ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

嵐山と天橋立、広葉樹と針葉樹(1)

嵐山も天橋立も距離が離れているとはいえ同じ京都府内に位置する。
この2つの有名な観光地は同じ悩みをもつ。

目玉である「木」が育たないという悩みですわ。


では、まず嵐山から。

「嵐山」はその地域をあらわす名であると同時にご存知「渡月橋」のバックに位置する標高375mの山の名前でもある。
この山は国有林で桜や紅葉の名勝であり、アカマツも有名。
・・が、この桜などの木々は自然に勝手に生えて現在に至っているわけではない。

早くは13世紀末に亀山上皇が吉野から桜を数百株移植、その後天龍寺の開祖である夢窓国師が吉野からヤマザクラ数千本を移植している。
その後も幾多の台風などにより甚大な被害を受けながらも、江戸時代や、明治~大正時代それ以降も有志たちがサクラやアカマツを移植するなどして景観を保持してきた。

・・が、これらの木が近年枯れる、または移植しても育たないという状況が続いており、景観を保持している地元の方たちを悩ましている。

もともと渡月橋背後の斜面は北向きに位置し、日が殆どあたらない。
また斜面は30度以上の急斜面が大半で落石なども多発。数年前はこの落石により「保津川峡下り」が一時営業停止していた。
サルやシカなどによる獣害も植樹した木が育たない原因のひとつなのだそう。
斜面上部のアカマツも激減していて常緑広葉樹など他種が侵食してきているらしい。

嵐山の観光客はここ数年激増しているが、国有林の衰退は地元の方々には死活問題。
現在は「意見交換会」が地元の方々と専門家の間で数回に渡って開かれている。
ただ、広葉樹に関してはそのノウハウってのがあまり蓄積されてきていないようで、なかなか難しいんだそうな。

イメージ 1
嵐山の紅葉のようす。(去年撮影)

つづく