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一応、風景写真がメインです

[台風19号]橋下徹氏が語る行政による「差別治水」の闇

読売テレビの解説委員で現在関西ローカルの朝の情報番組のMCをしている野村明大氏は過去、政治家時代の橋下徹氏の番記者みたいな立場だったのですが、この野村氏が先日ツイッターで「橋下さんは、治水について、たぶん日本で一番よく見えている政治家」と語っていました。

まぁそれが本当かどうかは別にして橋下氏は知事時代、槙尾川(まきおがわ/大阪府)の治水について相当尽力したのは事実のようです。進んでいたダム計画を中断させ、河川の堤防強化に力を入れたわけですが、当然ながら反対派とバトルしながら推めた事業であり、住民の命に関わる事なので相当な覚悟があったはずです。

 

その橋下氏が台風19号によって各地で甚大な被害が発生した直後にフジテレビで語った内容が今回の台風報道のいろんな専門家の発言のなかでダントツにインパクトがありました。

 

彼が千曲川の氾濫の報道VTRを見たあとに、決壊部分の川幅が広いにも関わらず、そのすぐ下流部分が異様に狭まっていることを指摘し、「都市化されている下流地域に被害が出ないように、上流部であえて氾濫させる考え方がある」と発言したのです。

 

news.nifty.com

 

例として、上の記事にあるように、「淀川が氾濫しないように琵琶湖で止め氾濫させる」「奈良と大阪の県境に狭いところがあるけど、いざというときは奈良県側で氾濫させる」と語り、他に瀬田川桂川を出してくるなどやけに具体的でOAを見てるときに「こんなん発言してええんか??」とビックリさせられました。

 

上の記事には治水に関わっている現場側からの反論が。

 

「豪雨や台風などで雨量が多い時は、下流の淀川に大量の水が流入しないように琵琶湖出口の瀬田川洗堰を全閉することがあります。ただし、淀川の氾濫を防ぐために琵琶湖を氾濫させるということではありません」(淀川河川事務所)

「そもそも、大阪を守るために奈良県側の大和川上流を氾濫させるような“技”は使えません。大阪と奈良の県境に位置する大和川の亀の瀬は、古くから地すべりが起きる場所です。昭和40年代から治水対策を進めてきましたが、現在は対策を早めるために、亀の瀬を広げなくて済む別の整備計画を進めています」(大和川河川事務所)

 

と当然ながら各河川事務所は橋下発言を否定してますが、行政のトップで奔走してきた橋下氏の発言をアタマから「デタラメ」と無視できないでしょう。

現にある専門家はツイッターで「それほどタブーでもない。埼玉の戸田市なんかはそれにあたる」という主旨の発言も。

橋下氏は要はこういう「差別治水」(橋下氏は「差別」という単語を使ってなかったと思いますが)を隠蔽するのではなく公開すべきという主張です。

 

地震については日本全国どこも発生確率は似たようなものだと思いますが、浸水については明らかに地域差があるはず。

残念ながら人が住んではいけない地域というものは確実に存在すると思います。

 

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