[ドラマ・お金の切れ目が恋のはじまり]三浦春馬が出てこない最終回
何気なしに見始めたこのコメディドラマはご存知のように三浦春馬の遺作ドラマです。「コメディ」といっても登場人物でコミカルな演技をするのは殆ど三浦春馬くらいでして、こんな方が撮影中に自死を選ぶとは思えないくらい終始はちきれんばかりのテンションでの演技です。
熱烈なファンの中では違和感もあったようですが、私なんかは底抜けに明るい感じにしか見えませんでした。
もともとは8話までを予定していたドラマは全4話となり、その最終回が昨日放送されました。
前回の3話では三浦春馬がカミナリの雷鳴の勢いで松岡茉優にキスしてしまうシーンで終わったのですが、この最終回ではその翌日の朝という設定ではじまります。三浦春馬演じる慶太は松岡茉優演じる主人公の親が経営する民宿に居候してたんですが朝早くから急にいなくなります。
まぁ勢いでキスしてしまった翌日なのでその照れ臭さだろうとストーリーに私は何も違和感がなかったのですが会社もそのまま無断欠勤して、普段は明るすぎてウザく思ってた同僚もいないと寂しいと言い出します。
しばらくしてハッとすることになります。この最終回には慶太はもう出てこないということを・・それに気づいたあとは三浦春馬のファンでもない私でもだんだん怖くなっていき寂寥感が出てきます。
4話まで撮影済みと当初から聞いてたのでその映像を使うのかと思いきや、4話はほぼほぼ三浦春馬が亡くなってからの撮影のようなのです。
悲しい想いの中でドラマを仕上げるためにやり切ったスタッフや出演者に敬意を表したいです。
ドラマの中では慶太の母親役のキムラ緑子が失踪した慶太が居候していた狭い散らかった部屋を訪ねてくるシーンがあります。この母親はいつも慶太を甘やかしてべったりだったのですが、ドラマ中でいつも慶太が羽織ってったカーキー色のジャケットがハンガーにかかっていてそれを手に取って言います。
「慶太、ママはいつだって慶ちゃんの一番のファンだからね」
春馬ファンの方たちを代弁するこのセリフに平常心で見れなかった視聴者もいたことでしょう。
そしてラストシーン、失踪から数日後、慶太との過ごした短い間の想い出を回想していた主人公、そのとき民宿の引き戸がガラガラと開きます。
振り返る主人公、そして無言のまま笑顔でその人(映像では映らない)を迎えます。
心からご冥福をお祈りします。