ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

戦いへの恐怖~渡辺岳夫作のガンダムBGM

「私、アムロが戦ってくれてなければとっくに死んでたわ」
「僕だってそうなんだよ。でも・・もう怖いのやなんだよ!」
幼馴染みのガールフレンドで同じクルーでもあるフラウ・ボウガンダムに乗るよう説得されても拒否るアムロ。(友達に戦いに行けと催促する女の子もすごいですがw)
若干の鬱病に陥っていたアムロ(後にさらに強度の鬱になる)は散々ぐずってはいたものの、ホワイトベースがシャアの激しい攻撃にさらされ、結局はガンダムに乗ることに。
「悔しいけど、僕は男なんだな」

ガンダムがカタパルトから射出し、地球での戦いにも関わらずバーニヤを駆使しして、アムロはあたかもガンダムが翔んでいるかのような空中戦を広げます。
OP曲と同じタイトルの第9話「翔べ!ガンダム」の場面で印象的に使われたのがこのBGMです。




戦いへの恐怖

すぐれた脚本・監督、そしてキャラクターデザインとメカニカルデザイン、声優が奇跡的に融合したガンダムですが、私が本当に不思議なのがガンダムのBGMです。
ぶっちゃけ、これほど優れたBGMは世の中の映画やドラマにないのではと思えるくらいに渡辺岳夫作のTV版ガンダムのBGMは素晴らしい。

「それ、お前が単にファーストガンダムオタクやからやろ」と思われるかもしれませんが、例えば肝心なTV版ガンダムのOP曲/ED曲は当時も今もクソだと思ってますし、映画版のBGMはそないに好きではありません。
本当にTV版のBGMだけが突出しているのです。
今でこそガンダムは国民的アニメですが、当時の渡辺氏がなんで打ち切りになるような期待感ゼロの巨大ロボットものにこれだけの秀逸なBGMをいくつも寄せたのか全く不可解です。

当時異例ともいえるガンダムのBGM曲集が最初に出されたときのジャケットが下です。

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このBGM曲集、約1万枚ほど当時売れるもファンからは「こんなジャケットではレジに行きにくい」とクレームが多数来たそうですw
それにより、2作目は富野監督の意向で安彦良和氏によるアムロのみのジャケット(下の画像・つまりガンダムがいない)にしたところ、なんと10万枚のセールスに跳ね上がったといいます。(NHKドキュメンタリー「ガンダム誕生秘話」より)
明らかに1作目のBGM集のほうが秀逸にも関わらずですw

ガンダムはホント、まだまだ「大人向けアニメ」の黎明期だったため、ガキンチョ対象と青年・大人対象の間で揺れてた作品でした。

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