ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

[歌詞・和訳]Queen - Bohemian Rhapsody


これは現実なのか?
それともただの幻想なのか?
地滑りに巻き込まれてしまったように、
もう現実から逃れられない

目を開いて
空を見上げ、よく見るんだ
僕はただの哀れな少年、同情なんていらない
気の向くままにやってきたから
多少はいいことも悪いこともあった
どちらに風が吹こうとも僕にとっては大したことじゃない、僕にとってはね

ママ、さっき人を殺してしまった
彼の頭に銃を当て
引き金を引いたら、彼は今死んでしまった
ママ、人生はまだ始まったばかり
でも今僕は取り返しのつかないことをしてしまった

ママ、ooh
あなたを泣かせるつもりなんてなかったんだ
もし明日のこの時間に僕が戻らなくても
普段のとおり、普段のままでいてほしいんだ、何もなかったかのように

遅すぎた、その時は来てしまった
僕の身の毛をよだたせ
ずっと体中に痛みが走る
さよなら、みんな、僕は行くよ
君たちの元を離れて、真実に対峙しなければならない

ママ、ooh(どちらに風が吹こうと)
死にたくないよ
時々思うんだ、いっそ生まれてくるんじゃなかったと

ある小さい男の影が見える
Scaramouche、 Scaramouche、 タンゴを踊ってくれるかい? ※1
雷鳴が轟き、稲光が炸裂し、
ひどく、ひどく僕を怯えさせる
Galileo Figaro
高貴な人よ

僕はただの哀れな少年、誰も愛してはくれない
”彼は貧しい出自の哀れな少年
この怪異な運命から彼を救い出すんだ”

深刻に受け止めないで、僕を連れ出してくれるかい?
Bismillah! だめだ、お前を連れ出すわけにはいかない(連れ出すんだ!) ※2
Bismillah! だめだ、お前を連れ出すわけにはいかない(連れ出すんだ!)
Bismillah! だめだ、お前を連れ出すわけにはいかない(連れ出すんだ!)
連れ出すわけにはいかない(連れ出してくれ!)
決して連れ出すことはない(絶対、絶対、絶対、絶対僕を連れ出してはくれない)
No, no, no, no, no, no, no
ママ、愛するママ(ママ、僕を連れ出して)
Beelzebubよ、僕のために目を瞑ってくれ、僕のために、僕のために  ※3

僕に石をぶつけようが唾を吐きかけようが構わないって考えなんだね?
僕を愛することも見殺しにもできると思っているんだね?
君がまさかこんなひどい仕打ちをするはずもない
今すぐに抜け出すんだ、今すぐにここから抜け出さねば

大したことじゃないさ、
誰だって分かり得ることなんだ
大したことじゃないさ、
大したことじゃないんだ、僕にとってはね

どちらに風が吹こうとも




※1 Scaramouche:
イタリアの即興喜劇(コメディア‐デラルテ)の道化役。黒い衣装をつけ、ほらをふき、空いばりする臆病者 [デジタル大辞泉より]

※2 Bismillah:
アラーの名のもとに [weblioより]

※3 Beelzebub:ベルゼブブ:悪魔のかしら,魔王(chief devil,Satan). cf.〔聖書〕 Matt.12:24. [goo辞書より]






クイーンには数多の名曲がありますが、その中の頂点に立つ金字塔的名作が「ボヘミアン・ラプソディ」(1975)です。
「A Night At The Operaオペラ座の夜)」に収録されたフレディ・マーキュリーの手による傑作は6分未満という再生時間の中で目まぐるしく曲調が変化し、その時間以上の濃密さを感じます。

この曲は以下のように流れていきます。

・アカペラを中心としたイントロ
・フレディによる弾き語りのバラード
・ブライアンによるギターソロ
・オペラ調のコーラス
・ブリティッシュ・ハードロック
・フレディによる弾き語りのバラード

何と言ってもこの曲で誰もが仰天するのがコーラスです。
これは別にゲストとして黒人のゴスペル歌手たちを呼んでいるわけでもなんでもなく、クイーンのメンバーたちだけによるもの。
4人のメンバーうちジョン・ディーコンだけは歌えないので、他のたった3人によるコーラスを数回オーバーダヴするだけでこの驚異的なオペラ調に仕上がるというんですから驚きです。
低音のブライアン・メイ、中音のフレディ、高音のロジャー・テイラーとそれぞれ3人の声質が全く異なることでなせる技で、中でもフレディの音域が広いことが大きいでしょう。
先輩の大御所ピンク・フロイドもこの録音方法をクイーン側に探ったといいますが、こればっかりは特殊な効果によるものではないため、どのアーティストも真似できないものです。

デビュー当時はツェッペリンなんかの二番煎じとして本国で叩かれまくったクイーンですが、この曲、及びこの曲を収録している「オペラ座の夜」でクイーンサウンドを確立、その地位は不動のものとなりました。

曲が長いとラジオなんかのOAにのせにくく、セールス的にマイナスとなる。ゆえにシングルカットする際、シングル用に短くすることをレコード会社から要請されたものの、フレディは断固拒否。原曲のままシングルカットされました。
結局、シングルは本国イギリスでは9週連続1位を記録し、これまでのトータルセールスで英国で最も売れた曲とも言われています。

タイトルにある「ボヘミアン」は歌詞に全くでてきませんが、「芸術家や作家、世間に背を向けた者などで、伝統や習慣にこだわらない自由奔放な生活をしている者」と「ボヘミアン・アーティスト」の意としてWikiにあります。
フレディはそのことを念頭に曲を作ったのかもしれません。

2002年放送のNHKボヘミアン・ラプソディ殺人事件」でこの曲を深掘りする番組ではフレディの実母ジャー・バルサラさんに改めてこの曲を聴いてもらった上で番組側が感想を聞いてます。
以下はお母様の言葉です。

初めてラジオで聴いた時、ショックで言葉を失いました。
悲しい詩だから彼に意味を聞いたの。
彼は答えたのよ。
「ただのお話。僕にも説明できないよ」




Is this the real life?
Is this just fantasy?
Caught in a landslide,
No escape from reality.

Look up to the skies and see,
I'm just a poor boy, I need no sympathy,
Because I'm easy come, easy go,
Little high, little low,
Any way the wind blows doesn't really matter to me, to me.

Mama, just killed a man,
Put a gun against his head,
Pulled my trigger, now he's dead.
Mama, life had just begun,
But now I've gone and thrown it all away.

Mama, ooh,
Didn't mean to make you cry,
If I'm not back again this time tomorrow,
Carry on, carry on as if nothing really matters.

Too late, my time has come,
Sends shivers down my spine,
Body's aching all the time.
Goodbye, everybody, I've got to go,
Gotta leave you all behind and face the truth.

Mama, ooh (any way the wind blows),
I don't wanna die,
I sometimes wish I'd never been born at all.

I see a little silhouetto of a man,
Scaramouche, Scaramouche, will you do the Fandango?
Thunderbolt and lightning,
Very, very frightening me.
Galileo Figaro
Magnifico-o-o-o-o.

I'm just a poor boy, nobody loves me.
He's just a poor boy from a poor family,
Spare him his life from this monstrosity.

Easy come, easy go, will you let me go?
Bismillah! No, we will not let you go. (Let him go!)
Bismillah! We will not let you go. (Let him go!)
Bismillah! We will not let you go. (Let me go!)
Will not let you go. (Let me go!)
Never let you go (Never, never, never, never let me go)
No, no, no, no, no, no, no
Oh, mama mia, mama mia (Mama mia, let me go.)
Beelzebub has a devil put aside for me, for me, for me.

So you think you can stone me and spit in my eye?
So you think you can love me and leave me to die?
Oh, baby, can't do this to me, baby,
Just gotta get out, just gotta get right outta here.

Nothing really matters,
Anyone can see,
Nothing really matters,
Nothing really matters to me.

Any way the wind blows.


Writer:Freddie Mercury 


イメージ 1