ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

福知山線脱線事故から5年・車掌の個別訪問

25日の今日で事故から5年になるが、昨日の毎日新聞の夕刊では事故の電車に乗務していた車掌が事故現場で献花している様子の記事が写真入りでトップに掲載されている。

彼は事故直後においてパニックに陥り、車掌としての責務をろくに果たさず、とっとと現場を去ったという過ちを犯している。
当然これは批難されて然るべきで、実際当時相当のバッシングがあったが、5年経った今、その彼が現在個別に遺族との面会を始めたという。

車掌は当然事故時は最後尾の車両に乗っていたため無傷であったが、事故による精神的ダメージで長らく入院。現在も通院中とのこと。

彼は事故後の対応において大きく誤ったが、事故発生に関しては基本的に責任はない。
実際のところ、異常なスピードに気付いて非常ブレーキをかけることで事故を防ぐことは可能な立場だったが(車掌の立場で非常ブレーキをかけることは可能)、7両編成ともなると先頭と最後尾では相当な距離の差もあるため、その異常なスピードを察知してブレーキをかけるという行為はよっぽど機転が利いていなければまず無理と思われる。
事故による精神的障害を負っている車掌が自ら個別に訪問するというのは本当に並々ならぬことと思われ、この行為は素直に賞賛すべきではなかろうか。

が、彼はJR西主催の被害者説明会にはこれまで一切出席せず、本日行われる慰霊式にも出席しない。
彼は現在「車掌としての地位確認」などを求める訴訟をJR西に対して起しており、会社に対して相当な不信感を持っているらしく、それを理由に出席を拒んでいる。

毎日新聞や一部の遺族はこの欠席を「身勝手」「出席を拒否する理由として不十分」などと批判しているが、確かに会社に不信を募らしてるからといって欠席するってのはよくわからん話だが、そもそもの話として彼がそれらに強制的に出席を強いられる立場か?ということだ。
車掌もある意味、今回の事故では「被害者」といっても過言ではない。
ホンマに車掌に何か聞きたいことがあるのなら、彼がわざわざ訪問してくれるというのだからお願いすればよい。説明会に出席するよりもこっちの行為のほうがずっと大変だと思われるのだが。

彼がそっちを選択している理由はよくわからんが、JR西の元相談役の井手とかいうじじぃのようにマスコミやら遺族から逃げ回ってるわけでもないのに批判するのもよぉわからん。

先月、山陽新幹線「のぞみ」のギアボックスが破損し、車内に白煙が立ち込めて運行が停止するトラブルが発生した。
これについて、とある遺族がJR西の担当を自宅に呼びつけ説明を求めたらしいが、その場で担当が「ギアボックスは開けにくい構造」であることを点検の不備の理由として挙げたところ、「人の命がかかってるのに開けにくいとはなんだ」と咎めた・・という記事があった。

JR西も大概ひどい対応があるようなんで遺族・負傷者の苦悩はお察しするが、わざわざ新幹線のトラブルにまでゴチャゴチャ口をだす立場にあるんだろうか?
この新聞記事だとアホな読者は「JR西は相変わらずひどい」と誘導されかねんが、この件に関しては「それはちょっと違うんじゃ?」と思うのは私だけか?

JR西日本管轄の列車トラブルに対して敏感になるのは理解できるが、遺族・被害者側もなんでもかんでもJR西を叩くのではなく、もうちょっと冷静に対処してもらいたい。(一部の遺族だけだとおもうが)
でないと、これからの事故防止の発展的な話も望めなくなりかねない。

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23日、検察審査会の2度の議決を受け、これまで起訴を免れていた(既に起訴されている山崎前社長を除く)歴代3人の元社長が強制的に起訴された。
起訴された南谷前会長と垣内元社長はこれについてマスコミに対して真摯にコメントを述べていたが、相変わらず井手だけはマスコミの前に一切出ずじまい。
コイツだけはホンマ寿命が来る前に(既に75歳)法廷に引きずり出して、我がの過ちを自覚させねばならん。

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脱線事故現場(尼崎市):事故から3週間後の05年5月14日撮影