ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

安倍晋三元総理大臣死去

心肺停止状態で病院に運ばれてから6時間にもなろうとしても新たな報道がなかったため、「もしやこのまま一命をとりとめるのでは」と期待し始めた矢先、安倍さんが亡くなったという速報が18時に流れました。

本当に残念でならないし、一人のキチガイの男による蛮行を許してしまった現地での体制についても無念としかいいようがありません。

 

左翼の人間は安倍氏のことをやたら「日本を戦争に駆り立てる人物」がごとく評してきましたが、あまりに無謀な人物像の構築です。彼は積極的にあの独裁者のプーチンにも何十回と会談をし(私はこれについて評価してませんが)、そして今現在、日露は戦後最悪レベルの関係においてもプーチン安倍氏に対する哀悼の意を真っ先に表しました。中国とも積極的に外交努力をしましたし、ポンコツ右翼連中にありがちな被害妄想レベルの「嫌韓」とかも微塵もなく、個々の案件について日本のとるべき態度をとってきただけです。

集団自衛権についても「9条の御旗のもとに他国から侵略に対してただ念仏を唱える」のか、「米国と連携して侵略してくる敵に立ち向かう」のかだけの違いで(全然違いますが)、安倍氏の言動に好戦的な要素は微塵もなく、「日本は戦争をしたくない」という意志は揺るがないもので、そのための対策であることを飲み込んだ上で彼の政策を批判しないと全く意味がありません。

 

左翼側は安倍氏の人格を否定するような批判も多いですが、安倍政権に対して批判側にまわった私ですが、安倍さんは「いい人」という認識は一貫して変わっておりません。森友・加計問題も騒がれた当初から「安倍氏が利するような事案はまず何も出て来ない」と私は思いこんでましたが結局そのとおりですし、今後も出てくることはこないでしょう。「さくらの会」は完全にアウトの事案ですが、彼に何も悪気はなかったはずです。そもそも地元の有権者に桜なんか見せんでも彼は余裕で当選する立場あり、彼自身が何か利することなど何もないのはすぐ分かる話です。選挙違反の事案ではありますが、彼なりの自分を応援してくれる人たちへのサービスだったんでしょう。

 

第一次安倍政権では参院選で惨敗、体調不良でやむなく退陣となりましたが、その安倍氏どん底の当時、読売テレビたかじんのそこまで言って委員会」では安倍氏を大々的に取り上げる企画を立ち上げました。(ちなみにこの番組は日曜の13時半からという通常全く数字が取れない時間帯の放送にも関わらず、20%超えも連発していたバケモノ的関西ローカル番組でした)

MCのやしきたかじん、政治評論家の三宅久之勝谷誠彦氏、そして安倍氏安倍氏の地元・長門市の俵山温泉で温泉に浸かりながら談義するというもの。これは大いに盛り上がり、三宅氏を筆頭に「安倍さんを再び総理に!」と番組全体で安倍氏を猛プッシュすることに。(キー局ではあり得ないw)

その放送から1年後、2012年に安倍氏は見事総理に返り咲くわけですが、ほどなくして三宅氏もたかじんも病で倒れます。しかし安倍氏は総理就任後、激務のなかでも大阪入りする際は読売テレビに寄って「そこまで言って委員会」の出演を数回行っています。関西ローカルのバラエティ番組に現役の総理大臣が何度も出演するなど前代未聞です。これはどん底時に自分を応援してくれた人たち(番組)に対する安倍さんの義理であり、安倍さんの性格ならではと私は思っておりました。ですので、私は安倍さんに対して「いい人」という印象は今も何も変わっておりません。それゆえに彼はあれだけ饒舌にあらゆる機会において言葉を発してきたにも関わらず、致命的な失言がゼロなのです。

 

「伊吹(文明・元衆院議長、京都市選出)先生が前に座っておられると緊張してしゃべりにくいですね」

4年前の京都のホテルで行われた総裁選での演説会、安倍さんは冒頭でそう切り出し、会場にいた数百人を沸かせました。安倍さんのウィットに富んだ聴衆を惹きつける演説が今も思い出されます。

私も含め安倍さんにはいろいろ批判してきた人もいるでしょうが、持病をケアしながら長期に渡って日本の舵取りの激務をされてこられた安倍晋三元総理に我々日本人は改めて感謝の意を述べなければなりません。

安倍さん、本当にこれまでありがとうございました。どうか安らかにお眠りください。

 

2018年9月15日京都にて