［JR九州CM］コロナ自粛の今だからこそ見る！「祝！九州新幹線全線開通CM」
過去に「良質なCM」と呼ばれるものは山ほどありましたが、私が知りうる限りこれ以上のCMは世の中に存在しません。
この多くの人が知る傑作CMは2011年3月12日の九州新幹線の全線営業開始に合わせて3月9日から九州で放映され始めたのですが、直後に東北の大震災が発生。わずか3日でテレビCMは自粛されてお蔵入りの不運に。
しかし、JR九州のHPやYouTubeでいろんなバージョンが公開されて話題になりました。
震災や原発事故で閉塞感漂う時期に元気がもらえたCMだったからです。
このCMの撮影にあたってはネットで1万人を募り、更に沿線の学校などに協力は呼びかけていたものの、撮影当日、新幹線が出発する直前まで土砂ぶりの雨だったとのこと。その悪天候にも関わらず出発した新幹線の車窓から見える光景にはCM班にとっても予想外の多くの人々が！
それら人々の姿を撮影するために新幹線は80キロの低速で走るわけですが、すでに営業している区間があるため、そのダイヤに影響しないようにする必要があります。トンネルなど沿線に人がいない箇所は一気にスピードを上げるなど速度の上げ下げは逐一運転手に指示していたそうです。
（参照：
震災で放映自粛､幻の九州新幹線CMの舞台裏 | 新幹線 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準）
屋外や空撮、または新幹線の車内からの同時撮影はトータルで膨大な量だったようですが、それらを編集しマイア・ヒラサワというアーティストのBGMを付け加えたこのCM。ある意味、それだけで特に変な技術に頼らないシンプルな構成なのですが、それが観る人の心を揺さぶります。
私も数年ぶりに改めてこのCMを見ましたが新型コロナのせいで生活が一変し、嘗て経験したことがない自粛モードの今だからこそ、震災直後のあの頃と同じく、このCMの存在意義は大きいと思われます。
