ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

阪神大震災追悼式典・天皇皇后両陛下のお見送りと警護する兵庫県警

1月17日、早朝4時から活動しはじめた私の最後の目的地は神戸元町です。
ここにある兵庫県公館にて12時から追悼式典が行われたのですが、天皇皇后両陛下がご出席されるとのことでお出迎えするのが目的です。

しかし、長田区で長時間ウロウロし過ぎて、元町に着いたのは11時半頃。
両陛下は45分頃に公館に到着される予定でしたので、だいぶ遅れてしまいました。
やはり公館の一番近いところでお出迎えしたいところだったのですが、沿道には当然ながら大勢の人が溢れていたため、警備する警官に公館から一番遠い位置のところまで戻れと指示されました。

しかし、その指定の位置に行くまでに御料車が間もなく来ることをを示すパトカーたちが通過。
この時点で警備する警官に今いる場所から動かないように指示されます。
結局、場所を決める前に固定されてしまいました。

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前方には幾重もの人だかりなんで、腕を伸ばして適当にシャッターを切るしかありません。

ご覧のように一方通行の狭い道路を通過されるので、沿道の人たちと御料車とは結構接近することになります。

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御料車の到着です。(一番背後の車)

図らずも進行方向左側の位置にて警官に場所を固定されたので、美智子皇后が座っておられる側ということになります。

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(2015/01/17 11:41)
しかし、なんせファインダーを覗かずの撮影なので、ピントは皇后ではなく天皇陛下に・・。

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なんかよくわからないまま御料車は公館のほうへ。
※公館はこの道路の突き当りにあります。

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撮った写真もサッパリだったので、再度両陛下のお見送りに立ち会うことを決意。
周辺の話では14時頃に式典は終わるとのこと。2時間ほど間があるので、一旦駅周辺の繁華街に行ってマクドで軽く昼食。

しかし、午前中は日差しもあった天候が急に悪化して本降りの雨。
13時前には公館前に戻り、雨の中その時を待ちます。

13時から警官がお見送りをする人たちの整理を開始。
この周辺は一方通行なのでお出迎えの時と同じ位置でお見送りするのではなく、道路はこの公館の突き当りで左に折れてるのでその先の沿道で待つことになるとのこと。

先程は道路の両側にて両陛下のお出迎えをしていましたが、今度は進行方向左側のみに人々は配置されました。
そうです、またも美智子さま側です。
今度は天皇陛下の側に位置したいと思っていたのですが・・。

しかし、よく考えると両側の沿道に人々がいる場合、両陛下はそれぞれ左右別々の人々に手を振られることになりますが、片側のみだとお二人共同じ方向に向いて手を振ってくださることになります。
ある意味嬉しい誤算ともいえなくない。

さて、警官がコーンなどを配置して沿道の人々を整理したあと、説明がはじまりました。
何と、御料車が公館を出るのは午前中に聞いてた時間より30分遅い14時半とのこと。1時間半も同じ位置にじっと待つことになります。しかも、結構な雨風でして、じっとしてたらめちゃ寒い。

なかなか厳しい待ち時間となることが予想されたのですが、ここで全く予想外の展開になります。
我々を配置した警官のひとりの若い男性が車道側に立って、我々の待ち時間を飽きさせないように延々しゃべり始めたのですww

私はあまりこういう場に来たことがないのでよくわかりませんが、どこでもVIPの周辺を整理する警官というのはこんなことしてくれるんでしょうか??
ホンマに驚きました。

その若い警官は姫路署から今回警備に配置された「ハシモト」という方。
もちろん話の内容のメインはお見送りにあたっての注意事項なのですが、それだけではなく、警察のどういう車両がどのタイミングで走るかとかを事細かく説明しその見どころなどを話して興味をもたせようとしてくれます。

お見送りに割り当てられた長い沿道の中で公館に一番近い部分の20メートルほどの区間の人々の対して(私を含む)、彼は説明・・というかおしゃべりをするわけですが、初めは拡声器をつかっていたのですが、地声でも全員に聞こえるかを確認したうえで、それ以降は拡声器の使用もやめました。
拡声器を使って話すのは人々に対して「失礼」という配慮からでしょうか。
雨の降る中、大きな声で彼は延々しゃべり続けるのです。

両陛下に対する手の振り方については各々が大きく振ると隣の人に当たったりするので、胸の手前で小さく振るようにと説明。
それで終われば普通なんですが、彼は「ではこれから私、恐れ多いですが陛下役をやって道路から手を降るので皆さんも私が陛下だと思って手を振って下さい」と言って、彼は道路を手を振りながら小走り。
沿道の我々の手を振り方を確認した後、「ご協力ありがとうございます!皆さん、素晴らしい手の振り方です。本番でもそのようにお願いします!」と言って我々を笑かすようなパフォーマンスも。

1時間半の待ち時間の間に人々はドンドン増えていくので同じ説明を再度繰り返したりはするんですが、それでも注意事項だけではネタももちません。
そこで、彼は「私に何か聞きたいことはありませんか??プライベートのことでも何でもお話させていただきます!ちなみに21歳です!」
「結婚しとんか??」とか沿道のオッサンオバハンの質問に軽快に答えてやりとり。
いやぁ~21歳で自分の年の2~3倍の連中相手にこの話術ができるってのは相当すごいです。

そして14時過ぎ、彼の説明に沿った順番で警察車両が公館の門を出始めました。

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(14:08)
上に写ってるのが姫路署の「ハシモトさん」です。
「A」と貼られた車両は御料車が通過する30分前に走る車両。
ゆっくりと通過します。
間もなくということでハシモトさんも拡声器を持って人々に注意を促します。
この頃までに雨も上がりました。

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(14:18)
白バイが度々、幾台も走り抜けます。

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(14:18)
続いて走る「B」という車両。

このタイミングくらいで我々の立ち位置の境界を示していたコーンが片付けられます。(2枚上の写真に写ってる緑のコーンを撤去)
そしてハシモトさんも警官であることを示す腕の腕章と帽子をとって、我々沿道の群衆に紛れ込みます。
両陛下に「仰々しさ」を感じさせないようにする配慮でしょうか。
ハシモトさんはこの状態になっても、絶対に立ち位置を変えないようにと我々に事前に促していましたが、ここまで考えぬかれてるとは本当にすごいと感心します。

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(14:38)
ハシモトさんが注目して欲しいと言っていた「3」の車両。
御料車通過の3分前に走るパトカーですが、ランプが赤と青になっている珍しいパトカーだそうです。

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(14:40)
そして「1」の車両。1分前を示します。

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ついに御料車が門を出ます。

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御料車トヨタのセンチュリーです。
菊の紋章の旗がフロントについているのが目安になります。

お車はゆっくりと我々の前を通過。

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「皇9」と書かれた丸いプレート、これは御料車のナンバープレートです。

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本当に日本人で良かったなぁとつくづく思います。

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両陛下のお車が通過されたので、ハシモトさんも帽子を被って最後の警備にあたります。

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それまでゆっくりと走っていた警察・宮内庁関係の車両、御料車の後につづく車両は速度を上げてめまぐるしく通過します。
沿道の人々が途切れた位置から御料車は速度をあげるからでしょう。

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(14:42)
警察関係車両の最後を示す「0」のパトカーです。カーブも減速せずに一気に通過します。

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ゆっくりと順番に退散することを促すハシモトさん。
彼の長時間の警備も終わりです。

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県内の各署から県警の方たちがお互いの労をねぎらっているであろう様子。

まさか警官がここまで沿道の人々に配慮してくださるとは思いもしませんでした。
兵庫県警の皆さん、特に姫路署のハシモトさん、ホンマにありがとうございました!


そして1月17日、震災から20年のこの日に神戸に来てくださった天皇皇后両陛下には心から感謝いたします。
いつまでも両陛下がご健康でおられることを願うばかりです。

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