さようなら、ドラえもん

大山のぶ代の声は最後のほう、だいぶ声もひどくなってきてた。
初期の頃の再放送なんかと比べるとその違いは歴然。昔の声は高音でほんまにかわいい声。
「これはやばいな～」と聞く度に思ってたその矢先に声優陣総入れ替えのニュース。
まぁ、ドラえもんの声を考えるとしゃあないわなぁ～と思いつつも、野比のび太役の小原乃梨子が代わるのはなんとも残念でした。
あの人は未来少年コナンやタイムボカンシリーズのドロンジョとかでも有名だが、全然声は昔から変わらず、ホンマに上手かった。

新しいドラえもんの声は評判が結構いいように聞いてましたが、この前はじめて聞くも想像よりもひとつだった。のび太は比べるまでもない。
絵が全く変わってたことにもビックリした。明らかにヘタクソになってる。スタッフも総入れ替えだったのか？

昨日、サンテレビで大山のぶ代をゲストに迎えて、その友人たちを大山に内緒で呼ぶトーク番組が放送されてました。恐らく関東ローカルの番組かと。

そこで出てきたのが小原乃梨子。
番組は２人にドラえもんの中でも名作のセリフを音読させることに。
それが「さようなら、ドラえもん」。
著作権上、番組には絵は流れず、ホンマに２人のセリフのみ。

では、ここで誰もがご存知であろうこの話のおさらいを。
当時はこれでドラえもんを終了させる予定だったので事実上の最終回です。

『さようなら、ドラえもん』：「小学三年生」昭和49年3月号初出，単行本第6巻収録



ジャイアンに追われて家に逃げ帰ってきたのび太。

のび太「あれ貸してよ。ほら、いつか使ったやつ。けんかに強くなるの」
ドラえもん「ひとりでできない喧嘩ならするな！」

いつもと違う様子のドラえもん。

のび太「おいどうしたんだよドラえもん」
ドラえもん「こないだから………言おう言おうと思ってたが……」

のび太「帰る？　未来の世界へ？！」

明日の朝、ドラえもんは未来の世界へ帰ってしまうという。

最後となるその日の晩、のび太とドラえもんはいっしょの布団に入った。
しかし、のび太もドラえもんもどうしても寝付けない。
　
「朝までお話しよう」と、２人は外へ散歩に。

ドラえもん「のび太くん……本当にだいじょうぶかい？」
のび太「何が？」
ドラえもん「できることなら……帰りたくないんだ。きみのことが心配で心配で……。
　　　　　　　ひとりで宿題やれる？　ジャイアンやスネ夫に意地悪されてもやり返してやれる？」
のび太「ばかにすんな！　ひとりでちゃんとやれるよ。約束する！」
　
のび太の言葉を聞き、ホロリとするドラえもん。
ドラえもん「ちょ、ちょっとそのへんを散歩してくる……」
のび太「涙を見せたくなかったんだな。いいやつだなあ」

ひとりになったのび太は、いつもの空き地の土管に腰掛けた。
すると、そこに眠りながらフラフラと空き地の前を通っていく人影。
ジャイアンである。

のび太「あいつ時々ねぼけて夜中に散歩するだ」
…とその時、ジャイアンはハッと目を覚ました。

ジャイアン「だれだっ。そこでにやにやしてるのは！　なんだのび太か。
　　　　　おれが寝ぼけてるところをよくも見たな。許せねえ！」

のび太は胸ぐらをつかまれた。
のび太「わあっ、ドラ………」
ここでドラえもんを呼ぶわけにはいかないのび太は慌てて口に手を当てた。

近くをドラえもんが横切ったがのび太はジャイアンと土管の影に隠れた。

のび太「けんかならドラえもんぬきでやろう」
ジャイアン「ほほう……えらいな、おまえ。そうこなくっちゃ」
ジャイアンに殴られ、吹っ飛ばされるのび太。

のび太が見当たらないことを不安に思いながらも家に帰るドラえもん。
が、のび太はまだ帰っていない。

空き地では、ジャイアンはのび太を殴り続けていた。
ボロボロになってぶっ倒れてるのび太。
ジャイアン「どんなもんだい。二度とおれにさからうな」
しかし、のび太は立ち上がる。
のび太「待て！　まだ負けないぞ」
ジャイアン「なんだおまえ。まだなぐられたりないのか」
のび太「何を。勝負はこれからだ」
さらにガツンと殴られるのび太。

家でのび太を待つドラえもん。
ドラえもん「もう１時間も経った。どこで何してんだ。最後の晩まで人に心配かけて」
　
ジャイアンはのび太を殴り続け、再びのび太はダウン。
殴り続けたジャイアンも疲れてフラフラに。
ジャイアン「ふう、ふう。これでこりたか。何度やっても同じことだぞ。
　　　　　はあ、はあ、いいかげんにあきらめろ」
帰ろうとするジャイアン。
そこをのび太は力を振り絞ってでジャイアンの足にしがみく。

のびた「ぼくだけの力できみに勝たないと……ドラえもんが
　　　　……安心して……
　　　　帰れないんだ！」
ジャイアン「知ったことか！」
更にのび太をぶん殴るジャイアン。

　
のび太の帰りを待ち続けてたドラえもんだったが不安になり再び外へ。
すると……空き地に、ボロボロになりながらジャイアンと戦っているのび太の姿が。
のび太は帰ろうとするジャイアンをしつこくしがみつく。
ジャイアン「いてて、やめろってば。悪かったおれの負けだ。許せ」
ジャイアンは逃げ帰った。

ドラえもんは、ボロボロののび太の元にかけよった。
のび太「勝ったよ、ぼく」
のび太を抱き上げながら涙を流すドラえもん。
のび太「見たろ、ドラえもん。勝ったんだよ。ぼくひとりで。もう安心して帰れるだろドラえもん」

家に帰り、布団に入って寝るのび太。その寝顔を、涙を流しながら見つめるドラえもん。
翌朝、のび太が目を覚ますと、そこにもうドラえもんの姿は無かった。

ママ「ドラちゃんは帰ったの？」
のび太「うん」

自分の部屋で独りポツンと座るのび太。
のび太「ドラえもん　きみが帰ったら部屋ががらんとしちゃったよ。でも……
　　　　すぐになれると思う。だから………心配するなよドラえもん」

大山と小原、見事に素晴らしいセリフを再現。読み終えると二人とも泣いてました。
僕も迂闊に泣いてしまった！

やっぱり２人の声優によるドラえもん、旧スタッフのドラえもんが一番ですな。

ちなみに僕は２年ほど前だったか旧スタッフ最後のドラえもん映画を知人に誘われて見ました。
目的は声優陣の挨拶がオープニングにあったからです！
大山のぶ代、小原乃梨子、野村道子、たてかべ和也、肝付兼太一同を目の前で見たことは僕の自慢です！
劇場にいたガキンチョたちよりもその親たちのほうが興奮してたかも！

追記

下の動画はドラえもんとの最後の晩からスタート。