ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

吉野山の桜・真夜中の吉野を歩く

私も大分むかし、遊んでて最終の電車に乗り遅れ、駅前で一夜を過ごしたことは何度かあります。
それは何れも六本木や梅田といった大都会での話で、夜中だろうがなんだろうが人や車も多く、六本木なんかは書店すら24時間やってたりするんで、いくらでも時間を潰す手段はありますが、今回みたいな奈良の山奥となると話は違いますw

0時15分に吉野駅着の最終電車にて、吉野へ。
大阪阿倍野駅を出た時は席が全て埋まっていた電車も、吉野駅に降りたのは私ともうひとりの2人のみですw
そりゃこんな夜中に殆ど民家もない吉野に降りる人はいくら桜のシーズンでもおりませんわなw

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(2015/04/12 0:19)

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到着後もしばらくはご覧のように明かりが点いてたので、もしや朝までこの明かりを維持していくれるのかと一瞬淡い期待を抱いた瞬間・・

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一瞬にして真っ暗闇に。この一体の明かりは全て駅の管轄のようで、外の公衆便所すら電気が消えてしまいました。
明かりは公衆電話と自販機のみw

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有難いことに上の写真の旅館案内所の狭い一角については、感知式の電灯が備えてまして、人の動きで明かりが点いてくれます。(よく便所にあるやつです。ずっと動いてないと消えちゃいます)
なぜこのようなライトが設置されているのかというと、防犯カメラが24時間作動されてまして犯罪者の姿を捉えるためのようです。
つまりこの夜は胡散臭いワタシがずっと録画されてたことになりますw

ここで午前3時半までの3時間を過ごすわけですが、この中に入って座ってしまうと、結局は視界が前方のみで遮られるので、ふいに犯罪者が壁伝いに入ってきた場合に対処できない。
椅子に座っての仮眠など論外です。
スマホでゲームをしたり音楽を聴いたりして時間を潰したいところですが、視覚と聴覚が鈍るのでそれもできない。
五感を研ぎ澄ますために余計な時間つぶしは諦めました。時間との闘いです。

結局私は全く落ち着かず、この狭い案内所の中でずっとウロウロ。
傍から見ると完全な変質者ですw

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周辺が急に明るくなったと思いきや、線路の整備車両でした。

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懐中電灯で土産物屋さんを照らしております。

この駅前の広い一角はどんつきが吉野駅で袋小路の場所です。
一般車の進入は禁止なのですが、この時期は桜を見るために夜中に車で吉野山へ行く人間は仰山いるので、道をよく把握してないどんくさいやつがちょろちょろとこの袋小路にやってくるわけです。

車に乗ってる連中は道がわからんので、この袋小路で暫く停車します。
私も旅館案内所で静かに息を潜めて、相手がどう出るかを伺います。集団で車から降りてきて襲われた場合も想定せねばなりません。
最悪、駅舎で寝ている駅員さんに頼ることになりますがw

時々、「ケーーーーーーン!」という獣の雄叫びが。山にいる鹿のようです。
風もなく全く静寂な吉野の山。
ジュースの自販機が定期的にヴォオオン!と可動する度にビクリとしますw

手元の温度計は9度を切ってましたが真冬のジャンパーを着てるので全く寒さはありません。
最初は真っ暗な公衆便所に懐中電灯片手に行くのは気持ち悪かったのですが、3回目くらいになってくると何ともなくなってました。慣れとは恐ろしいものですw

そうこうしている間に午前3時が過ぎようとしておりました。
私が目指す場所まで山道を登るのに約1時間かかることを想定しているのでそろそろ出発です。

とりあえず、何も事件がなかったので一安心なのです。
ちなみに声を大にして言っておきますが、こんな野宿は二度としたくありませんww

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(03:17)懐中電灯で照らした旅館案内所。本当に助かりました。

ちなみに、この真っ暗の人気のない吉野駅前。
6時間後の様子がこれです↓

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(09:32)電車が到着する度にえげつない数の人々が駅から山を目指してましたw

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密に過ごした案内所も昼間は遠い存在にw



夜中の山歩きの話に戻します。

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(03:32)山登り開始。道は整備され、街灯も結構あるので懐中電灯がいらないくらい明るいです。

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常に前方にはぼんやり傘をかぶった月が。明らかに霧が発生しています。
ワタシの思惑通りです。
ご覧のように旅館や土産物店などが道沿いにあるので、普通の街中を歩く感じでした。
吉野駅でじっとしているときに比べたら、全くなんの苦痛もありませんw

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商売品がそのまま外に出しっぱなしですね。日本は平和ですなぁw

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常にケータイの電波は受信可能で、目的地まであと何キロかはリアルタイムで把握できます。
目的地に着く時間が逆算できるため、心に余裕があるので夜道でひとり、結構写真も撮ってますw

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ホンマはこういう旅館で泊まりたいもんですな。 野宿ではなくw
実際のところ、吉野にある旅館の殆どは単身での宿泊はアウトです。

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(03:49)真っ暗でよく見えませんが、 吉野のシンボルである金峯山寺です。
目指す撮影場所は上千本というところですが、そこからの撮影ではこの寺が重要になります。

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土産物の葛菓子のお店ですが、既に店内で仕込みをされてました。

4時前のこの時間で、既にバイクで新聞配達もされてました。
この季節はまだしも、真冬の吉野は雪も降りますし、この坂道での配達も大変やろうなぁ・・などと余計なことを考えながら上千本を目指す。

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上千本のほうにくると旅館や土産物店も少なくなってくるので、ホンマの山道っぽくなってきます。
しかし、この時間は車が次から次へとワタシを抜いていきます。
目指す場所は同じです。

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(04:11)間もなく、上千本です。

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(04:34)
予定時刻に撮影場所へ到着。
風もなく、雲海が眼下に広がり、私のテンションも上がります。
・・・が、この時点がピークでした。