ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

ホーム転落事故対策・ホームドアよりまずは「転落防止柵」

今日、JR蕨駅盲導犬を連れていた方がホームから転落、電車に轢かれて亡くなったとのこと。
本当にお気の毒な話で亡くなった方には心からご冥福をお祈りしたい。

視覚障害者の転落事故となるとすぐにマスコミは「ホームドア」の話になりますが、こんなのは人間がウジャウジャいる都心でしか出来ない話。
よっぽど乗降客がいる路線でもない限り、とてもじゃないがあんなカネのかかるものを各駅に設置なんて現実的ではないでしょう。
私が最初にホームドアを見たのも確か東京メトロだったと思いますが、関西・・というか大阪圏内でも殆ど見かけた記憶がない。

ホームドアより安価なバーを上げ下げするシステムも既に開発されているようですが、それでも都心や大阪市の全駅を設置するだけでも途方もないカネと時間が必要となります。
また余談にはなりますが、ホームドア設置によりドアの開閉確認に1つの駅当たり数秒間余分に時間がかかり、結局は現行より移動時間が長くなるというデメリットもあるようです。

私から言わせればそもそもそんな大掛かりなシステムを稼働させる必要があるのかということです。
JRの駅なんかで、貨物が通過するだけで始終使われないホームなんかは転落防止柵を設けてますが、あれを普通の乗降するホームでもドアの開閉がない位置に設ければいいんですわ。

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上の写真は阪急宝塚駅のホームですが、例えば赤ライン(私が書いたもの)上でドアがない位置に安価な転落防止柵を設ければいい。コストはメートル当たり数万円で済むはず。

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一例としてこういうもの。横断・転落防止柵(神戸製鋼のカタログより)

当然ながらドア位置には柵がないことになります。
ドア位置が多い上に車両によって激しく変わる都会のホームの場合、柵が途切れ途切れになります。
ただ例えそれが50%しか柵がないとしても、転落する確率は単純に今より半分に下がり、救われる命があるはずです。
実際は列車が止まっていない時に柵より線路側を利用客が歩くことがなくなるので(そういうルールも設けて認知させる)、柵より内側へ行こうとした人を見かければ他の利用客や駅員が気づくなり注意することになるはずです。
今現在のようにホーム際を歩くのが当たり前でなくなり、事故は激減するかもしれません。

問題は東京や大阪なんかのホームはドア位置が変わりすぎて、柵を設置する箇所が殆どない駅が出てくるということです。
しかし、これはドア位置がバラバラ過ぎるのが問題なのであって、今後生産する車両についてはある程度統一させていくしかないでしょう。
東京では4ドア車両もザラにあるでしょうが、もう3ドアに減らすしかないかもしれません。
車両のドア位置問題はホームドアを採用する場合においても然りで確実に車両生産の段階で考慮する必要があります。

それでも特急列車が滑り込むホームなどドア位置の調整が難しいところはありますが、ドアの位置と柵の位置が多少ずれたところで上の写真のように柵とホームの際には余裕があるので乗り降りは可能です。そないにドア位置と柵のない位置をガチガチにする必要もないでしょう。

繰り返しになりますが、人口減で無人駅が全国的に増えていく今後、JR/私鉄ともに殆どの路線においてホームドアなどというものは全く非現実的で、議論している間に時間は過ぎて今後も転落事故は多発するでしょう。
転落者ゼロは不可能ということを前提に、現実的で確実に転落者を減らす方法を採用すべきです。