ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

あしたのジョー(1)

GyaOで「あしたのジョー」をやってまして、現在順次みとります。
あしたのジョー」の後半を描く「2」は何度か見てるんですが、この初期のジョーを本格的に
はじめから通して見るのは初めてで、改めてすごいマンガだということを思い知らされております。

ロック・アーティストの頂点は個人的感情を無視すれば、当然のごとく「ビートルズ」であることは
疑いようもない事実。
異論もあるでしょうが、日本のマンガの頂点は恐らく「あしたのジョー」になるでしょう。
いろんな評論家のランキングでいつもトップに躍り出るのがこのマンガですし、伝説のマンガ
名に一番相応しい点からしてもそうでしょう。
伝説で代表的なのは、主人公であるジョーのライバル、力石徹が死んだときに寺山修二を
発起人として葬式を行ったことがあまりに有名。

イメージ 1

70年前後に連載されてたマンガで、よど号ハイジャック事件犯の赤軍メンバーも「あしたのジョー」を
信奉してたとか。
故に僕は「あしたのジョー」世代ではなく、このマンガに本格的に接し始めたのはここ10年の
話で、最初は「あしたのジョー2」というアニメからです。マンガを全巻揃えたのもつい数年前。

マンガを初めて読んだときに思ったのは、昔のマンガの割には話の展開とかに昔ならではの
陳腐さもなく、古さを感じさせない、非常に説得力のある内容だということ。
そしてその説得力は人物間の会話の多さにあります。
吹き出しが多い・・という印象は特にないんですが、ホント人物同士がよくしゃべる。
そして、その会話がめちゃイキイキ・・会話がめちゃ「生き」ているんで説得力あるんですねぇ。

話の展開も人の心の移り変わりも強引にもっていったりしてません。実際に人の性格なんてもんは、
簡単に変わるもんでもないですし、どん底に落ち込んだ人間がすぐに元気になったりもせんでしょう。
その辺はじっくり時間を掛けて・・・つまりページ数を割いて描写してます。

例えば、ジョーがボクシングにのめり込むまでの過程です。
ジョーはもともと孤児だった為に過ごしていた施設を少年期に飛び出して、全国津々浦々
放浪してきた若者。
たまたまたどり着いた東京の荒川区と思われるドヤ街にて丹下段平という落ちぶれた元ボクサーに遭い、
そこでボクシングの誘いを受けるわけです。・・・が、根っからの一匹狼であるジョーが人の言うことを
素直に聞くわけがなく、金欲しさからやる気もないボクシングをするフリをして、段平が普段仕事で
いないのをいいことに練習をさぼりまくり、金だけせしめます。仕舞いに募金詐欺をして、少年院に
いく羽目に・・・と、なかなかボクシングに興味を示さない。
興味を示しだすのは、少年院にて力石徹に会ってからです。

喧嘩に自信のあったジョーがプロボクサーの力石との力の差を思い知らされたとき・・アニメでは
やっと10話を過ぎてから、ジョーはボクシングに目覚めだすわけで、ジョーの閉ざした心が
ボクシングを通じて段平に開きはじめる過程にそれだけの時間を割くことに、改めてビックリ
させられます。

(2)につづく