ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

西日本豪雨・それでも避難しない高齢者たち

地震予知、火山予知については未だ全くといっていいレベルで結果を出せておりませんが、日本の気象予報はだいぶ進歩した感があります。
今回の豪雨でつくづくそれを思いました。
今月の7日からとんでもない長雨になった西日本豪雨については予報どおり、各地でかつてない累積雨量となりましたが、特別警報が出るレベルになるとの予報もドンピシャでした。

それだけに200人にもなろうとしている死者が出ているのが全くの不可解です。
今回も「想定外」を使う人がいますが、今回は違うでしょうよ。安直になんでも「想定外」と言えばいいというもんじゃありません。
今回は想定されていた災害だったはずです。ピンポイントでどこで酷い災害になるなんてのは分かりませんが、どこかでとんでもないことになるのは予想できてたはずです。

特別警報が出るレベルということはその地域において数十年レベルで誰も経験していない命に関わる危ない事態になるということで、それが西日本各地に発令される恐れがあるというんですから最大レベルの警戒をするのが普通でしょう。
これで警戒をしないのなら、どんな予報になったら警戒するんでしょうか?

今回亡くなった方の多くは高齢者だといいます。そしてその多くは私の知っている範囲では自宅で亡くなっているはずですが、彼らはなぜ避難しなかったのでしょうか。

倉敷市真備町みたいな河川の氾濫を事前にキャッチするのは確かに難しいでしょう。
ただ、今回の浸水地域は自治体のハザードマップの浸水地域と合致しているようですし、「特別警報が出るレベル」と予報されていたわけでして、西日本全域の住民はもっと警戒すべきだったんじゃないでしょうか。
「岡山はあんまり水害がない」とか全然関係ありません。
報道によると以前からこの地域での浸水被害を警告し、地道に活動をしていた地元ボランティアの方もおられたようですし、また、とある地区では河川周辺の状況で異変を感じた年配の人がまだ「避難指示」が出る前の段階で「堤防が決壊するかもしれん」と地区の何世帯かに避難することを促し、皆が助かったということもあったようです。
要は危機意識の高い人はあの地域でも早々に避難していたのです。

高齢であればあるほど、泳いだり屋根の上に登ったりできないわけで、事前に逃げておくのは言わずもがなで、氾濫しだしてからでは遅い話です。
「まだ水がきてないから大丈夫」とか全くの論外です。

亡くなった高齢者たちの息子さん、娘さんたちの行動も不可解なものばかりです。
とある高齢の女性は足が不自由で2階にすら上がれない状態だったそうですが、今回の氾濫のために自宅1階で水死している状態を娘さんが見つけておられます。
娘さんは母親が住む実家から車で1時間もかからないところに住んでるそうですが、なぜにえげつない豪雨になると予測されるなか、そんな不自由な身体の母親を実家で一人でさせていたのか、避難は促さなかったのか、車で母親を自分の家など安全な場所に避難させれなかったのかと思わずにいられません。
母親が亡くなった場所で泣き崩れておられましたが、正直、テレビで見ていてなんとも複雑な感情しか湧いてきません。

愛媛県肱川の殺人レベルのダムの放流など、確かに予測困難な事態も各地であったと思いますが、広島市ではまたも大勢の方が土砂崩れで亡くなってます。
これが一番不可解です。

ご存知のように広島市では4年ほど前、局地的な豪雨による土砂崩れで大勢の方が亡くなっています。
当時、災害発生直後に私は現場を見ましたが何れ確実にくるであろう六甲山周辺での大規模土砂災害を想起させられました。
あの光景を見て以来、私は土砂崩れに対する認識が大きく変わりましたし、広島の地元の方であれば尚更だと思うのですが、未だそうでない方も残念ながら多いようです。

自分の子どもに電話で強く促されて渋々避難して助かった高齢者は、「今までこんなことはなかったのでここで起こるとは思わなかった」とおっしゃってましたがサッパリ意味がわかりません。
そりゃついこの間土砂崩れしたところに家を建てるはずもなく、大概の家屋が建っている所は土砂崩れについては未経験でしょうよ。
これまで土砂災害で押し流された家々は過去にも土砂災害があったところばかりとでもいうのでしょうか??
この高齢者が住んでるすぐ近所で起こった4年前の土砂災害もそうだというのでしょうか??

高齢者は長い間生きてきたので経験が豊富で危機管理意識も高くなる・・ってなことはどうもなさそうで、「自分は過去に災害の経験がないので今回も自分は大丈夫」ってな根拠のない自信で満ち溢れ、警戒心もなく、どんだけ「危ない」と報道されようが、自宅から避難する気もない。
そういう高齢者が大半なのでしょうか。(まぁ若い人もそういうのが多いでしょうが)

もう今の高齢者たちの意識が変わるのも望み薄なので今後発生するであろう災害においても救えないかもしれませんが、これから高齢者になっていく者たちはもうちょっと自然に対して畏怖の念を常にもっておくべきでしょう。
今後ますます異常な豪雨は頻発するといわれているので今回のような災害に直面する可能性は高まっていくと思われます。

それと危機感の薄い初期の高齢者たちが永田町にいることにも触れておかんとあかんでしょうな。
今月の5日といえば既に前代未聞になりかねない豪雨に対する警戒について気象庁が午後に記者会見をしていたようですが、私がブログで最初に災害にビビって記事を投稿したのが5日の夕方です。
その日の晩、安倍のじいさんはじめ、自民党の初期高齢者連中が飲み会をやってたようです。小野寺防衛大臣も含まれています。

その様子をご丁寧にも「危機管理のスペシャリスト」を自称する西村康稔とかいう官房副長官が連日の豪雨で被害がピークになった7日、呑気にツイッターで投稿している始末。
このオッサンはまさしく大雨でえらいことになりかねない状態だった兵庫県選出の政治家とのこと。

国の中枢の連中がこの程度の危機管理なのでそりゃ一般の高齢者たちの危機意識も薄いはずですわ。

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2014年9月7日、広島市安佐南区八木周辺のようす。
奥の山から大量の土砂が流れた地域ですが、当時このような土砂崩れが周辺のあちこちで発生。多くの方が亡くなりました。
今回の災害もこのすぐ近くであったわけで、自然災害に対する住民の意識が一番変わっていなければならない地域のはずだったんですが。