ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

NHKスペシャル:がれき”2000万トン”の衝撃

東日本大震災で東北では約2000万トンのがれきが発生し、そのうち約150万トンが海に流されたため、残りの1800万トン以上を処理しなければならないことになるらしいが、震災から一年半近くになっても未だ20%にも満たない量しか処理ができていないという。
 
まぁこのがれき問題になると、どこまで放射能のことを分かってんだかってヤツらがヒステリックにギャーギャーと拒否反応を示して、やたら大げさに活動するのだが、何故にこういうヤツらが日本にいるのかとそいつら目にする度、耳にする度に憤りをおぼえるのだが、それはさておき、今回の放送で私個人が新たに知った事実を2つ取り上げたい。
 
まず、私は以前、現地で直接聞いた石巻在住の方の話を交えて、「がれきがあるから復興できないって論理はおかしい。がれきは目障りかもしれないが復興に支障のない場所に集められている」旨のことを書いたのだが、これはどこでも当てはまるというわけではないようだ。(そもそも石巻にも当てはまるとは限らない)
 
岩手県大槌町では大量のがれきの処理が進まず、そのために建設予定の防潮堤や水産加工団地が竣工できないでいるらしい。それら建設予定地に未だに大量のがれきがあるためだ。
こういう事実があるのなら、これは早急な広域の処理が必要になってくる。運搬費のことを考えると相当なロスが発生するがそうは言ってなれない。
 
もうひとつは宮城県東松島の例。
とあるがれき置き場では地元の200人ほどが朝の8時から分別作業を行なっている。
どなたも当然ながら被災者で、とある女性は息子のお嫁さんと孫を震災で亡くした。がれきの中から遺体が発見されたという。
女性は8ヶ月前からがれきの分別を行なっている。「がれき」というと単なるゴミのように我々は思ってしまいがちだが、それらの多くは何れもそこに住んでた方々が津波が来るまで利用していた生活の品々だ。分別作業をしていると、亡くなったお孫さんと同じ年頃の子が使っていたであろう泥まみれのランドセルや衣服などが出てくる。そのたびにその女性は亡きお孫さんのことを思い出す。辛い作業であるのは言うまでもない。
 
しかも驚いたことにこの分別作業、なんと20にも分けて処分しているというのだ。
例えば映像ではコンビニのビニール傘を金属部分とビニール、プラスチック部分と分けていた。私が住んでる所なんかビニール傘はそのまま「燃えるゴミ」に出してるが(自治体の規定に沿っている)、被災地でのやたら細かい分別、これってどう考えてもおかしくないか??年配の女性でこのような引き裂いたり叩いたりして分別する作業は容易でないはず。
 
この番組では女性たちが分別している姿をズームアップで捉え、空撮で徐々にアングルを引いていって、大量のがれきに囲まれた中で作業している様子を映し、「被災地では気の遠くなるような作業が今日も続いています」のナレーションで終わる。(すみません、キャプ画像はありません)
東松島では残り一年半で処理を終わらせる予定らしいが、とてもできるようには思えない。
 
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今年3月に撮影した石巻市内のがれき置き場のひとつ。
現在もここは高さ20mほど積まれたままというが、ここでもそんなアホみたいな分別をやっているのか??