ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

石巻市・移りゆく日和山公園からの光景

震災から約1ヶ月後の2011年4月中旬、たった2日間のボランティア活動の2日目、私は昼休みの休憩中に昼飯もそこそこにチームから抜け出し、ある場所に行くことを企んでおりました。
それまで石巻どころか東北にすら足を踏み入れたことのなかった私ですが、iPhoneで見晴らしのいい丘を事前にみつけていたのです。
日和山(ひよりやま)公園です。

グーグルマップで所要時間は把握できますが、まぁ結構厳しい行程ですw
地元の方なら分かってもらえるでしょうが、なんせ短い昼休みの間に市街地の商店街から小高い日和山公園までの往復はなかなか体力勝負のところがあります。(しかも午前中の活動でそこそこ体力を消耗しているのでなおさら厳しいw)

行動可能なのはわずか30分ほど。長靴状態のまま一眼レフを持ち、道中や日和山からの写真撮影、日和山公園で黙祷してまた現場に戻らなければなりません。

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日和山は小高いので公園周辺の住宅はもちろん津波については何の被害も受けておらず、全く被災の様子はありません。
季節は東北の遅い春がやってきつつある時期でサクラもツボミからこれから咲こうってなのどかな雰囲気。早々にシートを敷いて花見をしている人すらいました

しかし、その平和な公園から下の海岸沿いを望むと地獄絵図でした。

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(2011/04/17)

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ボランティア活動をしていた石巻駅のほうの市街地も甚大な被害でしたが、まだ壊れた建築物がその場にあるので阪神大震災の光景と似通ってる部分もありました。
しかしながら沿岸部についてはそのあまりの変わり果てように震災前の様子が全く伺えません。

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非現実的な光景を実際に自分の目で見て暫く呆然としてしまい、走って戻るも遅れて現場に到着。既にチームは次の現場に移動済みで大変な目に遭った次第です。

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ボランティアの帰りにバスの車内から撮影した沿岸部のようすです。


そして震災から1年後、再び日和山公園へ行ってみましたが、もちろん瓦礫の撤去作業なんかは進んでましたが、「とりあえず瓦礫を一部の場所へかき集めた」といった感じにとどまってました。

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(2012/03/17)

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見ているだけ途方に暮れるような瓦礫の山。
この山が当時は石巻市内のみならず東北の沿岸部各地至る所にある状態でした。

普通の人間ならこの光景を見ると「何か我々にもできることはないのか」と思いそうなもんですが誰しもがそうではないようです。
当時、放射線がどうのこうのワケのわからん非科学的なことを抜かして真っ先に瓦礫受け入れを拒否した左翼連中ですが、こいつらに対する軽蔑の念を私は一生忘れないでしょう。


そして昨年です。

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(2016/03/28)

2016年3月末の公園からの光景です。
あれだけあった瓦礫も結局殆ど地元の方々が処分し綺麗さっぱりなくなってました。
着々と復興に向かっているのが伺えました。
ただ、公園では震災前の写真のパネルが掲げられておりまして、そのあまりにも違う光景には本当に言葉もありません。

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季節が春前ということもありますが、やはりまだまだ俯瞰から見る光景に「色」がありません。

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先程の3月11日午後2時46分、この公園には約700人ほどの方が集まって海に向かって黙祷を捧げられたそうです。
いつになるか分かりませんが次に日和山公園に来た際、そこから見える光景に多少なりとも色が増えていることを期待せずにはいられません。

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日和山から下る途中に見えた製紙工場の煙。
震災で壊滅状態だった工場を見ているだけに、その力強い煙の光景に救われました。