ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

ブログ開設からの10年を振り返る②~ライブドア強制捜査

ライブドア(LD)は今後はどうなると思いますか?」
2006年1月某日に上のような質問をLD株主からブログ上で受けた。

ライブドアとフジテレビの訴訟問題は2005年4月18日、和解に至ります。
資本・業務提携をすることで基本合意したと発表、LDは保有するニッポン放送株売却と出資受け入れでフジテレビから最終的に1474億円を手に入れます。
実質上、LDの勝利です。

その後、LD株はじわりと値を上げていきます。
LDのCFO宮内氏のブログを乗っ取って批判を書いていたワタシもそないにLDに対して言いたいネタも尽き始め、「裁判も終わったので、宮内氏もブログに戻られては?」と記事にしてみたところ、すぐさまブログに復帰し、のんびりとした記事を書き始めたのでした。(その時点で我々の記事書き込みの権限は当然剥奪)

相変わらず堀江氏はテレビに出まくってて、あるフジテレビの番組にも出演。その番組にはあの胡散臭い占い師・細木数子も出てたんですが、LDの株価について「これからドンドン上がっていく」と明言。
公共電波を使って、しかも今やLDの身内となったフジテレビでそんな株価予想を言うなんてのはモラルも何もあったもんじゃないとビックリしましたが、その後もじわりと株価は上がっていきます。

そして、株価は近鉄球団買収で堀江氏がマスコミに露出しだした前の値段、つまりワタシの買値にだいぶ近づいていきました。

確かに堀江氏がマスコミに出て以降、ポータルサイトのアクセス数は急増。ライブドアブログは盛況であったものの、特記すべき技術を持っているわけでもなく、SNSなどのサービスを新たに立ち上げるもどれもパッとしない。
フジテレビとの提携まで持っていたLDの手腕は大したもんですが、まぁこの企業に対する不信感は結局拭えませんでした。

儲けは出ませんでしたが、全資金をLD株に突っ込んでいたワタシは買値に近づいてきたその過程で随時損切りしていき、買値に戻った時点で全て売却完了。
LD株とやっと手を切ることができたのです。

※下のチャート図は当時ワタシがこのブログで書いた記事より。
ワタシが保有していた2年間前後のLD株価の動きです。640円がワタシの取得単価。
取得直後に1000円以上になってますが、これは当時の制度による分割時の特殊な事情の株値であって実際はこの期間に売却は不可能。
分割完了後、結局ずっと640円のラインを下回り、一時期300円を割り込んだものの、フジとの和解後から反転しております

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それから暫くして質問を受けたのが冒頭のものです。
質問者はいわゆる20~30代の堀江氏の信者というよりはもうちょっと年配で、アグレッシブでアイデア豊富な堀江氏を応援したくなった投資家といったところでしょうか。(詳しくは知りません)
既にLD株についてはノーポジションであるワタシはLD株保有を薦めるはずもなく、テレビ局と提携したからといってそれをうまく活用するアイデアがあるかは甚だ疑問とか、それほど発展する見通しはない、彼らの手法は常に疑念が付き纏うとかコメントを返したかもしれません。

その数日後の2006年1月16日、ライブドア東京地検特捜部の強制捜査を受けます。
次の日から東証はLD関連銘柄の株価はもちろんのこと、他の新興銘柄を中心に市場全体が暴落、売り注文が更なる売り注文を呼び、東証の許容値を超える注文が入ったためシステムを止めてしまうまでの混乱を招きました。(ライブドアショック

次の日、ワタシに意見を聞いてきた方からお礼のコメントが。
彼は強制捜査の前日までにLD株を全部売却し資金を無事回収できたとのこと。
その当時のコメントが見つかりましたので貼り付けておきます。



こんばんわ、遅くにすみません。 後輩にたかられ、今帰宅です。 そんな状況で何故投稿するのか、というより投稿せずにはいられない・・・。 zeppelin_2さんとの土日のやりとりで、実は4.5万株全て699で午前中に売却しました。何という悪運の強さ・・・。 これもzeppelin_2さんが保有していないという事実が判明した事が大きな理由であります。 今まで2年間、下がっても買い増しすれど、売却を考えた事は一度もございませんでした。自分でも不思議です。ご本人には全く関係ないかもしれませんが、有難うございました。では、又。 

2006/1/17(火) 午前 2:12 



確かに全く他人事ではありますが、身震いするようなコメントですw

まぁワタシみたいなネットで文句だけ言ってるクソシロウトの意見など何の信ぴょう性もないわけで、彼は元々売却の意思を持ちながらLDに批判的だったワタシに背中を押してもらいたかっただけかもしれません。
無事無傷で逃げれたのはこの方ご自身の判断によるものでお礼を言われる立場でもないんですが、何はともあれ本当に良かった話です。
しかし、この事件で多くの個人投資家が地獄を見る羽目になってしまった事実があります。

宮内氏のブログを乗っ取っていた縁もあり、いろいろなLD信者の方たちと交流もありましたが、ある人は信用買いで大量のLD株を抱えていたため、総資産が消えるばかりでなく、莫大な借金を抱える事態になりました。
彼には妻子もいました。
強制捜査前まで彼はライブドアブログでLDや堀江氏が如何にすごいかを連日書いておられましたが、強制捜査上場廃止を機に「今までありがとうございました」と述べてネットの世界から去って行かれました。
その感謝の対象は閲覧者のみならず、莫大な借金を抱えるきっかけを作ったはずのライブドアという企業、堀江氏に対しても含まれておりました。
悔いはなくライブドアのおかげで楽しい日々が送れたと・・。

じゃあワタシにとってライブドアという企業との交流はどういうものだったのか。
上場廃止を機に書いた記事が以下のものです。


上の記事に書いてますが、鬱屈した毎日・・先細る公共事業費のなか、人の足元を見て契約と関係ない業務を押し付ける田舎のクソ役人(もう10年の年月が経ったのでもうちょっと具体的にいうと京都府北部にある○○市のあるクソ役人は告発してやろうかと思うくらいホンマひどかった)、そのクソ役人との打ち合わせをしたあとにイライラしながら帰社し、パソコンを立ち上げてはライブドアの批判のコメントや記事を書いていたわけですが、そのパソコンの向こうはこちらの鬱屈した世界とは別世界で、ワタシも信者の方たちと同様、「楽しい」という思いがなかったとは否定できません。



LDに関しては最後に強制捜査、及び幹部の逮捕、起訴について触れておきます。

ワタシは確かにLDに対しては好感を持ってませんでした。
要はこの企業は自分たちの社会に対する貢献への見返りとしてカネを得るという感じではなく、如何にしてカネを・・自社株の時価総額を上げていくか、殆どそれしか彼らのアタマになかったからです。
しかも、堀江氏はもちろんのこと、宮内氏含め幹部の立ち振舞いは一部のクソシロウト信者にはウケがいいかしらんが、マトモな資産家や巨大投資家はなかなか出資しようという対象にはならないはずで、それでワタシはずっと彼らに自重してくれと言い続けていたわけです。

しかし、全く予想外の方向の人間たちがLDに対して不快感を持っていたようです。
東京地検ですわ。
当時の東京地検特捜部長の有名なクソ発言です。

「額に汗して働く人、リストラされ働けない人、違反すれば儲かると分かっていても法律を遵守している企業の人たちが憤慨するような事案を万難を排しても摘発したい」

コイツラ何様のつもりか知らんが、ワタシと同じような感情論で強制捜査したり、起訴したりしてもらっては困る。
あくまでコイツラは粛々と法に則って行動すべきで「額に汗して」どうのこうのなんてのはクソシロウトのワタシのような外野がネットでほざくレベルの話ですわ。

LDは粉飾したかもしらんがそれがどれほどの額だったのか、他の粉飾した企業はどれくらいの額で上場廃止までに陥ったのか、または廃止を逃れたのか、その辺を比較すると甚だ疑問が残り、ライブドアショック以降、日本はずっと株価が低迷し、多くの個人投資家が大損を出して市場から離れていくわけですが(ワタシも当然含む)、もうちょっと軟着陸でLDを軌道修正させる術はなかったのかという疑念が残ります。

地検の連中のうすっぺらい正義感のせいで、多くの人を地獄に陥れたという感は拭えません。
しかし、一番納得していないであろう堀江氏は意外にも地検などに対して批判の弁は語らず、我々にとってためになる刑務所内での生活のことなどを悲壮感なく淡々と語る様はやはりどうも憎めないキャラで、社長時代とはまた違った価値観を持ち合わせたかもしれません。

その価値観をLD時代に持ち合わせていれば、大げさかもしれませんがこの10年の日本の株式市場は大きく違っていたかもしれません。


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かっこつけて六本木ヒルズに乗り込む地検の連中。
なんでマスコミが毎度その場にいるんだって話。