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20ミリシーベルトという基準(1):放射能に関する基礎知識

今回の福島での事故に当たり、日本の原子力安全委員会は、このICRPの定める緊急時被ばく状況の国際的な目安の中から、最も厳しい(安全寄りの)数値=年間20ミリシーベルトを基準に選び、政府はそれに従って避難等の対策を決定した。
 
首相官邸のHPには上記のように記述がされてますが、この年間20ミリシーベルトを基準とすることに専門家や国民の間でいろんな議論が行われております。
といいますのも日本はもともと法的に年間1ミリシーベルトを基準としておりまして、暫定とはいえ簡単に20倍にしていいのかという疑問が出てくるからです。
 
 
この基準値について語る前に、いろんなサイトで参考にした放射線を計る単位やそもそも自然界にある放射線について整理しておきます。
尚、ドシロウトゆえ、誤ったことを書いている場合はご指摘ください。
 


 
放射線放射能の単位】
 
イメージ 1
 
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(東電HPより)
 
シーベルト(Sv)とベクレル(Bq)」の関係について、よく例にあげられるのが硬貨。
500円玉1枚と100円玉3枚と10円玉2枚があったとします。
硬貨の枚数=6枚というのが謂わば「ベクレル」、金額=820円というのが「シーベルト」となります。
枚数(放射線の量)が多いからといって金額(放射線が人体に与える影響)が多いとは限らず、つまりは我々が健康への影響について特に重要な単位はシーベルトということになります。
 


 
【自然放射線
 
原発事故や大気中での核実験をしていなくても、地球誕生の46億年前から自然界にも放射線は飛び交ってます。
宇宙からは宇宙線が降り注ぎ、大地からはウランやカリウム、空気中ではラドンなどという放射性物質放射線を出し続けてます。人体はそれら空気中から、または食する食物からも影響を受けます。
 
地球上に住む人間が受けてる放射線の内訳は以下になります。
 
イメージ 3
 
上の内訳より、自然放射線による被ばく量の合計(外部被ばく量+内部被ばく量)は、世界平均では2.4ミリシーベルト/年となります。(1988年国連科学委員会報告より)
 
日本の平均だけをみると、世界平均より低い値となります。
 
イメージ 4
鹿児島大学フロンティアサイエンス研究推進センターが東電HPより引用したもの)
 
日本の平均は約1.4ミリシーベルト/年といわれてまして、花崗岩が多いせいもあって全体的に西日本のほうが高めのようです。
 
 
内部被爆についていうと、我々は呼吸や食物より放射性物質を取り込んでますが、その代表格がカリウム(K)です。
カリウム自体は人間が生きていくうえで必須の成分ですが、カリウムにはそのうち必ずカリウム40という放射性物質0.0117%含まれてります。これは岩石の中のだろうが海中のだろうが体内のだろうが、そこにあるカリウムに必ず0.0117%含まれているんだそうです。
 
んで、人間の体内にもあるカリウム40ですが、これが体重60キロの日本人で4000ベクレル相当のカリウム40が体内にあるんだそうです。
 

 
以上の知識を踏まえて、年間20ミリシーベルトや食物の500ベクレル/kgという暫定の規制値が妥当かということです。
 
(つづく)