ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

【追悼】マイケル・ジャクソンの功績(2)

改めて言うまでもなく、MJはダンス・パフォーマーとしても超一流でそれはBeat ItやThrillerなどの集団によるダンスパフォーマンスで一気に有名になったが、これら計算づくの演出されたダンスはもちろんのこと、彼の場合、普通に音楽に合わせてテキトーに踊っているだけでもとんでもないリズム感とキレを持っている。

それを痛感させられのはポールマッカートニーとのコラボSay Say Say(1983)のビデオクリップを観た時だ。
ポールとマイケルがドサ周りのペテン師を演じてるが、数秒間踊るだけのシーンでもポールとMJとでは歴然とした差がある。

最近下記の「Blame It On The Boogie」(1978)のビデオクリップを初めて観たんだが、「Thriller」以降のドハデな演出とは違い、自然体で曲に合わせてリズムをとってるだけのクリップにも関わらず、ホンマつくづくカッコイイと思った。
ソロアルバム「Off The Wall」(1979)で大ブレイクする直前のJacksons(レーベル移籍でJackson 5から改名)のものだが(当時20歳)、内から出てくる躍動感ってもんはこれは天性に他ならない。



名プロデューサーのクインシー・ジョーンズと組んだ「Off The Wall」で一躍大ブレイクしたMJはそのまま「Thriller」(1982)へとなだれ込む。
全米だけで4000万枚以上を売り上げて全米1位を37週連続獲得、世界での売り上げ総数は1億万枚を超え、当時のMJの「日給」は2億円とも報道されていた。
この世界史上最も売れたアルバム「Thriller」もしくはそれ以降、例えば「BAD」なんかのアルバムを揶揄する輩もいるが、それは派手なビデオクリップだなんだいろんな色眼鏡によるものに他ならず、純粋に音楽だけに接するとさほどクォリティは劣っておらず、90年代半ばまで必聴に値する曲は多い。

90年代初頭まで「子供に見せても害のない稀なスーパースター」と米Newsweek誌が当時評するほど、彼はスターにありがちな「女」や「ドラッグ」などのスキャンダルから程遠く、慈善活動などにも積極的だったためにゴシップ記事は多いながらも極端にマスコミから叩かれることはなかったが、やはり児童に対する性的虐待疑惑の裁判から彼という人間に対する評価が一変してしまった。

彼の音楽に対しては兎も角、特に詳しく知っているわけでもない彼本人に対して特別擁護する気もないが、但しまずおさえておいておかなければならないのは、彼の児童虐待に対する裁判は「無罪」で勝訴しているし、彼の顔が白い云々についても「病気(尋常性白斑)」であると裁判上でも確認されている。

性的虐待に関しては事実なし、そして彼の肌の白さは病気であることが何れも法的に立証されている


こういう事実を把握しないでテキトーなことを言っている輩が多すぎで、もうちょっと自重すべきであろう。
彼は2000件以上もの告訴をされてきたといわれており、彼の金を目当てにいい加減な裁判を起したクズ共が如何に多かったかという認識をもたなければならない。
そして、これら裁判のストレスは相当なものと想像され、そしてこのストレスが尋常性白斑という遺伝性の病気にとって悪影響であると言われていることもあまり知られていない。

次でおわり

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「80年代はじめの頃が人生で一番だった」と最近のABCのインタビューに答えていたMJ。その80年代初頭の写真。