ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

廃線跡をゆく(3)


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12:40
さて、次のトンネル北山第二トンネルです。全長413m、もう迂回路はありません。

先ほどの第一トンネル、迂回路と書きましたが厳密に言いますと迂回路などではありません。
1899年(なんと明治32年!)、この福知山線が全通したときに第一トンネル部分はあの迂回路を走ってたそうです。
後に武庫川の増水時か落石等の問題からか1923年にトンネルを新設したわけです。

ここは前述のとおり、近辺の六甲山脈なんかと同様、花崗岩が主な地質を占めてまして、岩盤が非常に固く掘削は困難を極めたとのこと。当時は掘削機があるわけでもないので、発破と手掘りの交互という作業で、掘削途中でどうしようもない岩盤ができきたりして、何度か経路を変更するなど紆余曲折があったそうです。今回写真におさめてませんが、掘りかけでそのまま封印しているトンネル・・というか洞穴もこのコースには数箇所ある模様。
掘削のみならず、渓谷ゆえに、川側は護岸工事が必要ですし、山側は擁壁工事・・と付帯作業が尋常じゃないことが想像できます。地方などから大量の工夫を動員して、死者も幾人か出ているようです。
このようなたくさんの犠牲者の上に、日本は明治~大正時代に欧米並みの発展を遂げていったのでしょう。

・・ま、今回そのような感慨に浸ってる余裕はありませんでした。
トンネルの前でちょっと立ちすくみましたが撤退するのは馬鹿馬鹿しいので進むしかありません。
幸い、入り口に2人の人影が。どうやらトンネルを通ってきたようです。
ってことはトンネル内は安全ってことでしょう。正直、「霊」とかそんなもんは信じてないのでどうでもいいんですが、やはり怖いのは怪我・・いやそれより人間です。狂ったヤツらがおったらおしまいです。
こういうときにやはり普段携帯を持たないのは不安です。こんなときだけ携帯が欲しくなります。
(僕は携帯持たない主義を通してます)

とりあえず、懐中電灯を点けてトンネルに。
前方から話し声と懐中電灯の光が。女性二人と入り口から50m付近ですれ違いました。
後ろに離れていく話し声。耳を澄ましてみましたが、前方からは物音は聞こえません。
この先の残り350mはホンマにひとりのようです。

変質者がいないことが確認されたのになんでこわいんでしょ??
やはり霊にびびってるんでしょうか。漆黒の闇ってを恐れるのは本能でしょうか?


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12:46
闇が続きます。
僕が踏む砂利の音と水が壁から滴り落ちる音がところどころで聞こえるだけ。
石積みとレンガでできたこのトンネル。写真を改めてみると100年を超えて未だそのかたちを留めているのは驚きです。


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12:47
トンネルに入ってから6分ほど経過してからやっと前方に光が!
なんか子供たちの声も聞こえてきました。一安心です。
413m・・・長く感じました。
・・が(1)の地図をみてもらったらわかるようにまだ長いトンネルが一つ残ってまして・・。

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12:48
出口に引率者とたくさんの小学校低学年の子供たち。写真は振り返って撮ったものです。
不思議そうに1人のこどもが僕を見てましたが、暫く見つめた後「こんにちは!」の声、
それにつられてたくさんの子供たちと挨拶を交わしました。
登山やハイキングは普段、すっかり減ってしまった挨拶を交わす習慣が残っているので気持ちがいいですねぇ。

(4)につづく