ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

[歌詞・和訳]Jimi Hendrix - The Wind Cries Mary(風の中のマリー)

 

風の中のマリー

 

詐欺師たちが彼らの箱に収まったあと
道化師たちは皆ベッドへと潜ってしまった
街の通りをよろめきながら楽しんでる奴らの声が聞こえる
真っ赤に着飾った足跡

そして風はささやく、”メアリー”と

ほうきはただ物悲しく掃いている
砕けてしまった昨日の生活のかけらを
あるどこかのクイーンは嗚咽し
あるどこかのキングには伴侶がいない

そして風は叫ぶ、”メアリー”と

信号機は明日には青に変わる
そして俺のベッドに横たわる空虚を照らしだす
ちっぽけな島は下流へと押し流されてゆく
奴らの過ごしてきた生活は死んだからさ

そして風は絶叫する、”メアリー”と

風は憶えているのだろうか?
過去において今まで吹き流された名前の数々を
その松葉杖、その老齢、その積み重ねた知識とともに
風はささやく、”いや、これが最後になるだろう”

そして風は叫ぶ、”メアリー”と

 


Jimi Hendrix - The Wind Cries Mary(live in Stockholm 1967)

 

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Jimi Hendrix Experienceの初期の時代のバラード曲(67年)で私はそないにジミヘンが好きなわけではないですが、この曲は相当気に入っております。やはりジミヘンをはじめ、当時の時代のハードな曲はぶっちゃけツェッペリン含め、今聴くと陳腐で古臭さが漂うことを否めませんが、バラード曲となるとそういう要素が消えて時代を超越します。

 

ジミヘンの当時付き合っていた恋人のミドルネームが「Mary」だったらしく、その彼女が作った料理のことがきっかけで大げんかとなり、彼女が皿とかを叩き割って風が吹きすさぶ街の通りへ飛び出したことにインスパイアされてジミヘンが作った曲です。

彼女のインタビューによると飛び出した次の日にはジミヘンの元に戻ったらしいのですが、既にそのときにこの曲ができあがってたとのこと。

この曲の歌詞はボブ・ディランの影響を受けている要素があるらしいのですが、ボブ・ディランをあまり知らんのでそのへんは割愛しますw

「メアリー」のことをジミヘンは「俺にとってのオノ・ヨーコ」と語るくらいに溺愛していたようですが、結局は後に別れてしまってます。

ちなみに邦題は「マリー」となってますが、どう考えても今は「メアリー」と訳すのが普通なのでこのへんは邦題に合わせるのはやめました。

 

上記のリンク先の動画はジミヘンがこの曲を生で演奏している貴重な映像ですが、ジミヘンの凄さがまだ知られていない、もしくは分かってないテレビ局の番組なのか、エリック・クラプトンすら認めるギターの天才の貴重なソロシーンで、なんとスイッチャーが延々とベースを映すという訳のわからんことをしてくれてますw

まぁそれでもライブを堪能できるので当時のストックホルムのテレビ局には感謝ですね。

 

本曲はローリング・ストーン誌の"500 Greatest Songs of All Time"では#379として選ばれています。ジミヘンならではのギターが炸裂するような曲ではありませんが、ジミヘンのコンポーザーとしての能力が発揮された憂いあるバラードの名曲です。

 

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The Wind Cries Mary

 

After all the jacks are in their boxes
And the clowns have all gone to bed
You can hear happiness staggering on down the street
Footprints dressed in red

And the wind whispers Mary

A broom is drearily sweeping
Up the broken pieces of yesterday's life
Somewhere a queen is weeping
Somewhere a king has no wife

And the wind it cries Mary

The traffic lights they turn blue tomorrow
And shine their emptiness down on my bed
The tiny island sags downstream
'Cause the life they lived is dead

And the wind screams Mary

Will the wind ever remember
The names it has blown in the past?
And with its crutch, its old age, and its wisdom
It whispers, "no, this will be the last"

And the wind cries Mary

 

songwriter: Jimi Hendrix

 

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