ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

石巻のがれき(3)~現地で処理能力を上げれないのか

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石巻市内のがれきの仮置き場。おそらく鋼材関連の仮置き場のようです。
 
 
最近またもガソリン代が高騰してますが、民主党元ガゾリン値下げ隊も動く気配がないのでこのまま暫く高止まりかもしれません。そうなると、がれきを県外に運搬するコストもとんでない額になってきます。
全部を被災地三県で処理するのは無理でしょうが、常識的に考えて、せいぜい運搬は東北内か北関東程度まででしょう。(仙台から在来線で東京まで移動した今回の経験で、東京で処理することすら非現実的に思えてきた)
 
先日も述べましたとおり、被災地が極力一番いいように対処したらいいとは思うのですが、対コストは当然考慮せねばならず、現地で処理をするほうがコストが安くつき、しかもスムーズであるならば処理能力を高める方向で考えるのが至極当然の流れです。
 
南三陸町石巻市などは処理能力を高める方向で動いてるようですが、被災直後に既にその方向で動いていた陸前高田市の市長、その市長の苦悩が20日東京新聞に出ていたので、その概要を紹介したい。
陸前高田市のがれきの総量は岩手県最大の100万トン程度と推定されています。
 


 
「やる気のない人たちだ。とにかく新しいことに挑戦したくない。環境省と県は責任をなすりつけあっている」
 
陸前高田のがれきの焼却は大船渡市にある太平洋セメントに行なってもらう流れになっていたが、戸羽市長は太平洋セメント自体が被災していることと、復旧しても大船渡市のがれきが優先されることを想定して、被災直後から自前の焼却施設を作ることを県に打診。提案は具体的で、施設の建設場所は被災した県立高田松原野外活動センターでその仮置き場を背後に設置する案を出す。しかし、県からの回答は「環境アセスメントの手続きで2、3年かかる」と素っ気ない。
 
松本龍防災担当相(当時)はその案に前向きだったものの具体的な進展はみられず、市長が県に問い合わせると「環境省はヤル気がない」、環境省に聞くと「県から正式な話は来ていない。話があれば当然検討する」とチグハグ。結局は検討すらされずにここまで来ている。
 
焼却炉のみならず、米軍から大型破砕機を借り受ける案も県に出したものの「前例がない」であっさり却下。
「『だから試せよ』という話だ。住民に少しでも動き出したところを見せたいのに、全く理解してもらえなかった」と市長。
 
陸前高田市は今後も結局は太平洋セメントに処理してもらう予定。
市長は「他に困っている被災地がたくさんある。広域処理には賛成だが、広域分は宮城県で全体の二割、岩手県で一割。広域処理が進んだからといって一気に解決される話ではない。国は被災地の現状をしっかり見て、あらゆる手立てを講じてほしい」と語っている。
 
(以上、3月20日東京新聞を参考にその概要を記した)
 

 
被災地の自治体のトップは動こうとするものの、どうも国や県がまともに動いていないらしい。
 
私も野田首相が先日、広域処理について動き出した時に「よくやった!!」と単純に思ってしまったが、上の市長の発言のように広域処理で可能な量は微々たるもの。広域の方向に力を入れる前にもっとやることがあるんでは??それが被災地にとって最も有効な施策ですか??ということです。
 
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陸前高田市のがれきの仮置き場のようす。
 
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石巻市の仮置き場。実は警備員の方に注意される前に搬入口から撮影済みだった。