ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

キャプテン誕生

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アニマックスhttp://www.animax.co.jp/で、ちばあきお原作のの傑作野球アニメ
「キャプテン」の放送がはじまったことを知人から聞きやした。
「キャプテン」の谷口編は野球マンガの中でも僕が一番好きなマンガで、他の野球マンガのような
派手な描写はないんですが、努力と根性、そして谷口キャプテンの素晴らしい人柄がヒシヒシと
伝わってくる内容で、観れる機会のあるかたは是非とも観てもらいたいところ。
ここで第1話だけの内容を。(めちゃ長いですぞ!)

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墨谷ニ中という都内の下町の中学に谷口タカオ(写真・左)という2年生の少年が転校してくる。
彼は墨谷ニ中野球部のひどい試合を見て「これならいける」と確信。
というのも、谷口は名門青葉の野球部に属していたのだが、二軍のしかも補欠だったので、
満足に野球を楽しめなかったのだ。
墨谷なら下手すればレギュラーになれるかもしれないと期待しつつ、入部を申し込む。
入りたての彼がとりあえず、青葉のユニフォームを着て練習をしようとすると、他の部員は
彼のユニフォーム姿に態度が豹変。「あ、あの全国制覇の青葉の・・!」
「早速、バッティングを披露してもらいましょう!」
と谷口の話もろくに聞かずに、バッターボックスに立たせる。
ボールに怯える谷口。大根切りでバットを振ればたまたまホームランになり、
「墨谷に谷口あり!」の扱いとなってしまった。以後、彼は校内で注目の的に。

「2軍の補欠」だったことを言いそびれた谷口は辛い現状をとうちゃんに吐露。
とうちゃんはそんなのは「簡単なこと」という。
青葉の名に恥じないよう練習して技術を磨けというのだ。
その日から神社の境内にて、とうちゃんとの夜の特訓がはじまる。
大工職人のとうちゃん特製の木製ピッチングマシンによる剛速球で、バッティングや守備の
猛練習を毎晩するのであった。

そして入部してはじめて迎える練習試合。谷口は期待からサードでベンチ入り。
他の部員は試合前からボロボロになっている谷口のユニフォームを不思議に思いながらも、
試合ははじまった。
血のにじむような練習をしてるとはいえ、いきなり上手くなるはずもなく、谷口にいいところはない。
絶好の場面で空振り、守っても失策の連続。それを黙って見守り続ける墨谷ニ中のキャプテン。
9回での谷口の身を捨てた必死の守りでたまたま試合には勝ち、谷口の伝説は生き続けるのだが、
谷口に笑顔はなかった。

とうちゃんとの夜の特訓をつづける谷口だが、もひとつ成長できない。
部員もあざだらけでボロボロのユニフォームの谷口を不思議に思うと同時に、
「本当に青葉にいたのか?」とあまりの下手さに疑問をもちはじめる。

それでも数ヶ月、朝となく夜となくとうちゃんと特訓を続ける谷口。
ある日、ボロボロになりへたり込んだ谷口にとうちゃんは駆け寄って言う。
「もう諦めるんだタカオ。お前が二軍の補欠だったってことを正直にキャプテンに話すんだな」
「えっ」驚くタカオ。すくっと立ち上がるがそのまま涙が噴出してくる。
涙を拭う谷口の肩に手をおくとうちゃん。
「よくここまでがんばってきたな。とうちゃん、おめぇを見直したよ」とうちゃんの目にも涙が浮かぶ。

次の日の練習中、谷口はノックをしている最中のキャプテンの元に。
「あのぉ、お話したいことが・・実は僕はあのぉ・・」
すると怒鳴るキャプテン「後にしろっ!」
「いや、でもぉあのぉ」
「何をしてるんだ、谷口!!守備につけっ」キャプテンは谷口の話を聞こうとしない。
ノックを受ける谷口。次々と玉を打ち続けるキャプテン。
それを見ている他の部員は「なんか最近のキャプテン、谷口に厳しくないか?」と、
不思議に思うのだが、それよりもキャプテンの打つどんな玉にでもくらいついていく谷口に
部員は驚愕するのであった。

月日は流れ3月に。3年生も卒業となるので、そのユニフォームを脱ぐ日にキャプテンから
新オーダー並びに新キャプテンの発表が。
「一番ファースト加藤・・二番・・」次々と読み上げられるオーダー。
「四番、サード谷口」
どよめく1、2年生部員。「冗談じゃない、俺には重荷すぎる・・」うつむく谷口。

塞ぎこむ谷口の耳に後の発表は届かない。すると、また「おぉ~~!」と、どよめく1、2年生。
谷口を信望する1年生の丸井(写真・右)が谷口を突っつく。「谷口さん、あれみてくださいよぉっ」
前に掲げられてる紙に「キャプテン 谷口タカオ」の文字が。
「うわぁっ」ビックリ仰天の谷口。
「キャプテンは谷口だっ!」谷口に告げるキャプテン。

キャプテンに詰め寄る谷口。「ちょ、ちょっと待ってくださいキャプテン!ぼ、僕は
このチームに入ってまだ日も一番浅いというのに冗談じゃないですっ!」
声も裏返っている。この辺は谷口役の声優さんが非常に上手い。
「谷口、みんなを頼んだぞ。じゃ」去っていくキャプテンと3年生。
谷口は彼らの後を追って呼び止める。
「キャプテン、僕にキャプテンをやる資格はありません」
「どういうことなんだ?」
「実は僕は青葉の野球部では補欠だったんです。それも2軍の。何度か言おうとしたんですが
言いそびれて・・」それを後ろで聞いて驚く1、2年生。
キャプテンはいう。「そんなことはお前のプレーをみて一目で分かったよ」
「えっ?!」驚く谷口。
「今やお前には実力があるじゃないか」
「ちょ、ちょっと待ってください。僕は誤解から青葉のレギュラーと期待されました。
今はその期待を裏切らないよう努力するだけで精一杯なんです。それをキャプテンだなんて・・」

うつむく谷口の両肩に手を置くキャプテン。
「谷口はその期待に見事応えたじゃないか。影の努力でな」
谷口は顔をあげる。うなずくキャプテン。キャプテンはとうちゃんとの血のにじむような
特訓を影で見守っていたのだった。
キャプテンは言う。「そして今や青葉のレギュラーに負けないほどの実力をつけた。
どうだ、谷口。今度はキャプテンとしてみんなの期待に応えてくれないか?」

「お願いします」「お願いします、谷口さん」1、2年生が口々に言う。
既に彼らは谷口の人望によって絶大な信頼を寄せているのだった。
谷口の背中を押すキャプテン。谷口の目の前には既に1、2年生が集まっている。
「よ、よろしく」か細い声で帽子を取り、ペコリとアタマを下げる谷口だった。

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以上が第1話ですが、そのまま谷口の人望に部員がついていき、彼の姿を見ることで
部員たちも努力をし、わずか1年で全国大会出場に向けて名門青葉と互角の試合をするまでに
上り詰めていく話です。青葉との手に汗握る死闘は名作。

ちばあきお氏の兄、ちばてつや氏は「谷口と弟がダブる」ようなことを言ってたように
思いますが、必死に努力をするところなんかがそうだったのか。
不幸な死を遂げられたのが非常に残念です。