ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

「安倍首相・踏切で老人を助け死亡した女性へ感謝状」の是非

横浜の踏切で老人を助けようとして亡くなった村田奈津恵さんの報道は、多くの日本人がショックを受けるとともにその行為に感銘や尊敬の念を抱いたことと思います。

なので、安倍首相が感謝状を送ると報道された時も、一部にパフォーマンスと受け止められることもあるかもしれないと思いつつも個人的には賛同したのですが、ネットの掲示板を覗いたところ、ワタシの「一部」という認識は誤りだったようです。

2ちゃんねるは安倍首相支持の保守派が多いはずなんですが、今回の感謝状については大半が否定的です。
「政治的パフォーマンス」というのはとりあえず置いといて、その主な理由は以下の二点に集約されるかと思います。


①救助しようと自分を犠牲にして亡くなった方は水難事故などで過去にも大勢おられ、今回の事故のみを特別視する基準が不明瞭

②今回の村田さんの行為は尊いが、行為としては誤った「悲劇」であり、無碍に美化すべきではない


まず、①ですが河川で溺れていた見ず知らずの子供さんを助けようとして亡くなる方なんかは毎年のようにおられます。
その他にも例えば私が頭に思い浮かぶのは、先の震災では消防団員や警察の方が津波が迫る中、住民を助けるために逃げもせず誘導するなどして亡くなった例が多数ありました。職務や責務のためとはいえ、これらはその範疇を大きく超えた行為であって、それらに対して国が何か感謝状でも送ったのか・・というのもあります。
今回の行為も国ではなく横浜市レベルで行うのが妥当という意見もありました。


重要なのは②のほうです。

誰しもが村田さんの行為に対しては頭の下がる思いでしょうが、但し、行為としては判断に誤りがあったことは我々は認識せねばならないでしょう。

まず、都会の鉄道の踏切の多くには「非常ボタン」がついている場合が多い。
我々が踏切で何か問題が発生したのを発見した場合は、まずこのボタンを速やかに押すのが重要で、この認識は共有しておかねばならない。
駅のホームでも同様。最近の駅は非常ボタンが一定間隔でホームの柱などに設置されている場合が多い。よく利用する駅なんかについては非常ボタンの設置場所を予め確認しておくべきでしょう。人がホームに落ちるなどの事故は有り得る話です。

村田さんは老人を助けようと真っ先に危険な踏切の中へ飛び込んでいったわけですが、その行為は真似てはならんのです。まずは電車を止めなければならないのです。自分が死んではどうしようもありません。
しかも、村田さんのお父様や周辺の目撃談によると、老人は自殺行為を図っていたのが濃厚で、「命の重さの大きい小さいはない」とはいうものの、死にたがってる老人とまだ40歳の村田さんの命とどっちが重いかといえば、明らかに村田さんの命といえるでしょう。村田さんは絶対に死の危険を冒してはならなかったのです。目の前で娘さんがお父様があまりにお気の毒です。



それでも私は「感謝状」については批判する立場にないのですが、ネットの連中が批判する理由も理解できます。

感謝状よりも私が問題視しているのは、「電車に飛び込む自殺行為」そのものについてです。
これについては怒りを禁じ得ないので、次の記事で書きます。