ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

あしたのジョー(2)

あしたのジョー」はもちろんマンガもおもろいんですが、マンガにないアニメのいいとこは
やはりジョーの声でしょう。あおい輝彦の声はホンマに素晴らしい。
殴るときなどに発する「でりゃーーーーっ!」「ったーーーーーっ!」ってな声には
聞いてて震えがくるほどです。

このマンガ、原作者は高森朝雄名義となってますが、「巨人の星」「タイガーマスク」などで
有名な梶原一騎によるもので、画はご存知ちばてつや
ちばは梶原の原作を読んで、「力石徹」という名前から勝手に力石をジョーよりひとまわり
大柄な男に描写。これにより後にジョーと力石とのリング上の対決を描く際、「階級」という壁に
阻まれることになります。この現実を知ったとき、梶原なんかは頭を抱えてたそうです。
・・が、結果的にこれがこのマンガのよさを更に押し上げることに。

力石はバンタム級のジョーとの試合のために地獄の減量に挑みます。
日々、死相じみた表情に変貌する力石を描くことはちばも辛かったと後に語っています。
力石はその減量が祟って、ジョーの強烈なテンプルをくらったことも重なり、試合には勝つものの
リング上で倒れ死に至るという流れ。

この力石の死については梶原とちばは相当悩んだそうな。
早くから力石は死なすつもりで描いてたそうだが、ちょうど力石との最後のリングを描く頃に
テレビアニメ化の話がきたのだそう。
力石は当時、主人公のジョーよりも人気があったキャラクター。
アニメ化に際して、このキャラを殺していいものかどうか。
2人はバーかクラブかなんかで、力石を「殺す」「殺さない」と延々と談義していたため、
そのヒソヒソ話を聞いた他の客らは彼等を暴力団と勘違いして震え上がってたことを
後に知らされたとのこと。

結局、彼等の決断は当初どおりということに。
「テレビアニメのためにマンガを描いているのではない」と。
そして力石が死ぬことにより、ジョーのみならず描き手のちばすら苦悩する日々が始まるわけです。


イメージ 1
千葉県銚子市にある「力石徹」像。ジョーのもあります