ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

JR西,関西私鉄の降雨による運休・その規制値と「実効雨量」

台風11号によりJR西日本だけえらい長く運転見合わせをしていた件で疑問に思っていたのですが、下記の記事で大まかなJR・私鉄各社の規制値が出ていたので取り上げます。
あくまで今回は雨量の話であって、「風力」についての規制値は割愛します。


上の記事によると規制値は下記になります。


JR西日本環状線)・・・24時間雨量が205ミリ。

阪神電車・・1時間当たりの雨量が50ミリを超える、または降り始めからの総雨量が100ミリ、200ミリを超えれば、その都度、現場の線路状態を係員が点検。
淀川や武庫川の水位も考慮。

阪急電鉄・・・1時間当たりの雨量が70ミリを超える、または降り始めからの雨量が260ミリを超えた場合、一律時速45キロ以下で徐行。
基本的に強風ならともかく強雨だけを理由に運休することはない。



JRはもともと連続雨量と時間当たりの雨量にのみ規制値を設けてたみたいですが、その規制値未満において斜面が崩落して電車が乗り上げる脱線事故が1991年に発生したため、その翌年に累積雨量で対処するように検討した文書が下記にあります。

・・が、JR東日本についてはそれの先を行く「実効雨量」というのを規制値として2008年に採用しています。

実効雨量とは「降った雨が時間の経過とともに浸透・流出することで変化する土中の水分に相当する量であり、線路およびその周辺での土砂災害との関連性がよい指標」と上の文書にありますが、要は単純に雨が長く降った、強く降ったってな見た目だけで規制するのではなく、降った雨が地下水や表面水として流出することを加味して土中の水分を算出するものです。
よって、累積雨量や時間当たりの雨量では規制値を超えてても、実効雨量では問題ない場合もあれば、逆にそれらの規制値内であっても実効雨量では問題ありの場合もあるわけです。

さて、じゃあJR西日本はこの「実効雨量」は採用していないのか調べてみたのですが、これがネットで検索にひっかからない。(つまり採用していない可能性が高い)
上記で挙げたJR西日本の見直しの文書にも実効雨量は取り上げられているんですが、以下のような結論に至ってます

「実効雨量による斜面斜面評価法が確立されていないことや指標としての一般性、およびこれに対応する雨量観測体制には膨大な資金と時間が必要となるため(中略)累積雨量により対処することとした」として、採用を見送っております。

じゃあ、現在はどうなのかということをJR西日本に問い合わせたところ、一応メールで返事をいただきました。
明確な答えはありませんでしたが、やはりその文面から察するに実効雨量の考え方は採用していないようです。