ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

瓦礫の中の花屋

先ほどNHKニュースでチラッと流れていたのが、とある被災地の花屋の話です。
 
その花屋は津波の被害で延々と瓦礫の光景が広がる中で、ポツンと店が開かれております。
アルミパイプを数本立てて、それにシートを括りつけて屋根にしているだけなので、殆ど路上で露店をしているような状態です。津波で店舗が全壊した花屋さんがその仮店舗でひとまず再開させたわけです。
並べられている花の数はほんの少しです。何も遮るもの物もない辺り一面瓦礫だけの殺風景なその場所は海からの強風が容赦なく吹き、すぐに花を傷めてしまうために多くは置けないのだそうです。
 
花を求める方が次々とその店に来られていました。
ある年配の男性は亡くなった自分の親に手向ける花として。同様にある年配の女性は一緒に逃げ切れずに津波にさらわれた自分の母親に手向ける為に。「母親は生前、生け花が好きだった」と思い出を語りつつも、一緒に逃げることができなかったことに対する自責の念も口にしておられました。
 
また別の年配の女性の方が花を求めてやってきました。
その女性はNHKの取材に対し微笑みながら話しておられるのですが、その買い求める花は自分の幼い孫のためだと言います。2~4歳前後のお2人のお孫さんを津波で亡くしたそうです。写真を持っておられましたが、それはそれはかわいいお孫さんたちです。お孫さんの父親である息子さんも未だ行方不明のままとのこと。
 
その女性は花屋の店主に「孫はまだ小さかったのでかわいい感じで」と手向ける花の注文をしていました。
お孫さんが津波にさらわれたであろう所で献花し、女性は涙しながら手を合わしておられました。
 
震災当日に亡くなった方々の四十九日を迎えます。