ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

ファースト・ガンダム・ガイド(1)

ブログ仲間にファースト・ガンダムに興味がありつつ、今一歩踏み出せない方が多いので、ここで自称ガンダム・オタクのワタクシが2~3回にわけてガイドさせていただく。

そもそも、なんで「ファースト」なんてつけなならんのだ??
ガンダムは後に先にも79年に放映開始された「機動戦士ガンダム」のみなのだ。
他は全部商業的に・・つまり金目当てに作られたニセモノと断言させていただく。
ガンダム」とつけばスポンサーがついたり、配給映画会社がサインしてくれるので、なんでもかんでも「ガンダム」とつけているのだ。
これはガンダムの事実上の生みの親、富野監督が「Ζ(ゼータ)」をつくる際のことを回想して述べている。
スポンサーのためにやった、金のために泣く泣くやった・・と。「ガンダム」とつけないと製作許可が上から降りない現実がそこにある。

では、簡単にストーリーを。
宇宙世紀0079年、地球の周りは巨大なスペースコロニーがいくつも浮かび、人類の半数がそこへ移住していた。そのスペースコロニーのひとつである「サイド3」はジオン公国を名乗り、地球連邦政府独立戦争を挑んできた。
開戦当初の1ヶ月あまりで戦争は膠着状態に陥り、その8ヵ月後、ジオン軍シャア・アズナブル少佐(20)率いる巡洋艦がサイド7の空域に迫っていた。連邦軍が新たにモビルスーツを開発しているとの情報をキャッチしたからだ。
モビルスーツとは、ミノフスキー粒子によってレーダーが使い物にならなくなったために接近戦をせざるを得なくなり、よって開発された人型兵器をいう。地球連邦軍はこの開発に遅れ、ようやくジオン軍の「ザク」に対抗しうるモビルスーツを開発、それが「ガンダム」である。

シャアの偵察命令でサイド7に侵入したザク3機は、命令を無視してサイド7内で攻撃をはじめる。
サイド7に移民していた軍事技術者の子息アムロ・レイ(16)はこのザクによる攻撃の混乱の中、偶然にガンダムに搭乗することとなる。
マニュアルを見ながらの操作でありながらザクを撃破、既に人口の半数が死に至り軍人不足の現実のなか、アムロは他の少年少女たちと同様、本人の意思とは無関係に戦争のなかに組み込まれていく。
その戦争が彼を「ニュータイプ」へと覚醒させつつあった。
こんなストーリーを聞いたところで全く興味が沸かないと思われるので、この程度にさせていただく。

●ストーリー性と視聴率
原作も富野監督によるもので、とてもじゃないが「子供向けロボットアニメ」の域を超えている。
初回放送当時、一部熱狂的なマニアがでてきたようだが、大半のガキンチョ(僕を含めて)は興味を示さなかった。話がややこしくてさっぱりわからんかったからだ。
50話以上の放送予定だったガンダムは視聴率不振で43話で打ち切られることに。
ただご心配なく。数々のジャンプの連載マンガみたいに尻切れトンボで終わるわけではなく、途中のストーリーを端折ってるだけなので、視聴者にとっては完全なるアニメに仕上がっており、打ち切られた印象は微塵もない。

では、視聴率不振のアニメがなぜここまで盛り上がってきたか。
それは当時繰り返し行われた再放送だ
下手したら平日夕方に2話ずつ、これが繰り返し繰り返し放送された。
理解力のないガキンチョでもさすがに同じのを数回みれば、モビルスーツ(ロボットのこと)の洗練されたデザイン、及び何よりその高度ながらも緻密なストーリーを理解しだし、徐々に興奮が高まっていったという過程を辿った。
その興奮はテレビ版の総集編である映画の公開でMAXを迎える。

●個々のキャラクター
まぁ人間相関図も結構ややこしい。
兄弟、親子、憧れ、恋人、婚約、離婚、スパイ、独裁、裏切り、復讐とありとあらゆる構図が入り乱れている。
個々のキャラクターも強烈。
そもそも、主人公が「陰気な少年」ってのは、それまでのロボットヒーローもんにはまずなかったであろう。
主人公のアムロは途中、軽い鬱病にまで陥る。
「殴ったな!親にもぶたれた事がないのに!」
「ぼ・・僕が、一番・・・ガンダムを・・うまく・・使えるんだ」
「僕、乞食※じゃありませんし」※当然、現在は放送禁止用語
・・など、数々の名セリフもあるが、それを凌駕する存在が敵でありライバルでもある、シャアの存在。
「認めたくないものだな。若さゆえの過ちというものを」
「坊やだからさ」
などのセリフは現在、ガンダム世代のサラリーマンが職場などにおいても使ってる模様。
個々の強烈なキャラクターは見逃せない存在が多い。

●メカニック・デザイン
このデザインで敵方(ジオン軍)のモビルスーツにモノ・アイ(単眼)という画期的なものを導入したのが大河原邦男氏だ。
ちなみにタイムボカンシリーズで毎回登場するヘンテコなロボットも彼の手によるもの。
彼は当時タイムボカンシリーズの仕事に熱をあげており、毎日へんてこなロボットをデザインするのに全神経を注いでいたらしく、どっちかというと同時進行に放映されていたガンダム関係のデザインは手を抜いていたというから驚きだ。
人は時として肩の力を抜いたほうがいいものを作れるというのは音楽などにも共通することだろう。
主人公のモビルスーツであるガンダムも洗練されていたため、これらの対決シーンは非常に絵になるものとなった。
リアルなデザインのこれらモビルスーツによって、ガンプラブームを生んだのはご存知のとおり。
未だに根強い人気がある。

イメージ 1
大河原氏が映画ポスター用に描いたもの。黒い三連星トリプル・ドムにジェット・ストリーム・アタックを仕掛けられているガンダム。名シーンのひとつ。


(2)につづく