ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

[歌詞・和訳]Cream - White Room



ホワイト・ルーム


真っ白な部屋の中、黒いカーテン、傍らには鉄道の駅
黒い屋根の田舎街、変哲もないコンクリート舗装、疲れ果てたムクドリたち
月光を駆け下りる銀色の馬たちが君の黒い瞳に潜む
夜明けの光が去ろうとする君に微笑みかける、私の心を満たしてきた君へと

僕は待つだろう、決して陽の光が差さないこの場所で
この場所で待つのさ、影に覆われその影すら立たないこの場所で

しがらみが解け不安が取り除かれたと君は駅で言った
駅の入場券、絶え間なく走る機関車、窓越しの別れ
駅ではそんな悲しい時間へと踏み入れた
そして歩み出したとき、自身にはただ始まりが必要だと感じた

僕は列に並んで待つだろう、列車が帰ってくるその時のために
君と共にあるのさ、影に覆われその影すら立たないこの場所で

パーティでは冷ややかな連中のなかで彼女は愛想よく振る舞っていた
古傷への慰めは今や忘れ去られていた
密林でうずくまる黄色い虎たちが君の黒い瞳に潜む
ただ着飾っている彼女がいる、窓越しの別れ、疲れ果てたムクドリたち

僕はこの場所で眠りにつくことになろう、孤独な連中たちとともに
闇の中で横たわるのさ、影に覆われその影すら立たないこの場所で



Cream - White Room - Lyrics



スタジオ録音盤とライブ録音盤をカップリングしたアルバム「Wheels of Fire」(1968)のスタジオ録音盤のほうの1曲目として収録されたクリームを代表する曲です。

クリームはジャック・ブルースエリック・クラプトンジンジャー・ベイカーのスーパートリオバンドですが、私は特にクラプトンが好きでもなんでもないんですが、このクリームだけはあらゆるアーティストの中で10本の指に入るくらい好んでおります。

クリームといえばインプロヴィゼーションバリバリのライブが有名ですが、実はクリームのライブに関しては私は全くといっていいほど興味がありません。さすがに15分を超えるドラムソロやらクラプトンの原曲と全くかけ離れた長々としたギターソロなどはうんざりで聴く気も起こりません。(名演「Crossroads」などキャッチーなものもありますが)

やはりクリームの魅力はスタジオ録音のほうにあるでしょう。
曲も短く纏められてて(2~3分ほどの曲も多数)、それでいてクラプトンのギターソロを中心に3人の演奏のインパクトは強烈で、しかも意外と各所でストリングスなんかも織り込まれています。
「4人目のクリーム」ともいえるフェリックス・パパラルディによるプロデュースによって非常にとっつきやすい曲が多くあります。

とはいえ、例えばこの2枚組アルバム「Wheels of Fire」がBillboardで1位、シングルカットされたこの「White Room」は最高6位を記録していますが、そないにポップでもないクリームがそこまで全米で支持された理由が今ひとつよくわかりません。
当時のロックキッズはそれほどまでに耳が肥えていたということでしょうか。

そしてこの曲もそうですが、ブリティッシュ・ロックならではのジメッとした湿り気ですw
曲調も歌詞も何か影がある、そこがホンマ魅力的なんですなぁ。

この曲に関しても「白」「黒」とモノトーンの光景、疲弊したような世界観となってますが、脈絡もなく突然彼女の瞳から鮮烈なイメージで馬や虎が飛び出してきます。
この辺は語り手の幻想、幻覚なんでしょうが作詞をしたブラウンの過去のインタビューからするとやはりドラッグが関わっている歌詞のようです。
曲の後半の「you」は去った彼女を指していないともいえ、彼女の代替としてドラッグで埋め合わせているのかもしれません。



White Room


In the white room, with black curtains, near the station, 
Black roof country, no gold pavements, tired starlings, 
Silver horses ran down moonbeams in your dark eyes. 
Dawn light smiles on you leaving, my contentment.

I’ll wait in this place where the sun never shines; 
Wait in this place where the shadows run from themselves.

You said no strings could secure you at the station. 
Platform ticket, restless diesels, goodbye windows
I walked into such a sad time at the station. 
As I walked out, felt my own need just beginning.

I’ll wait in the queue when the trains come back; 
Lie with you where the shadows run from themselves.

At the party she was kindness in the hard crowd. 
Consolation for the old wound now forgotten. 
Yellow tigers crouched in jungles in her dark eyes. 
She’s just dressing, goodbye windows, tired starlings.

I’ll sleep in this place with the lonely crowd; 
Lie in the dark where the shadows run from themselves.


Composer(s): Jack Bruce
Lyricist(s): Pete Brown

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