ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

アルプスの少女ハイジ:第10話「おばあさんの家へ」

 

 
吹雪がアルムの山をすっぽりと包み込んでいます。
ペーターのおばあさんがハイジに一度会いたがっているとペーターから聞き、ハイジは初めてペーターの家へおばあさんを訪ねる事にしていました。
でも吹雪で一歩も外に出る事はできません。おじいさんに言われてその日はあきらめたものの、おばあさんの家に行くという考えはハイジの頭の中から離れませんでした。おばあさんに招かれたのですからどうしても行かなければと思ったのです。しかし次の日も、そしてその次の日も吹雪はやみませんでした。そうした5日目、昨日までの吹雪もやんで、みちがえるほどの上天気になりました。ハイジは吹雪がやんだので今日はおばあさんの家に行けると思っていましたが、おじいさんは雪が凍ってくれないとどこにも行けないと言うのです。ハイジにとってはがっかりでした。

そして次の日、昨夜一晩で雪が凍ったので、とうとうハイジはおじいさんにソリに乗せてもらってペーターの家を訪れる事になりました。家の前までハイジを送ると「暗くなる前に帰ってくるんだよ」とおじいさん。てっきりおじいさんも一緒に家に行くと思っていたハイジはクルリと背中を向けてもと来た道を戻っていくおじいさんを見送ります。
 
ペーターの家はお父さんを亡くし、おばあさんとお母さんのブリギッテとペーターの3人暮らしの為、まだ子供のペーター以外に男手がおらず、雨戸は外れかかり屋根や壁は崩れそうになっていました。
ハイジを貧しい家で待っていたのは目の不自由なおばあさんの姿でした。ハイジは目が見えないという事が理解できず、おばあさんの目が見えるように窓を開けようとしたり、一面の真っ白い雪で覆われた眩しい外に連れ出してあげようとします。
そこでおばあさんから「でも私にはもう見えないんだよ。この世界は私にはも明るくならないんだよ、もう決してね」という言葉を聞いたハイジは、夕日に照らされ金色に燃えている山も見る事ができないのだと思うと、おばあさんのひざで泣き崩れてしまいます。
「いいんだよハイジ。心配しなくていいんだよ。人は何も見えないと優しい言葉を聞くのがうれしいもんなんだよ。さ、おまえの話を聞かせておくれ」
ハイジは普段滅多に泣く子ではありませんでした。けれど、この時ばかりはいつまでも泣き続けました。

「私、おじいさんに頼んでみるわ。おばあさんの目も明るくしてくれるわ。家も壊れないようにしてくれるわ。おじいさんはどんなものでも直してしまうんですもの」とハイジ。
「何て優しい子なんだろう」とおばあさんが感動しているところへ、ブリギッテが帰ってきました。
おばあさんたちはハイジがアルムおんじの山小屋でどのような生活をしているのかとても興味があり、次々にハイジに質問します。ハイジは山小屋に来てからの事や、冬の間の過ごし方などおじいさんとの楽しい暮らしを聞かせるのでした。でも、おばあさんやブリギッテは、ハイジがアルムおんじに辛くあたられていると思い込んでおり、ハイジの話を聞いても半信半疑で、山小屋からペータの家まで送ってくれたことすら信じてもらえませんでした。

日が暮れ始めたため、「明日また来るね」とおばあさんに別れを告げ、ハイジが山小屋に帰ろうとした時、おじいさんはペーターの家まで迎えに来ていました。「いい子だハイジ、よく約束を守ったね」と言うと、おじいさんはヒョイとハイジを肩に担ぎあげて、見送りに来たペーターに別れを告げて帰って行きました。
その様子を見て驚いたブリギッテはその事をおばあさんに伝えます。二人はアルムおんじがハイジをかわいがっているのが本当だと悟りました。本当によかったと喜ぶおばあさん。
いつも一日を長く感じていたおばあさんは今日の一日があっという間に過ぎたことを実感していました。「今度はいつ来てくれるだろうねぇ。これで私も生きていく楽しみができた」とつぶやくおばあさんでした。
 
おじいさんと一緒に山小屋に帰る途中、ハイジはおじいさんにあっちこっち壊れているペーターの家を直してくれるよう頼みます。それを聞いたおじいさんは不審に思い、ハイジに「誰がおまえにそんな事を言った?」と尋ねると、ハイジは「誰も言わないわ、自分で考えたのよ。だっておじいさんならできるんだもの。ね、明日一緒に行きましょうよ」と頼みます。
 
次の日、おばあさんとブリギッテは突然家が揺れ始めた為、もうこの家もおしまいだと恐怖に脅えていました。しかしハイジがやって来て、今おじいさんが家を直してくれていると説明すると、おばあさんは「神様はまだ私たちの事をお忘れにならなかったのね」と言って心から感謝するのでした。
おばあさんはアルムおんじにお礼を言いたいとブリギッテに家に入ってもらうよう伝えてもらいます。ですが、「もういいわかった。お前たちがワシのことをどう思っているかわかっておる。もういいから中に入ってなさい」と頑なに断るおじいさんでした。
 
おじいさんはその日一日中、ペーターの家の周りや屋根にのぼったりして壊れている所を手際よく全部直してまわりました。
長い間なんの楽しみもなかったおばあさんにとって、この日は今までにない幸せな一日でした。例え目は見えなくてもおばあさんの心は夕陽に照らされ金色に燃えている山のように明るく輝いていました。
 
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ストーリーを参考にしたサイト:http://www001.upp.so-net.ne.jp/meisaku/meisaku/heidi/heidi_s.html
上記サイトの内容を元に一部修正を加えました。
 

 
たまたま第10話を取り上げましたが、別にこれがハイジの中で突出していいとかそういうのではなく、どの回を取り上げてもこんな感じの質の高さだと思います。
ジブリのアニメには特に思い入れとかありませんけど、この高畑×宮崎コンビの「アルプスの少女ハイジ」だけはその画面構成から演出から何から何まで別格ですわ。
ブルーレイセット買おうかしらん。