ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

パナソニック、テレビ事業赤字続きで尼崎工場縮小へ

先週もいろんな嫌なニュースがありましたけど、一番ショックやったのはやはりこのニュースでしたわ。
パナソニックのみが没落してるというより日本全体の没落の象徴みたいなニュースですな。
しかも地元の最新鋭工場が一部停止となると尚更です。
 
尼崎の南端の海沿いに松下電器(当時)の最新鋭プラズマ工場が急ピッチで建設されまして、稼働をはじめたのが05年。
それまでは茨木市に同社のテレビ事業の工場があったんで、そこでプラズマを作ってたんですが、プラズマテレビでメキメキと頭角をあらわして他社を圧倒しはじめたこの頃、最新鋭の設備で生産させるべく尼崎に工場を持ってきたわけです。
尼っ子のワタクシとしても当然嬉しいニュースでした。
 
続けざまに第二工場も作ったわけですが、稼働後しばらくして早くもプラズマは怪しくなってきてました。
その頃までは液晶は基本的に大画面が苦手やったんですが、それがどんどん容易に大型化していって、42インチ以上でもプラズマと変わらん程の値段で供給しはじめていたんですな。
クソド素人でも「プラズマは液晶に食われる」のが目に見えてました。
そん中でもパナは決算報告でもプラズマの売れゆきがいいことを誇らしげに語り、強気の需要予測をだしとりました。
 
・・・がそれが一瞬で暗転します。
08年のリーマン・ショックですわ。 
リーマン・ショックの影響は一時的やったんでしょうけど、その後も液晶の伸びが止まりません。プラズマの領域の42インチ以上も侵食していって、50インチですらもそれほど高い値段でなくなってくる始末。
 
挙句に韓国勢の台頭です。
液晶でサムスンLGが世界で圧倒的なシェアを持ち始めた。
米国に行ったときに巷で見かけるのはサムスンとLGのテレビばっかりだったことは既に記事にしたとおり。
ウォン安やらなんやらいろんな理由があるんでしょうけど、大した先端技術もない国に日本のお家芸だったテレビ事業が隅に追いやられていくのはなんとも寂しい話です。
 
・・そんな中で尼崎では去年の1月から第三工場の本稼働。
目も当てられん状態です。
その第三工場が今年中に停止されると言われております。たった2年の寿命です。
 
薄型テレビの世界シェアはサムスンとLGが1,2位となり、ソニーが3位。パナは4位です。
世界的にブランド力があり、辛うじて3位内を死守しているソニーのテレビ事業が安泰かといえば、未だに8年連続赤字続き。
パナソニックは結局リーマン以降赤字続きです。まもなく発表される第2四半期も惨憺たるもんでしょう。
 
リーマン以前の工場は24時間365日フル稼働、どんどん期間社員を雇い、その期間社員で一定の基準をクリアした者についてはプラズマディスプレイというパナの子会社の社員になった者も少なからずいます。
そういう雇用の面をはじめ、尼崎を盛り上げてきたこの最新鋭の工場がわずかたったの6年ほどで大きな曲がり角を迎えるとは・・。
 
この目まぐるしい世界の動きを予見するのは困難ではあるものの、パナソニックの目測が素人以下だったのは確かです。
 
イメージ 1
09年10月撮影。 第三工場稼働直前の頃の尼崎工場。