ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

病を押して撮影を続ける年配女性の話@長岡天満宮

今朝はキリシマツツジの撮影に長岡天満宮へ行ってきたのですが、一通りの撮影と参拝を済ませて、椅子に腰掛けていると「ちょっと横ええかしら」と年配の女性が。
撮影が趣味という高槻在住の女性は間もなく80代になろうかという年齢くらいで関西人にしては珍しく丁寧な口調で私に話しかけてこられました。

昨日は桜で有名な八幡の背割り堤に行ったのだそう。もちろん、とっくの昔に葉桜になっていたわけですが、最近展望台ができたのでそこから一度眺めてみたかったんだそうな。
ご自分のカメラの液晶ディプレイを私に向け、展望台からの眺望の満開の桜の写真・・・まぁそれは展望台で貼られてたパネルを撮影した写真なんですがそれを見せてくれましたw

ここ数年は殆ど撮影ができなったとのこと。
両足の膝に人工関節を入れる手術を受けたのがその理由で、手術後のリハビリが3ヶ月以上にものぼり、しかもそれを時期をずらして両方の足だったので長期に渡っての入院を余儀なくされ、出歩ける状態じゃなかったんだそう。
やっとここ最近、外に出られるようになり、昨日の背割り堤に続いて長岡天満宮に電話でツヅジの状態を確認して、今朝来られたとのこと。

84歳の旦那さんは肺がんの末期がん、女性ご自身も両足の手術のみならず肝臓を昔から患ってるそうで、週に何回も病院に行って注射をしてもらう生活を20年以上続けてきたといいます。
そういう大変な生活の中でも続けているのが趣味の撮影なんですな。

私のカメラがキヤノンであることを確認すると「○○先生っているでしょ?」と仰るんですが、私は完全に我流なんで全く存じ上げない。
60代になってから撮影をはじめたという女性はちゃんとそうした専門家から習って、そしてちゃんと撮影のサークルにも入り、そしてその仲間たちと共にあちこちを撮影してきたんですな。
フィルム時代から撮影してきた女性、「僕みたいなええかげんな撮影と違ってホンマすごいですなぁ」と言ったところ、「おたくさんは若いし、まだまだこれからですわなぁ」と女性。
「いやいや、全然若くないですがな」
「なんでぇ、まだ20代くらいやろ?」と女性。最近は目も調子悪くなってきたとのことで私の容姿がよく把握できていないのかw
「その倍ですがな!この年齢になると早いやつはもう死にはじめますよ!もう何回桜見れるかも分かりませんわ」

先方は笑ってましたがあながち冗談でもなく、昨年も私が世話になった知人が50代前半で他界しました。40代50代以上なんていつ死んでも全然おかしくない。
「そもそも独り身の人間なんか長生きしたらろくな事ないんで、とっとと早く死にたいんですわw」

年配のその方にとっては足が不自由なこともあり、これまで幾度となく撮影してきた長岡天満宮ツツジもあと何回撮影できるか分からない旨をおっしゃってましたが、私も漠然とはいえそれは意識しはじめております。
ならば家で引きこもってるのは勿体無い話ですw
どこの撮影現場でもクソみたいなカメラ爺ぃしか見ないのでこの趣味が嫌になることもありますが、こういう方の話を聞かせてもらうと「もうちょっと頑張ろうかな」ってな気にもなります。

今からツヅジの撮影を始めるんだと席を立った女性。
かれこれ30分も喋ってまして、だいぶ陽も高く昇ってましたw
来年も私はこの長岡天満宮のツヅジを撮影に来るつもりだと去り際に女性に話しました。
私が来年無事生きてたら、女性がまだ来年も歩けてたなら同じベンチでまた出会うかもしれません。

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(2018/04/21 09:58)
まだ4月なのに京都は昼にかけてえらい温度になりました。
これからも長きにわたって撮影されることを祈っております!