりも弱冠高く建造されております。
 
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西塔は上記の写真のように、青色の連子窓(れんじまど)というものになっているのも創建当時に倣ってです。
東塔は現在、白壁になってしまってますが、幾度かの修築を経てそのようになったんだそうな。
 
また、西塔は東塔に比べてめちゃ派手な赤色を使ってたりしてますが、これは厳密には「丹(に)色」と呼ばれるものでこれも創建時の状態に沿ったもの。東塔は経年劣化で色も剥げていったんだそうです。
 
万葉集に「あおによし~」の歌がありますが、それは「青丹よし」ということで奈良を指す枕詞らしい。
 
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東塔。実際の塔をよくよく見れば、ごく一部に「丹色」が薄く残っている箇所もあります。
 
通常であれば、東塔は1300年を経てるわけで、ごく最近に再建された西塔のほうが「新しい塔」という認識になります。
・・が、とはいうものの西塔は1300年前の創建当時の姿をしているわけで、つまりは「1300年前」にタイムスリップした塔の状態であり、数百年以上の経過により東塔の「現在」の状態に至るという図式からするならば、西塔のほうが「古い塔」といえなくなもなく、「ニワトリが先か、卵が先かの世界」・・・と、薬師寺の住職が説明してくれました。
 
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西塔も500年ほど経過すると、沈下及び材料の撓みにより現在の東塔と同じ高さになるらしい。
 
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 (05/02/2010 17:33)
 
次はラスト、間もなく始まる東塔の解体工事について。