電子立国日本の自叙伝~その凋落
91年に放送されたNHKスペシャル「電子立国・日本の自叙伝」というシリーズをご存知でしょうか?
既にバブルは崩壊していたものの、まだ世間一般に気付かれてなかった頃に放送されたものです。
以下、Wikiより概要。
戦後間もなくアメリカでトランジスタが発明されたところから、集積回路 (IC)の開発とLSI化、日本で昭和40~50年代に繰り広げられた電卓市場を巡る激しいシェア争い(いわゆる「電卓戦争」)、そして世界初の1チップMPUであるIntel 4004の開発秘話など、1980年代末までの日米における半導体開発の歴史を追った作品である。
NHKのドキュメントものはスタッフが表に出ないのが普通ですが、この番組は相田洋というディレクターが出てきて、それを三宅アナウンサーにシロウトながらも自分が取材したものを説明していくという画期的なものです。
番組の取材内容のみならず、この2人のやりとりがなかなかの軽妙で当時話題になりました。恐らく、今見てもおもろいはずです。
この番組が取り上げたのは日本人及びその技術が熾烈な戦いを如何に制してきたかって話で、非常に痛快なんですが、現在の日本は段々様子が異なってきた。
日本の凄いとこはいっぱいあるんですが、それは別の機会に語るとして今回は残念な点を取り上げたい。
未だに日本のハード関連は凄い。液晶にしても半導体にしても、なんだかんだって日本の技術は先端いってます。(残念ながらシェアとかはまた別の話ですが)
日本製品の最近の問題は、その先見性や革新性や独自性、それらが欠落しているとかいろいろあるでしょうが、つまるとこ、
ソフトがあまりに弱い
ということです。つまり、ハードではなく、ソフトウェアです。
あのインターフェイス、タッチパネルの操作性については、最初に製品に触れた際、ホンマ誰もが度肝抜かれたはず。一番度肝抜かれたのは我々シロウトよりも、他社のメーカー側だったはずです。
iPhoneについてはそのハードは主に日本製のものが占められています。iPhone4では韓国や台湾の部品がだいぶ使われたようですが、iPhone5では一部報道によると3割以上が日本の部品が再び使われるようで、率では一番らしい。
それでもiPhoneみたいな製品を先駆けて作れなかったわけです。
要はハードの技術があっても、インターフェイスの要のソフトが如何に重要かってことです。
親指と人差し指で広げる操作をしたら写真が拡大したり、指で上に弾いたらページがパラパラっと勢いよくすく下にスクロールするなど、そのアイデアのみならず、ソフトの凄さに圧倒されます。
間違いなく発売時は世界で最高のUI(ユーザーインターフェイス)でした。
「電子立国」の時代と異なり、現在はハード面だけではなく、ソフトとのバランスが重要になってます。
せいぜいモノマネ程度で、iPhone以上の革新的なもんは今のとこ皆無です。
そのバッタモンたちのOS・・・つまり心臓部分のソフトが何かは知っておられますわな??
それはグーグル社がAndroidを各メーカーにタダで配っているからです。彼らの戦略で、タダでも十分利益があるらしいんですが、タダほど怖いものはありません!!
タダだからって、ホンマに心臓部分のOSを他国に任せていていいんでしょか??
PCにおけるWindowsの二の舞状態です。
ソニーでいうところのSonic Stageっていうソフトになるんですけど、その操作性が全然違うらしい。
※すみません。ワタクシ、SonicStageに関しては結局評判悪くてインストールしたことないんでw
・・がその中に入ってるソフトや普段閲覧してるサイトってどうです??
OSのWindowsはいうまでもなく、グーグルアースをはじめとするグーグル関連ソフト、画像編集のPhotoshopやIllustrator、ExecelなどのOffice関連、Internet Explorerなどのブラウザ、CAD関連のAuto CAD、Skype、PDFのReaderなどなどどれもこれもソフトは圧倒的に日本以外のもの。
PCやネット関連のみならず、あらゆる電化製品において、ハードだけではなくソフトに対する開発費が膨大になってきております。
各家電メーカーももともとソフト部門なんて小さい部署で細々とやっていたみたいですが、今やその人員やコストも相当なものに膨れ上がってきていて、盛り込まれているソフトウェアの複雑さを物語っています。
電子レンジもテレビもレコーダーも、それこそ車の制御もソフトがあってこそです。
IT関連のみならず、一般の家電製品も海外に駆逐されたら終わりです。
何故に日本人がこないにソフト・・というか、プログラム開発に弱いのかサッパリわかりませんな。
プログラミング言語が日本語じゃないからだろか??
おわり。